報道発表
2013年(平成25年)海外邦人援護統計の公表
1 本6日,外務省は,2013年(平成25年)海外邦人援護統計(PDF)を外務省ホームページ及び海外安全ホームページに掲載しました。この海外邦人援護統計は,我が国在外公館及び財団法人交流協会が海外において事故・災害,犯罪加害及び犯罪被害等で何らかのトラブルに遭遇した邦人に対し行った援護の件数及び人数を歴年毎にとりまとめたものです。
2 平成25年の総援護件数は,1万7,796件(対前年比2.32%減)で過去10年において二番目に多く,総援護人数は,1万9,746人(対前年比3.10%増)で過去四番目の取扱人数でした。
(注:援護人数はインド洋大津波が発生した平成16年(2004年)が最多)
(参考)平成25年における海外出国者数:1,747万2,748人
(法務省入国管理局発表,対前年比では5.50%減)。
3 平成25年内の海外邦人援護の主な特徴は以下のとおりです。
(1)『事故・災害』は255件(332人)であった。そのうち5割以上は「交通機関事故」(143件)であり,内訳は交通事故129件,船舶事故5件,航空事故3件,列車事故1件,その他5件となっている。次いで多いのは「レジャー・スポーツ事故」(69件)であり,内訳は水難事故33件,登山事故16件,スポーツ事故11件,その他9件となっている。
(2)『犯罪被害』は5,353件(5,746人)であり,全体の約3割を占めているが,そのうち最も多いのは「窃盗被害」(4,400件/4,660人)となっている。次いで「詐欺被害」(397件/433人),「強盗被害」(294件/317人)となっている。また,殺人等の犯罪により26人が死亡しており,内訳はアジア地域が5人,北米地域が4人,中南米地域が4人,欧州地域が1人,中東地域が1人,アフリカ地域が11人となっている。
(3)『犯罪加害』は329件(371人)であった。主なものは,「出入国・査証関係犯罪」(96件/105人),「道路交通法違反」(46件/46人),「傷害・暴行」(35件/39人)となっている。また,国によって非常に重い量刑が科される「麻薬犯罪」は33件(39人)となっている。
(4)「死亡者数」は601人であり,過去10年間で3番目に多く,前年に比べ11.92%増加した。「負傷者数」は420人であり,過去10年間で最も少なく,前年比11.95%減となった。疾病等による死亡が422人で全死亡者数の約7割を占めており,次いで自殺による死亡者数が62人と約1割の割合となっている。
(5)地域別の援護件数で見ると,アジア地域が6,466件(6,794人)と前年に引き続き最も多く,次いで北米地域(4,976件/5,545人),欧州地域(4,363件/4,657人),中南米地域(974件/1,634人),大洋州地域(466件/494人),アフリカ地域(321件/376人),中東地域(230件/246人)となっている。前年と比較すると,中南米地域(16.65%増)を除き,その他のアジア地域(4.15%減),大洋州地域(11.74%減),北米地域(2.55%減),欧州地域(0.07%減),中東地域(8.00%減),アフリカ地域(17.27%減)で減少した。
(6)傾向として,特にアジア地域では麻薬等の犯罪加害,窃盗,詐欺等の犯罪被害が多く,また傷病による死亡件数も多かった。北米地域においては前年に引き続き「所在調査」が増加しており,主に相続や裁判手続きのために利用されることが多くなってきたためと考えられる。欧州地域は前年同様に窃盗被害が他地域に比べ突出して多い。
(7)暴動・政変・テロ等にかかわる邦人援護としては,1月にアルジェリア・イナメナスにおいて武装集団による襲撃事件が発生,邦人他多くの外国人が犠牲となった。また,12月にタイ・バンコクにおいて,邦人カメラマンが取材中に治安部隊とデモ隊による衝突に巻き込まれ負傷した。
(8)自然災害にかかわる邦人援護としては,11月にフィリピンにおいて,台風30号により邦人を含む多くの人が被災したが,邦人の死傷者はいなかった。
(9)在外公館別の援護件数を見ると,在タイ大使館が全在外公館の中で最も多く,次いで在上海総領事館,在フランス大使館,在フィリピン大使館,在英国大使館となっている。