平成20年12月
(1)通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の移転に関する透明性の増大及びより責任ある管理を実現し、それらの過度の蓄積を防止することにより、地域及び国際社会の安全と安定に寄与する。
(2)グローバルなテロとの闘いの一環として、テロリスト・グループ等による通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の取得を防止する。
(1)ココムの解消
1994年3月末、冷戦の終結に伴い旧共産圏諸国に対する戦略物資統制のためのココムが解消。
(2)新輸出管理体制設立協議
地域の安定を損なうおそれのある通常兵器及び関連汎用品・技術の過度の移転と蓄積の防止という新たな国際社会の課題に対応した輸出管理体制設立の必要性が強く認識され、旧ココム参加国を中心に約2年半にわたり協議を行った。
(3)ワッセナー・アレンジメントの設立合意・発足
1995年12月、新たな輸出管理体制の設立について関係国間で政治的な申し合わせが行われ、協議が行われたオランダのワッセナー市にちなみ「ワッセナー・アレンジメント(WA)」と呼ばれる。その後、1996年7月の設立総会をもって体制が正式に発足。
(1)WAの性格
WAは法的拘束力を有する国際約束に基づく国際的な体制ではなく、通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の供給能力を有し、かつ不拡散のために努力する意志を有する参加国による紳士的な申し合わせとして存在。
(2)ココムとの違い
ココムがその対象地域を対共産圏に限定していたのに対し、WAでは特定の対象国・地域に的を絞ることなく全ての国家・地域及びテロリスト等の非国家主体を対象としている。
(3)WAにおける活動
(イ)輸出管理
参加国は、通常兵器及び関連汎用品・技術に関してWAで合意されたリスト(*)の品目について、国内法令(我が国においては、外国為替及び外国貿易法、輸出貿易管理令、外国為替管理令等)に基づき輸出管理を実施している。
(*)輸出管理対象品目リスト
(a)汎用品リスト:9カテゴリーに分類された基本リスト及び基本リストの中でもより機微なものと位置づけられる汎用品・技術を抜粋した機微リスト。
基本リストの9カテゴリー
1)先端材料(超伝導材料、セラミック等)、2)材料加工(工作機械、ロボット等)、3)エレクトロニクス(集積回路、半導体等)、4)コンピュータ、5)通信関連(ケーブル、暗号装置等)、6)センサー・レーザー(ソナー、暗視センサー、レーダー等)、7)航法装置(ジャイロスコープ、GPS等)、8)海洋関連(潜水艇、水中用ロボット等)、9)推進装置(ロケット推進装置、無人航空機等)
(b)軍需品リスト:22項目にわたり武器(通常兵器)を全般的に網羅したリスト。
(ロ)情報交換
参加国は、通常兵器及び関連汎用品・技術の移転に関する透明性を高めるために以下の情報を参加国間において通報している。
(a)通常兵器
移転通報:国連軍備登録制度(UNR)の7つのカテゴリーに小型武器(携帯式地対空ミサイルを含む)を加えた計8カテゴリーの通常兵器について、型式の詳細を含むWA参加国からWA非参加国への移転の通報(年2回)
(b)汎用品
拒否通報:非参加国に対する拒否案件についての通報(年2回)
拒否通報:非参加国に対する拒否案件についての原則30日、遅くとも60日以内の通報。
移転通報:非参加国に対する許可/移転についての通報(年2回)
アンダーカット事後通報:過去3年間の拒否案件と本質的に同様の案件の輸出許可についての原則30日、遅くとも60日以内の通報。
(1)参加国(※太字は設立後に参加した国)
40ヶ国(アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア(2005年6月)、チェコ、デンマーク、エストニア(2005年5月)、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ラトビア(2005年5月)、リトアニア(2005年5月)、ルクセンブルク、マルタ(2005年4月)、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア(2005年2月)、南ア(2006年2月)、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、英国、米国)
(2)組織
(イ)事務局はウィーンに設置されている。
(ロ)全ての重要事項の決定は、年1回開催される総会において決定される。総会の議長は各国の持ち回り。現在の総会議長国はブルガリア。2009年はカナダ。
(ハ)GWG(一般作業部会)は主に政治的問題についての協議及び情報交換を目的として年2回開催。
(ニ)EG(専門家会合)はWAにおける規制リストの見直しのために年2回開催。