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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成21年3月24日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲

1.案件名

1-1.供与国名

 ブルキナファソ

1-2.案件名

 「中央プラトー及び南部中央地方飲料水供給計画」

1-3.目的・事業内容

 中央プラトー地方及び南部中央地方の2地方において人力ポンプ付深井戸施設300箇所の建設を行うとともに、施設の運営維持管理指導を行うことにより、安全な水の供給、衛生環境の改善を促進する。供与限度額は14.59億円(平成21年度:3.65億円、平成22年度:6.16億 円、平成23年度:4.78億円)。
 我が国がTICAD IVで表明した「水・衛生施設整備促進」の具体化策の1つ。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がブルキナファソ政府により実施される必要がある。

 (イ)本計画により整備された施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
 (ロ)活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ブルキナファソは、アフリカの内陸国に位置し、人間開発指数が177カ国中174位と世界最貧国の一つである(国連開発計画(UNDP)「人間開発報告書(2007/2008)」)。このため、ブルキナファソ政府は、「貧困削減戦略文書(PRSP、2002年策定、2004年改訂)」において、貧困層への基本的社会サービス供給の確保を最重要課題の一つに掲げ、生活改善に向けた取組みを実施している。

(2)同国の給水率は約60.2%と低く、給水施設が十分に整備されていない村落においては、年間降雨量も少ないため、住民は飲料水として河川や水溜りの水を利用しているため、ギニア虫症(ギニアウォーム)や下痢などの水因性疾患が多発しており、安全な水の確保が緊急の課題となっている。

(3)ブルキナファソ政府は、「給水・衛生分野の国家計画2015(2005-2015)」において、2015年までに村落部の給水率を60%(2005年)から80%に向上させるという目標を掲げ、給水施設の整備を進めている。同目標達成のために、中央部の中央プラトー地方及び南部中央地方の2地方においては、新たに人力ポンプ付き深井戸給水施設が1,000箇所、簡易給水施設が47箇所必要と計画されているが、厳しい財政事情から給水施設の建設が追いついていない状況である。

2-2.効率性

 必要最小限のコストで最大の効果が発揮できるよう、工事の効率化の観点から、特に人口が多く、既存給水施設が不足しているサイトを優先的に選定し、村落状況に応じた設計、施工計画等につき検討を行った。

2-3.有効性

(1)本計画の実施により、以下のような成果が期待される。
 対象地域において、人力ポンプ付深井戸給水施設が建設されることにより、中央プラトー地方及び南部中央地方で新たに約4万人が安全な水の供給を受けられるようになる。また、安全な水の安定利用が可能となることで、対象地域における衛生環境が改善され、水因性疾患が減少することが期待される。

(2)我が国とブルキナファソは友好関係にあり、今般、同国における我が国の大使館開設も決定された。我が国はTICAD IV横浜行動計画において、水・衛生施設整備の推進を掲げており、サハラ砂漠南部に位置し、給水率の低い同国においてかかる協力を実施するのは右政策に資する。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ブルキナファソ政府からの要請書

(2)JICAの基本設計調査報告書

(3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



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