欧州(NIS諸国を含む)

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欧州評議会(Council of Europe)の概要

平成21年11月

1.欧州評議会(CoE)の概要

(1)設立経緯・加盟国・活動分野

 1949年、人権、民主主義、法の支配という共通の価値の実現に向けた加盟国間の協調の拡大を目的としてフランスのストラスブールに設立。加盟国は47か国(EU全加盟国、南東欧諸国、ロシア、トルコ、NIS諸国の一部(注1))、オブザーバー国は5か国(日本、米、加、メキシコ、バチカン)。
 伝統的に人権、民主主義等の分野で活動。最近ではこれに加え、薬物乱用、生命倫理、サイバー犯罪、人身取引、テロなどの問題に対応。各種条約策定(2006年5月末で200本)、専門家会合開催の他、国際問題などに関する勧告・決議採択、決議事項のモニタリングに取り組む。また、冷戦終了後は、旧東側諸国の民主化及び市場経済への移行を積極的に支援。

(2)主要組織

(イ)閣僚委員会 (Committee of Ministers

 意思決定機関。加盟国外相で構成され、年1回会合(閣僚級、非公開)を開催。条約や協定、勧告の採択、予算承認等を行い、下部機関として各種運営委員会・専門家会合を設置。議長国は6ヶ月毎に加盟国が持ち回り。

(ロ)議員会議 (Parliamentary Assembly

加盟各国の国会議員で構成される。議員は318名(予備議員318名)で、人口、GNP比で各国2〜18議席配分。年4回の本会議、10の一般委員会その他委員会を通じて活動。
立法権を有さない諮問・モニタリング機関。活動内容としては、閣僚委員会への勧告、新規加盟国の加盟時の誓約の遵守状況の監視。議長はルイス・マリア・ドゥ・プーチ氏(Mr.Lluis Maria DE PUIG、スペイン、2008年1月〜、任期1年で通常3期で交代)。

(ハ)欧州地方自治体会議(Congress of Local and Regional Authorities of Europe: CLRAE)

 地方レベルにおける民主化強化を目的とする、閣僚委員会及び議員会議の諮問機関。各国地方代表議員で構成され、各国地方代表議員で構成され、議員318名(予備議員318名)。

(ニ)欧州人権裁判所 (European Court of Human Rights

 欧州人権条約(1953年発効)及び同第11議定書(1998年発効)により創設された人権救済機関。長官はジャン=ポール・コスタ氏(Mr.Jean-Paul Costa、仏、2007年〜(任期6年))。

(ホ)事務局 (Secretariat

 加盟国出身の職員約1800人が執務。現在の事務総長(Secretary General)はトルビョルン・ヤーグラン氏(Mr.Thorbjorn Jagland,ノルウェー元国会議長/元首相、任期は2009年10月から5年)。

2.我が国との関係

(1)オブザーバー・ステータス

 我が国は、1996年11月に米、加に次いで3番目の欧州評議会閣僚委員会のオブザーバー国となった。

(2)CoEとの協力状況

(イ)CoEが開催する各種会合への参加

(ロ)任意拠出:2003年以来毎年4万54ユーロを拠出。

(ハ)CoE作成条約の締結・加入
 我が国は、2003年2月に「刑を言い渡された者の移送に関する条約」(注2)に加入し、同年6月1日より発効。2001年11月に「サイバー犯罪に関する条約」(注3)に署名(未発効)。

(ニ)選挙監視団への参加
 CoEが派遣する選挙監視団に我が国から監視員が参加(2001年11月に実施されたコソボ全域選挙及び2004年10月に実施されたコソボ議会選挙)。

(ホ)欧州評議会幹部の招聘
 これまで、2002年3月にシュヴィマー事務総長(当時)、2003年2月にシーダー議員会議議長(当時)、2004年4月にヴィルトハーバー欧州人権裁判所長官(当時)、2009年11月ドゥ・プーチ議員会議議長を招聘。

(ヘ)議員交流(OECD活動拡大討議への参加)
 1974年以来、我が国の国会議員団がCoE議員会議にて開催されるOECD拡大討議(:CoEとOECDとの取極に基づき、議会組織を持たないOECDの活動報告の討議をCoE議員会議が代行)に参加。

(ト)地方自治体交流
 欧州自治体会議の総会に知事及び市長が参加。

(3)オブザーバー国における死刑問題

 2001年6月25日、CoE議員会議は、オブザーバー国である日・米の死刑制度廃止を求めること等を内容とする決議を採択して以来、類似の決議を採択。また、CoE事務総長、CoE議員会議議長も我が国に対し死刑廃止を主張。
 なお、CoEの全加盟国において死刑制度は廃止あるいは執行停止(ロシア)されている。

(注1)欧州評議会加盟国
 フランス、イタリア、英国、ベルギー、オランダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイルランド、ルクセンブルク(以上原加盟国)、ギリシャ、トルコ(1949)、アイスランド(50)、ドイツ(51)、オーストリア(56)、キプロス(61)、スイス(63)、マルタ(65)、ポルトガル(76)、スペイン(77)、リヒテンシュタイン(78)、サンマリノ(88)、フィンランド(89)、ハンガリー(90)、ポーランド(91)、ブルガリア(92)、エストニア、リトアニア、スロベニア、チェコ、スロバキア、ルーマニア(93)、アンドラ(94)、ラトビア、モルドバ、アルバニア、ウクライナ、マケドニア(95)、ロシア、クロアチア(96)、グルジア(99)、アルメニア、アゼルバイジャン(2001)、ボスニア・ヘルツェコビナ(2002)、セルビア(2003)、モナコ(2004) 、モンテネグロ(2007)
 なお、ベラルーシは議員会議特別参加資格(Special Guest Status)を有するが、現在資格一時停止中。

セルビアは、2003年当時はセルビア・モンテネグロとしてCoEに加盟。2006年のモンテネグロ独立に伴い、セルビアがセルビア・モンテネグロの承継国となった(モンテネグロはCoE加盟申請を行い、2007年5月に承認された。)。

(注2)刑を言い渡された者の移送に関する条約」(略称:受刑者移送条約)
 1983年作成、1985年発効。締約国間において自由の剥奪を伴う刑罰または措置を科された外国人受刑者を一定の要件の下で母国に移送する手続等について定めている。CoE非加盟国にも開放されており、米、加等も締結済み。

(注3)「サイバー犯罪に関する条約」(略称:サイバー犯罪条約)
 2001年作成、2004年発効(我が国は2004年4月に締結について国会承認済、現在関連国内法整備中)。同条約は、サイバー犯罪からの社会の保護を目的とする国際的な法的枠組を定めるものであり、不正アクセス、コンピューターシステムの妨害等のサイバー犯罪の深化・蔓延に効果的かつ迅速に対処するために国際協力を行い、共通の刑事政策を採択することを目指している(米・加も署名済)。

参考資料:「欧州評議会の概要」(PDF)PDF


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