評価年月日 平成21年4月25日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲
1.案件名1-1.供与国名ボリビア多民族国 1-2.案件名「コチャバンバ市南東部上水道施設改善計画」 1-3.目的・事業内容ボリビア多民族国の首都ラパス近郊の中核都市コチャバンバ市において、対象地域に安全で十分な量の水を安定的に供給することにより、住民の生活環境を向上させるため、浄水場及び送水管の整備を行う。供与限度額は12.15億円。ボリビアは多くの日系人や日系移住者が居住する我が国の伝統的友好国。 1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点以下の事項がボリビア多民族国政府により実施される必要がある。 (イ)本計画により整備された施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。 |
2.無償資金協力の必要性2-1.必要性(1)ボリビア多民族国は、一人当たりGNIが1,110米ドル(2006年世界銀行)の南米最貧国であり、基礎生活分野のインフラ整備が遅れている中、上水道施設の整備が喫緊の課題となっている。このような中、同国政府は「国家基礎衛生計画(2000-2010)」を策定し、2010年までに給水普及率を国全体で90%に引き上げることを目標に掲げ、上水道施設の整備に重点を置いている。 (2)本案件の対象地域であるコチャバンバ市は人口約53万人(2001年)の同国第三の都市であるが、主要都市の中でも特に給水事情が逼迫しており、給水普及率は約48%に過ぎない。とりわけ同市南東部は近年市街化が急速に進んでいるにもかかわらず、給水サービスが行われていないため、住民は水組合が運営する井戸を水源とする給水等に頼っているのが現状である。しかしながら、こうした給水は水質が保障されていない上、利用できる水量も限られており、住民の衛生状況、生活環境を改善するためにも上水道施設の整備が急務となっている。 2-2.効率性(1)本計画で対象とする浄水場の整備については、既存のろ過池を活用するなど、既存施設を可能な限り活用することにより最小限の整備とした。 (2)送水管の整備についても、既存管を活用し最小限の整備とした。 2-3.有効性(1)ボリビア国の基準に準じた水質(濁度5NTU以下、大腸菌群数0CFU/ミリリットル、残留塩素0.2-0.5ミリグラム/リットル)の条件を満たす給水サービスを、原則24時間連続してプロジェクト対象地域内の住民約5万人が受けられるようになる。 (2)安全な水が供給されることにより、住民の衛生状況が改善され、下痢やチフス等の水因性疾患が減少することが期待される。 (3)ボリビアは、多くの日系人や日系移住者が居住する我が国の伝統的友好国であり、本案件の実施により、友好関係の一層の増進が期待される。 |
3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等(1)JICAの基本設計調査報告書 (2)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。 |