評価年月日 平成21年6月4日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲
1.案件名1-1.供与国名ガーナ共和国 1-2.案件名「国道8号線改修計画」 1-3.目的・事業内容 ガーナの主要物流ルートであるにも拘らず、その舗装の急速な劣化により幹線道路網の障害となっている国道8号線アシンプラソーベクワイ間約60キロメートルを改修することによ り、円滑かつ安全な交通を確保する。供与限度額は87.14億円。 1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点以下の事項がガーナ政府により実施される必要がある。 (イ)本計画により改修される道路の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。 |
2.無償資金協力の必要性2-1.必要性(1)ガーナにおいては、輸送分野の中で道路交通が全体の98%を占めているが、同国の道路網は、国内の経済発展に伴う交通量と過積載状態の大型車両の増加のため、国内各所で舗装の急速な劣化が問題となっている。 (2)本計画の対象区間であるアシンプラソ・ベクワイ間の道路は、主要幹線道路である国道8号線上の一区間として、首都アクラ及びテマ港からなるアクラ経済圏、内陸部のクマシ経済圏、そしてタコラディ港を中心とした西部経済圏を三角形に結ぶ主要物流ルートである。また、地域間格差が問題となっている北部サバンナ地帯や南部森林地帯に接続し、北部からのヤム芋などの農産品や、カカオや木材などの南部農産品が輸出港や主要経済圏に向け輸送される重要なルートである。更に、ガーナが国境を接するブルキナファソやマリ、ニジェール等の内陸諸国への物流路としても重要な位置にある。 (3)本対象道路は舗装の急速な劣化により、ガーナの定期維持管理で修復可能なレベルを超えた損傷が生じ、幹線道路網の障害となっている。ガーナ側からは8号線の約180キロメートルの修復の要請があったが、その内、特に損傷の激しく真に緊急な修復を行う必要がある区間を選び整備する。また、ガーナに対しては、現在、有償資金協力は行っておらず、真に必要な修復を迅速に行うため、無償資金協力のスキームにより対応することとした。 2-2.効率性本計画を実施するにあたっては、ガーナ政府と十分に調整した上で、当該道路の交通量を踏まえた必要最小限の道路舗装の設計を行いコスト縮減に努めるなど、本件協力の効率的・効果的実施に努める。 2-3.有効性本件の実施により、次のような成果が期待される。 (1)対象道路の改修を行うことにより、対象区間での平均走行時間が、約90分から約50分に短縮され、輸送コストの低減、物流の増大、交通の安全性の向上が期待される。 (2)ガーナは、これまで政治的・社会的安定を保ち、国内の政治・経済改革に積極的に取り組むとともに、西アフリカにおける平和構築において主導的役割を果たしている重要な国である。また、我が国は、昨年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)でインフラ開発等を重点分野とし、アフリカ経済の成長を支援していくことを表明しており、本計画はTICAD IVのフォローアップの一環として実施するものであり、その外交的効果は大きい。本計画の実施により、両国の友好関係強化への効果が期待される。 |
3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等(1)ガーナ共和国政府からの要請書 (2)JICAの概略設計調査報告書 (3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。 |