岸田外務大臣
第21回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合(概要)

平成26年8月14日

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 8月10日午後2時半(現地時間)から約4時間にわたり,ミャンマー・ネーピードーにおいて,第21回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が開催され,我が国から岸田外務大臣が出席したところ,概要以下のとおり(議長:ワナ・マウン・ルイン ミャンマー外務大臣)。

1 今次会合の意義

 今次会合では,南シナ海,北朝鮮等の地域情勢を中心に,参加国の間で率直な意見交換が行われた(今次議長声明の南シナ海及び北朝鮮の情勢に関するパラグラフの仮訳(PDF))。また,日本の「積極的平和主義」及び先般の閣議決定といった我が国の安全保障政策について透明性をもって丁寧に説明した上で,ARFにおける日本の具体的な貢献についてもアピールした。

2 地域・国際情勢

(1)南シナ海

 岸田大臣から,安倍総理によるシャングリラ・ダイアローグでの基調講演に基づき,「海における法の支配の三原則((ア)国家は法に基づいて主張をなすべし,(イ)主張を通すために力や威圧を用いない,(ウ)紛争解決には平和的収拾を徹底すべし)」を訴えた。また,南シナ海の全ての関係国が,2002年の行動宣言(DOC)策定時の精神と規定に立ち返り,後戻りが出来なくなる変化や,物理的な変更を伴う一方的な行動をとらないという約束を交わすという提案に改めて言及。ほとんどの参加者が南シナ海の問題に言及し,岸田大臣の発言と同様、各国は国際法に則り,力や威圧に訴えることなく,平和的に解決すべきという点を強調していた。

(2)北朝鮮

 岸田大臣から,日本は拉致,核,ミサイル等の諸懸案の包括的解決を目指すとの方針で一貫している旨説明するとともに,北朝鮮による弾道ミサイル発射が安保理決議等の違反である旨指摘し,北朝鮮に対し,自制と安保理決議や六者会合共同声明の誠実かつ完全な実施を求めた。また,拉致問題の重要性を改めて説明の上,5月の日朝合意について,北朝鮮による全ての日本人に関する包括的・全面的な調査についてその結果を見極めたいとの日本の立場を示した。多くの参加者から,核・ミサイル開発につき懸念が表明されたほか,複数の参加者から,拉致問題を念頭に北朝鮮の人権状況を憂慮する発言が行われた。なお,北朝鮮からは,従来の北朝鮮の独自の主張が述べられた。

(3)ウクライナ

 岸田大臣から,クリミアの「併合」は明らかな国際法違反であり,このような「力」を背景とする現状変更は容認できないとした上で,全ての当事者が,双方向の停戦と和平に向けた対話に応じることを改めて強く求めた。また,マレーシア航空機撃墜事件に哀悼の意を表すとともに,真相究明のため,全ての当事者が国際的調査に協力すべき旨発言した。多くの参加者から,クリミア情勢につき懸念が示され,ロシアの前向きな対応を求める発言が多くなされた。

(4)ガザ情勢

 岸田大臣から,停戦に向けた国際社会の仲介努力,特にケリー米国務長官の尽力を支持しつつ,日本としても,550万ドルの緊急無償資金協力の実施,安倍総理からネタニヤフ首相への働きかけ等,持続的な停戦合意に向けて尽力する旨を表明。いくつかの参加者から,岸田大臣と同様にガザ情勢を懸念するとの発言があった。

(5)イラク

 岸田大臣から,日本は従来から,イラク政府や米国によるテロとの闘いを支持している,今回の米国による限定空爆は,このような闘いの一環として,米国人員を保護するため,また厳しい状況に置かれた市民を保護する部隊を支援するために,イラク政府の同意を前提に行われた措置であると理解する旨を発言。複数の参加者から,イラク情勢を憂慮する発言が行われた。

3 日本の安全保障政策

 日本の安全保障政策として,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」を改めて説明した。先般の安全保障法制の整備についての閣議決定についても,透明性をもって丁寧に説明した。また,日本の平和国家としての根幹は不変であるとことを改めて強調した。

4 その他

 ARFにおける各分野での今後の取組について各国から発言があった。岸田大臣からは,日本の貢献として,(1)マレーシアと共に,次期会期でISG【注1】の共同議長を務めること,(2)米国・フィリピンと共に,今夏から「海上安全保障ISM【注2】」の共同議長を務めること,(3)中国・ミャンマーと共催で来年初めに「災害救援ISM」を日本で開催すること,(4)米国・インドネシアと共催で今年10月に「宇宙セキュリティ・ワークショップ」を東京で開催することを表明した。また,不拡散・軍縮分野において,来年のNPT運用検討会議の成功に向け,「核兵器のない世界」を実現すべく,現実的かつ実践的な取組を主導していくことを強調した。

【注1】ISG(Inter-Sessional Group)課長級の準備会合
【注2】ISM(Inter-Sessional Meeting)海上安全保障,災害救援,テロ・国境を越える犯罪対策,不拡散・軍縮という4分野において,信頼醸成を図るために具体的な取組を進める会期間会合


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