報道発表

カナダの再生可能エネルギー発電分野に関する措置に対する世界貿易機関(WTO)におけるパネル設置

平成23年7月20日
  1. 本20日(水曜日)(ジュネーブ現地時間),我が国は,世界貿易機関(WTO)に対し,カナダの再生可能エネルギー発電分野に関する措置に関してパネル設置要請を行い,パネルが設置されました。
  2. 本件は,カナダ・オンタリオ州の再生可能エネルギー発電(太陽光・風力発電)分野の支援制度「フィード・イン・タリフ・プログラム」において,同州内産品を優遇する措置(同支援制度を受ける条件として発電事業者に一定比率の同州産品の使用を課すもの(ローカルコンテント))が取られていることについて,我が国がWTO協定との整合性を問題にしている案件です。
  3. 政府としては,本問題がWTOのルールに従って,適切に解決されるよう,WTOのルールに従い,今後の手続を進めていく予定です。

【参考】
1 本件の概要と経緯
(1)2009年5月,カナダ・オンタリオ州は,再生可能エネルギー発電(太陽光・風力発電)分野において,風力や太陽光により発電された電力の市場価格よりも高い固定価格買取制度(Feed-in Tariff Program(FITプログラム))を創設。支援の対象となる発電事業者等が同制度に参入する際の条件として,一定割合以上の州産品を使用することを課すもの(ローカルコンテント要求)。

(2)我が国は,カナダによる本件措置がWTO協定に反するものとして,2010年9月にカナダに対し協議要請を行い,同年10月にカナダとの間で協議を行ったが,協議によって紛争を解決することができなかったことから,パネル設置要請を行い,今般,パネル設置に至ったもの。

2 WTO紛争解決手続とは
 WTO協定上の紛争は,WTO紛争解決制度により解決が図られることとされている。ある措置がWTO協定に違反するとして,WTO紛争解決手続きに基づき申立てが行われた場合,紛争当事国間の協議により解決されない場合には,第一審に相当するパネルと最終審に相当する上級委員会により検討が行われる。この結果,協定違反が認定された場合には,当該措置をWTO協定整合的にすることが勧告され,違反認定された措置の是正が求められる。

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