報道発表

村瀬信也上智大学教授の国連国際法委員会委員当選

平成23年11月18日
  1. 本18日(金曜日)(現地時間17日(木曜日)),第66回国際連合総会において国際法委員会(International Law Commission:ILC)委員選挙が行われ,日本の村瀬信也候補(現同委員,上智大学教授)が152票(有効投票数191票)を獲得し,アジア太平洋グループの当選者8名中第1位で再選(2期目)されました。
  2. 国際社会における紛争を平和的に解決し,国際社会の平和と繁栄を実現する上で,日本は,国際社会における「法の支配」の確立を重視しており,この観点から,国際法の発展は極めて重要であると考えています。その中でILCは,国際法の漸進的な発達と法典化の促進を目的とした国連総会の機関として,国際法の発展に大きく寄与してきています。
  3. 村瀬候補は,2009年に補欠選挙で委員に選出されて以降,ILC委員を務めており,共有天然資源,最恵国条項および時間が経過した条約に関する報告書を提出する等,ILCの活動に多大な貢献をしてきました。また,村瀬候補は,近年,国際法の各分野(国際環境法,国際経済法,国際人権法,国際人道法,国際刑事法等)が専門性を増し,断片化しつつあることについて,ILCはこれらの各分野で個別に生成・発展した国際法規則を横断的に分析し,一般国際法上の諸原則・諸規則の一貫性を確保する役割を果たすべきであるとし,ILCの役割の再定義・活性化を主張してきています。
  4. 今般の村瀬候補の当選は,これまでの同候補の貢献に対する国際社会の高い評価を示すものであるとともに,ILCへの貢献を重視する日本の活発な選挙活動の成果であり,日本として,ILCを通じて国際法の発展に引続き積極的に参画・貢献していく上で重要な意義を有しています。


(参考)ILC委員選挙
(1)ILCは,国連総会決議により1947年に設立。これまで外交・領事関係ウィーン条約,海洋法4条約(領海条約,公海条約,大陸棚条約,漁業資源保存条約),条約法条約,国際刑事裁判所規程,国連国家免除条約等の草案を起草。

(2)ILCには,日本から,これまで横田喜三郎元最高裁長官(1957-61),鶴岡千仭元国連大使(1961-81),小木曽本雄元駐タイ大使(1982-91),山田中正元駐インド大使(1992-2009),村瀬信也上智大学教授(2009-現在)が委員を務めた。

(3)ILCは34名の委員(任期5年)により構成され,5年毎に全員改選。今次選挙では,アジア太平洋グループの割当議席8名に対し,12名が立候補し激戦であった。

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