
水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会第1回会合の結果概要
平成22年6月14日
6月7日(月曜日)から6月11日(金曜日)まで,スウェーデンのストックホルムにおいて,水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会第1回会合が開催されたところ,会合の概要等は以下のとおりです。なお,我が国からは,外務省,経済産業省及び環境省から構成される政府代表団が出席しました。
- 会合概要
(1)会合の冒頭で,各国及び地域からステートメントが述べられました。我が国からは,政府間交渉委員会の設置を歓迎するとともに,水俣病の経験国として,同様の健康被害や環境破壊が世界の他の国で繰り返されないよう今後とも交渉に積極的に貢献していくこと,我が国の知見や経験,並びにそれらを踏まえた汚染防止対策,排出抑制技術及び水銀代替技術の共有を通じて水銀によるリスクの低減に貢献していくことを発言しました。また,その一環として,2013年後半に予定される外交会議を我が国に招致し,承認される条約を「水俣条約」と名付けたいと考えていること,及び来年1月に開催される政府間交渉委員会第2回会合を我が国で開催することを提案しました。
(2)その後,条約の目的及び内容等(水銀の供給・需要・貿易の削減,水銀廃棄物の適正管理,水銀の保管,大気への排出の削減,普及啓発,能力開発及び技術的・財政的支援等)について,順次各国から意見が述べられました。
(3)各国からの意見を基に,次回の会合に向けてUNEP事務局が,条約に盛り込まれるべき要素を提示すること及び議論に必要な様々な情報を整理すること等が決定されました。なお,我が国は,アジア太平洋地域のコーディネーターとして,同地域の意見のとりまとめ等を通して議論の進展に貢献しました。
- 今後の日程
(1)我が国の提案を踏まえ,政府間交渉委員会第2回会合(2011年1月24日(月曜日)から28日(金曜日))を千葉市で開催することが決定されました。
(2)政府間交渉委員会の第3回会合以降の開催場所については,第3回会合はブルキナファソ(2011年),第4回会合はウルグアイ(2012年)、第5回会合はスイス及びブラジル(2013年2月),また外交会議は我が国から,それぞれ開催の提案があり,各国から歓迎されました。最終的な決定は今後なされる見込みです。
(参考) 水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会(INC)の概要
- 2009年2月の第25回国連環境計画(UNEP)管理理事会において,国際的な水銀管理に係る法的拘束力のある文書(条約)の制定に向けて,2010年に政府間交渉委員会(INC)を設置することが決定された。
- INCは,2010年6月から2013年2月までに5回程度開催され,2013年2月の第27回UNEP管理理事会に検討結果を報告する予定。