北海道洞爺湖サミットで行われる各国首脳による話し合いは、すぐに世界に伝えられます。そのために使われるのが国際メディアセンターです。ここには各国のテレビや新聞などのジャーナリストが集まって、サミットの情報を世界に知らせます。7月7日~9日に開かれる北海道洞爺湖サミットでは、「環境・気候変動」が重要なテーマのひとつになっています。日本は、日本の環境問題への取り組みや進んだ技術を世界の人たちと共有して、環境問題をみんなで解決していこうと提案しています。
サミット自体も、「徹底的(てっていてき)に環境に優しいサミット」にしようと、国際メディアセンターでも、いろいろな工夫がされています。そして、国際メディアセンターの中の「環境ショーケース」では、日本の環境技術を世界に紹介(しょうかい)しています。
国際メディアセンターは、洞爺湖から約27キロメートル離れた留寿都(るすつ)村にあるルスツリゾートに設置されます。この国際メディアセンターとサミット会場を結ぶシャトルバスなどの移動手段には、二酸化炭素(CO2)を出す量が少なく、燃費のいい次世代自動車を活用します。また、CO2が全く出ない燃料電池(※)バスも走ります。
※燃料電池は、水素と酸素から電気を作る装置です。燃料電池は空気と水素があればいつまででも電気を作り続けることができ、CO2も出ません。
サミットのために新しく建てる国際メディアセンターの建物自体にも、屋根には太陽の光で電気を作り出すための太陽光パネルを設置し、ハマナスなどの植物を植えて室内の温度を下げ、エネルギーを節約する「壁面緑化(へきめんりょくか)」を行い、CO2を出す量をより少なくする工夫をしています。かべの材料として使われているのは、「間伐材(かんばつざい)」。森を育てるためには多すぎる枝や木を切りますが、「間伐材」はそれを捨てずに材木として活用するものです。北海道ならではの技術として、冬の間に降った雪を使った「雪冷房(ゆきれいぼう)」も使います。
環境ショーケースの展示では、家庭用の燃料電池、ヒートポンプ、省エネ素材、水処理技術など日本が世界に誇る環境技術を紹介しています。また、次世代自動車の試乗などのデモンストレーションが行われ、報道関係者を通じて世界に伝えられます。
こんな北海道洞爺湖サミットでの環境への配慮と「環境ショーケース」をバーチャル体験できるコーナーが、サミット広報ブース「サミットなびゲート」(東京:六本木駅出口すぐ)にも設置されます。ぜひみなさんも見にきてくださいね!