日本企業支援

平成25年4月26日
(佐久間大使のご挨拶)
(オルトゥーニョ工業エネルギー鉱業省次官のご挨拶)
在ウルグアイ大使館
二等書記官 山口恵美子

 ウルグアイは近年ラテンアメリカの中でも経済成長を遂げており、一人あたり国民所得は、14,786ドル(2012年)とラテンアメリカでトップクラスです。左派政権下ではありますが、投資環境整備に努め、外国投資誘致を積極的に行うなど、企業と良好な関係を構築しています。外国直接投資の重要性を認識し、投資法等に基づき、外国企業に対して内国民待遇の実施、投資の際に事前登録・事前許可を必要としない、外国投資に由来する元本及び利益の海外送金に関する制約を設けていないほか、法人税の一定期間の免除、輸出品生産のための原材料・生産部品・中間生産物等に対する輸入関税及び間接税の免除、輸出額の一部還付、輸出の前払いシステム等、様々な優遇措置が採用されています。

 また、政治的社会的にも安定しており、政府の政策決定における透明性ランキング(2012年世界経済フォーラム)では南米2位、民主主義指数(2011年エコノミスト・インテリジェンス・ユニット誌)では1位、経済自由度指数(2012年ヘリテージ財団)では2位、政治的安定性(2010年世銀「世界ガバナンス指数」)では1位、政治経済改革指標(2012年ベルテルスマン財団)では1位、企業景況感指数(2012年ゼツリオ・ヴァルガス財団、IFO経済研究所)では1位となっています。

 ただ、日本からは一番遠い国であり、市場が小さいこともあり、現在の日本企業の数も12社と多くはありません。また、日本や他の国に進出している日系企業からは、ウルグアイに関する日本語の情報が少なすぎるという声も聞かれています。

 

1.ウルグアイでのビジネスセミナーの実施

 こうした中、在ウルグアイ日本国大使館経済班は、外務省、農水省から各1名で、大使の指揮の下一丸となって日本企業への情報提供を活発化しております。

 2011年10月にはモンテビデオの日本大使公邸で日本企業を対象に、日本語でのビジネスセミナーを実施しました。

 ビジネスセミナーの実施にあたり、日本企業にウルグアイに関心を持っていただくため、南米でも日本企業の多いサンパウロで、サンパウロ総領事館及び日本・サンパウロ商工会議所の協力を得て、100名以上の日本企業関係者を対象に、佐久間大使によるウルグアイのプレゼンテーションを実施しました。また、ブエノスアイレスでも同様に、在アルゼンチン日本大使館及び日本・アルゼンチン商工会議所の協力を得て松本参事官によるウルグアイのプレゼンテーションを実施しました。

 また企業のニーズを聴取するために、北・中南米の日本大使館・総領事館・JETRO事務所の協力を得て、進出している日本企業にアンケートを配り、ウルグアイに関心があるか、関心があるとすればどのような分野に関心があるか、ウルグアイで日本企業向けのビジネスセミナーを実施するとしたら参加することに興味があるか・今後ウルグアイの経済等の情報を送付させていただいても構わないか等の質問をさせていただきました。

 その結果、非常に多くの回答を得ることが出来、ウルグアイの政府系投資促進機関(UruguayXXI)、工業エネルギー鉱業省、民間コンサルタント会社等の協力を得て、日本企業からのアンケートの回答に従って、ウルグアイのエネルギー・工業・インフラ・投資環境制度・労務制度・進出日本企業・フリーゾーンをビジネスセミナーのテーマとすることとし、ウルグアイの官民関係者の中からプレゼンテーターを探し、英語でプレゼンテーションの資料を作成し、スペイン語(同時通訳で日本語)で発表をしてもらうことでビジネスセミナーを実施しました。

 また日本企業の関心が高いフリーゾーンについては、半日間の視察ツアーを組みました。更に、夜のレセプションでは、ウルグアイワインを日本企業の方々に知っていただくために、ウルグアイのワイン会社と話をしてプロモーションをしてもらいました。

 その結果、各社の南米総括や社長をはじめとする30名以上の方々にウルグアイに来ていただき、セミナーにご出席いただくことが出来ました。日・アルゼンチン商工会議所及び日・サンパウロ商工会議所やJETROからも参加者がありました。出席者からは、佐久間大使及び大使館の日本企業支援への積極的な取り組みに対する評価の声が聞かれました。日本や他の国からウルグアイに来られる日本企業の数も非常に多くなり、多いときには毎日企業の方が大使館を訪問されることもあります。今後ウルグアイに進出を決めた企業もあると聞いています。

 

2.経済情報の提供

(1)ビジネスセミナーによるウルグアイの紹介にとどまらず、日本企業への更なる情報提供のために、JETROの協力を得て、2011年1月から現在までJETROのインターネットビジネス情報誌であるCarta de Jetro(月2回)にウルグアイの情報を掲載してもらっています。Carta de Jetroを見ましたと言われて大使館を訪問される日本企業の方々もいらっしゃいます。

(2)また、ビジネスセミナーの前に実施したアンケートで、今後も情報を送って欲しいと回答いただいた企業には、メールで不定期にウルグアイの経済情報を送っています。日・サンパウロ商工会議所からは、ウルグアイに関心を持っている日本企業が多いことから、会報にウルグアイ情報を掲載させて欲しいという話もありました。また、日・アルゼンチン商工会議所も、最近ウルグアイに出張する日本企業が増えていることから、今後会報にウルグアイ情報を掲載したいというお話もありました。

(3)更に、ウルグアイの政府系投資促進機関(UruguayXXI)をはじめとする官民の関係者との関係を強化し、調査に来られる日本企業の方々には、分野や調査内容に応じて、直接対応してもらえる関係者を紹介出来るネットワークを形成しています。

 

3.中南米の優等国であるウルグアイへの今後の日本からの投資の増加を見据えて、昨年12月には日本・ウルグアイ投資協定の締結に向けた正式交渉が開始されました。南米を視野にウルグアイを拠点とする日本企業も出てきている中、今後も他の公館と連携し、また大使館と企業との風通しを良くして、活発な情報交換が出来る機会を増やしていきたいと思っています。

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