
第10回日・EU環境高級事務レベル会合の開催について
平成19年5月22日
- 21日(月曜日)、日・EU環境高級事務レベル会合がブリュッセル/ベルギー(欧州委員会本部)にて開催された。本会合は、1991年7月に発出された「日・EC共同宣言」にて、環境分野における日・EC協力が明記されたことを背景に発足した会合であり、昨年4月に7年振りに東京において開催された第9回会合に引き続き開催されたもの。
- 我が国は西村六善地球環境問題担当大使が、EU側はピーター・カール欧州委員会環境総局長が共同議長を務め、その他、日本側からは外務省の他、経産省、環境省関係者が、EU側からは環境総局の他、国際問題担当局、国際関係・開発等、各分野の欧州委員会関係者が出席。
- 本件会合では、気候変動問題などにおいて主導的な役割を担う日・EU双方が、環境分野で一層の協力の可能性も視野に置きつつ、日・EUの環境政策、気候変動問題、天然資源の持続的利用との関連で廃棄物問題及び生物多様性、また、国連改革との関連で国際環境ガバナンス等、幅広い分野について忌憚のない意見交換、情報交換が行われた。
- 概要以下のとおり。
(1) 気候変動問題に関し、日・EU双方は、温室効果ガス濃度の安定化及び主要排出国が参加する実効性のある枠組みの構築の必要性について認識が一致するとともに、こうした共通の基盤に立って、国際的枠組みの構築に向けて協調していくことで意見が一致した。
(2)
廃棄物問題と関連し、国際的な循環型社会の構築を目指すため、日・EU双方が3Rイニシアティブを協調しつつ推進していくことで一致するとともに、REACH(EUの化学品規制)、WEEE/RoHS(EUのリサイクル規制、有害物質制限規制)について、引き続きEUより日本の産業界等の関係者への情報提供を行うとともに、日本側関係者に対し意見提出の機会を確保する旨述べられた。また、廃棄船舶解体に関わる問題や廃棄物の越境問題について、双方の関心事項について意見交換が行われた。
(3)
生物多様性に関し、我が国が2010年の生物多様性条約第10回締約国会議の日本開催を誘致していることについて、EU側より歓迎の意が表されるとともに、EU側より、日本が議長国となる明年のG8プロセスにおいて、気候変動問題と並び、優先課題の一つとして生物多様性を取り上げるよう要望があった。また、日・EUは、違法伐採対策に協調して取り組むとともに、今後とも情報交換を行っていくこととした。
- 次回第11回会合は明年の然るべき時期に東京で開催することとし、具体的に日程については、今後、日・EU双方で調整することとなった。