報道発表

経済協力開発機構/開発援助委員会(OECD/DAC)による我が国の政府開発援助(ODA)の援助審査(ピア・レビュー)

平成22年6月16日
  1. OECD/DACにおいて,我が国のODAに関する相互審査(ピア・レビュー)が実施され,本16日に報告書が公表されることとなりました。主要点は以下のとおりです。
  2. 同報告書では,前回審査(2003年)から進展があった点として,新JICAの発足及び外務省国際協力局の再編,現場主義の強化,ODAに対する世論の支持の増加,分野横断的課題(ジェンダー)の主流化等が挙げられています。また,ODAに関する関係省庁間の調整,アフリカへの援助拡大,新政権のNGO重視,アカウンタビリティー(援助に関する情報の共有)重視の姿勢,途上国の能力開発の重視,途上国間の協力である「南南協力」への支援等,援助の効果を向上させるための取組についても評価されています。
  3. 一方で,今後の検討課題として,ODA量の増加,開発のための政策一貫性(途上国の開発を促進するために我が国の諸政策間の整合性を高める)の取組の強化,NGOとの更なる関係強化,広報戦略の策定,国際機関への拠出に関する戦略の策定,業務の合理化,アンタイド報告の改善の必要性について指摘がありました。
  4. 主な勧告(勧告一覧は別添:仮訳(PDF)

    (1)援助量増加のための工程表を設定する。
    (2)広報,NGO支援及び国際機関への拠出に関し,それぞれ戦略を策定する。
    (3)現場への更なる権限委譲及び援助の主要スキーム(手段)の調和化等を通じて,更なる業務の合理化を図る。
    (4)評価の独立性を確保し,全ODA事業の評価の体制を確立する。
    (5)アンタイドの努力を継続し,報告方法を改善する。

(参考)

  1. DACの主要活動であるピアレビューでは,DAC加盟国のうち2か国とDAC事務局が審査団を構成し,各加盟国に対して4年から5年に1度,本国審査及びフィールド調査を実施の上,援助審査報告書を作成する。
  2. 今回の対日援助相互審査では,ドイツとデンマークが審査国となり,昨年10月に東京で本国審査,10月~11月にバングラデシュ及びケニアでフィールド調査を実施し,本年5月20日にOECD本部でDAC加盟国によるピアレビュー会合を開催し,報告書を取りまとめた。
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