報道発表
タジキスタンに対する無償資金協力「ハトロン州及び共和国直轄地域道路維持管理機材整備計画」「母子保健施設医療機材・給排水設備改善計画」に関する書簡の交換
- 3月28日(現地時間同日),タジキスタン共和国の首都ドゥシャンベにおいて,同国を訪問中の城内実外務大臣政務官立ち会いの下で,我が方今橋啓介駐タジキスタン大使と先方ハムラーハン・ザリフィ外務大臣(H.E. Mr. Hamrokhon ZARIFI, Minister of Foreign Affairs)との間で, 総額13億4,400万円を限度とする無償資金協力「ハトロン州及び共和国直轄地域道路維持管理機材整備計画」(The Project for Improvement of Equipment for Road Maintenance in Khatlon Region and Districts of Republican Subordination)及び総額6億200万円を限度とする無償資金協力「母子保健施設医療機材・給排水設備改善計画」(The Project for Improvement of Medical Equipment and Water Supply and Drainage Facilities for Maternal and Child Health Care Institutions)に関する交換公文の署名が行われました。
「ハトロン州及び共和国直轄地域道路維持管理機材整備計画」は,タジ キスタンの首都ドゥシャンベ近郊とドゥシャンベ~ニジノピャンジ(アフガニス タンとの国境の街)を結ぶ幹線道路を管轄する道路管理局に対し道路維持管理機 材を供与するものであり,我が国がこれまで無償資金協力により実施してきたク ルガンチュベ~ニジノピャンジ間の道路整備との相乗効果を図るものです。
今回の協力により,内戦による損傷や老朽化が進んでいる対象道路が適切に補修・整備され,より安全な走行が可能となります。この道路は,アフガニスタンを経由してパキスタンの(インド洋に面した)カラチまでつながっていることから,内陸国タジキスタンにおける物流の活性化が期待されるとともに,将来的にはアフガニスタンを経由した物流促進によりアフガニスタンの自立促進に寄与することも期待されます。
「母子保健施設医療機材・給排水設備改善計画」は,首都ドゥシャンベ市の第3産科病院,ハトロン州病院ならびにハトロン州ジョミ郡,ルミ郡,シャルトゥーズ郡の5つの管区病院において医療機材を整備するとともに,ハトロン州ジョミ郡中央病院及びシャルトゥーズ郡中央病院に対して給排水設備の整備を実施するものです。
今回の協力により,旧ソ連諸国の中で5歳未満死亡率,乳幼児死亡率,妊産婦死亡率の数値が高いタジキスタンにおいて,適切な医療環境及び衛生的な水の供給が確保され,妊産婦の異常や乳幼児の疾病等の早期発見・治療が可能となる等,対象地域の患者に対する医療サービスの向上が見込まれます。さらに,第3産科病院は,医療従事者への教育病院としての機能も有することから,臨床実習環境の向上も期待されます。
(参考)タジキスタン共和国は,中央アジアに位置する内陸国であり,面積約14.3万平方キロメートル(日本の約4割),人口約700万人(2011年:国連人口基金),一人当たりGNI(国民総所得)は870米ドル(2011年:世銀)。