
インドネシア共和国に対する無償資金協力「空港保安機材整備計画」及び「マラッカ海峡及びシンガポール海峡船舶航行安全システム整備計画(2/2期)」に関する書簡の交換
平成22年6月25日

- 本25日(金曜日)(現地時間同日), インドネシア共和国の首都ジャカルタにおいて, 我が方塩尻孝二郎駐インドネシア大使と先方ハムザ・タイブ外務省アジア・太平洋・アフリカ総局長(Mr.T.M.Hamzah Thayeb, Director General for Asia Pacific and African Affairs, Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Indonesia)との間で, 合計20億5,300万円を限度とする以下の無償資金協力2件に関する書簡の交換が行われました。
- 空港保安機材整備計画(the Project for Airport Security System Improvement, 供与限度額6億2,100万円)は, 2009年7月にジャカルタ市内で爆弾テロ事件が発生するなど, テロ対策が重要な課題となっているインドネシアに対し, 主要6空港で使用される空港保安機材を整備するために必要な資金を供与するものです。我が国は, 同国の主要空港の保安体制を向上させ, 空港利用者の安全性を高めるとともに, 観光産業の活性化や投資環境の改善等を通じた同国経済の発展に寄与するため, 本計画の実施を決定しました。
- マラッカ海峡及びシンガポール海峡船舶航行安全システム整備計画(2/2期)(the Project for Enhancement of Vessel Traffic System in Malacca and Singapore Straits, Phase 2, 供与限度額14億3,200万円)は, 年間9万隻以上の船舶が航行する海運の大動脈であるマラッカ海峡において, 航行する船舶の安全性を向上させるため, インドネシアに対し、船舶航行安全システム(VTS)を整備するための資金を供与するものです。なお, 本計画は, シンガポール海峡を対象とする第1期計画に続き実施されるものであり, 我が国は, マラッカ海峡での船舶航行の安全性を向上させ, インドネシアの経済発展に資するとともに, 国際経済の安定に寄与し, 我が国の海上貿易路の安全を確保するため, 本計画の実施を決定しました。
- 2009年末の米航空機爆破テロ未遂事件を受けて, 改めて航空保安分野への国際的関心が高まっており, また, 国際的な主要航路の一つであるマラッカ海峡とこの周辺海域の安全と保安確保は, インドネシアのみならず日本をはじめとする海峡利用国にとって極めて重要な課題となっています。これら2件の無償資金協力は, 二国間の協力としてだけでなく, これら国際的な課題に対する我が国の貢献の一環としても実施するものです。
(参考) インドネシアは, 面積189.1万k㎡, 人口2.28億人(2008年), 人口1人当たりのGNI(国民総所得)2,010ドル(2008年, 世銀)