報道発表

フィリピン共和国に対する無償資金協力「北部ルソン地方電化計画」に関する書簡の交換について

平成19年10月10日
  1. 我が国政府は、フィリピン共和国政府に対し、「北部ルソン地方電化計画(the Project for Rural Electrification in Northern Luzon)」の実施に資することを目的として、総額7億2,800万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、10月10日(水曜日)11時(現地時間。日本時間正午)、マニラにおいて、我が方桂誠駐フィリピン国大使と先方アルベルト・ロムロ外務長官(H.E. Mr. Alberto G. Romulo, Secretary of Foreign Affairs)との間で行われた。
     
  2. 本計画の概要は次のとおりである。
  3. (1)本計画の内容

    • 北部ルソン地方のカリンガ州の3地域(マリン1、マリン2、マルクサット)及びイフガオ州の2地域(カンブロ、リオ2)の5サイト10村落において、合計334kWの水力発電を導入することにより、約1,600世帯(人口約8,000人)において1世帯当たり200Wの電化を常時可能とするため、導水路、発電機、放水路等からなる水力発電施設及び送電・配電設備(総延長約50km)の整備のために必要な資金を供与する。

    (2)本計画の必要性

    • フィリピンはその地理的制約から、電化率は70%程度にとどまっており、現在でも多くの人々が電気のない生活を余儀なくされている。これら未電化地域の多くは、山岳部や離島に散在しており、送電線の延長による電化は困難な状況にあることから、これまで、小・マイクロ水力発電や太陽光発電等の再生可能エネルギーを活用した独立電源の導入が促進されてきた。
    • 今回要請のあった北部ルソン地域は急峻な山岳地帯であり、現在も500以上の村落(約6万世帯)が電化されていない。フィリピンエネルギー省はこれら村落の電化が地方電化計画を推進していく上での鍵であるとして、以前より河川が多く水力資源に富む同地域においてマイクロ水力を活用した電化に取り組んできたところである。
    • しかしながら、発電設備の設置台数が少ないことに加え、発電設備の品質に起因する故障の頻発や運営維持管理体制等の問題を抱えていることから、フィリピン政府は同地域の水力による電化に関し、水力発電設備及び送電・配電設備の整備に対する無償資金協力を我が国に要請したものである。

    (3)本計画の効果

    • 地域住民が電気を利用した農具の導入等成型向上活動を行うことによる貧困削減、勉学環境の向上が期待できるほか、本計画がフィリピンにおける村落電化のモデルケースとなることが期待できる。

(参考)  フィリピン共和国は、東南アジアに位置し、7,100を超える島から構成されている。人口8,310万人、人口一人あたりのGDPは1,041ドル(2004年)である。

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