しかし、アフリカの多くの土地では、水道がないため、毎日何十キロも歩いて井戸や川まで水をくみに行きます。アフリカでは子どもが水くみや、畑仕事の手伝いをしなければならないので、学校に行きたくても行けないのです。それに、学校に行こうにもバスも電車もなく、学校まで何時間も歩かなければならないのです。
アフリカってどんなところなのでしょう。
アフリカ大陸は、日本の80倍以上で、世界の22%を占める大きさです。その中に53の国があり、9億人以上の人がいます。人類発祥(はっしょう)の地とされるアフリカには、広大な砂漠(さばく)もあれば、野生動物を育む草原などの豊かな自然もあります。
わたしたちの身近なものには、アフリカ産のものが数多くあります。
たとえば、チョコレートの原料となるカカオ豆。全世界の生産量のうち、70%近くはアフリカで産出されたものですし、わたしたちが食べているイカやタコの多くもアフリカの海でとれたものです。また、アフリカは、けいたい電話や、ゲーム機などの電化製品を作る上で欠かすことのできない希少金属(レアメタル)や石油の産出国でもあるのです。
「日本から遠い国」と思われがちなアフリカですが、日本にとって大切な友人であり、大きな可能性を秘めている大陸なのです。
では、どうすればアフリカの子供たちが元気に学校に行くことができるのでしょうか。
アフリカでは、5才になる前に亡くなってしまう子どもが1000人のうち約160人もいます。主な原因は、お母さんの栄養不足や、出産を助ける助産師の不足、げり、マラリア、はしか、エイズなどの病気です。子供たちが元気に成長するためには、まず、トイレなどの衛生環境を改善し、予防薬などが手に入るようにすることが大切です(→保健)。
さらに、水くみなどの仕事から子供を解放することです。そのためには、井戸や水道を作ること(→水)。安全な水があれば、病気も防げます。
そして学校を作ること。良い先生を育てること。そしてだれでも最低限の教育を受けられるようにしなければなりません(→教育)。
アフリカの人々が、平和で明るく暮らすためにはどうしたらよいのか。世界から貧困や、病気をなくすにはどうしたらよいのか。こうした問題について話し合うために、5月に、日本が中心になって、アフリカ諸国を含む世界の多くの国を招待した第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ(ティカッド・フォー))が開催されました。
このTICAD Ⅳの成果をサミットでの議論につなげていきます。
2000年9月の国連サミット、その他の会議で、世界から貧しさをなくして教育を広めるなどの開発に関する目標を決め、2015年までに達成すべき8つの目標として整理しました。これがミレニアム開発目標です。2008年は目標達成のためのちょうど中間の時期にあたります。北海道洞爺湖サミットでは、特に保健、水、教育分野に焦点を当て、改めてこの目標達成の努力を呼びかける必要があります。