
岡田外務大臣によるラリジャニ・イラン国会議長表敬
平成22年2月24日
本24日(水曜日)、岡田外務大臣は、横路衆議院議長の招待により訪日中のラリジャニ(H. E. Dr. Ali LARIJANI)・イラン国会議長を表敬したところ、概要は以下のとおりです。
- ラリジャ二議長から、冒頭、昨年の総選挙の結果、民主党が勝利し新政権が成立したことに対し祝意を述べるとともに、以下のとおり述べました。
(1)新政権が現実的な見方で国際社会を見ることを期待する。また、日・イラン両国関係は良好と評価しており、さらに大きく発展する可能性がある。両国の経済関係や省エネ、文化・教育、観光等の分野での協力など、既に一部始まっているものもあるが、日・イラン両国関係には大きな潜在力がある。
(2)鳩山総理が主導されている東アジア共同体は、国際社会の構造が変わりつつある中で将来の基盤となるよい考えである。イランは、イラン国内及び地域における自由、民主主義の拡大のために努力している。同時に地域の平和と安定に尽力しおり、大量破壊兵器の拡散に強く反対している。イランとしては、多くの国と協力関係を拡大していきたいと考えており、日本はイランにとって率直な意見交換のできる重要な国であると考えている。
- これに対して岡田大臣から、以下のとおり述べました。
(1)日本にとってもイランは重要な国であり、両国関係を更に深めていく潜在性がある、ただし、その際に障害となっているのがイランの核開発問題である。イランとして核兵器を製造する意図がないのであれば、国際社会の懸念を払拭するために思い切った行動を取るべきである。そのためには、安保理決議を履行し、IAEAとしっかり協力していく必要がある。
(2)国連安保理でイランに対する決議が採択されるということになれば、日本としてもこれに従わざるを得ない。そうならないためにも残された時間はもうあまりない。立法府の長としてのラリジャニ国会議長の役割に期待したい。
- これに対してラリジャニ議長から、イランの核問題に対する従前からの基本的立場を踏襲しつつ、以下のとおり述べました。
(1)岡田大臣からのご指摘に感謝する。イランは、決して核兵器を追求しておらず、この点は、信頼して欲しい。イランは、日本と同じような形で原子力の平和利用を進めていきたいと考えている。
(2)制裁は誰の利益にもならない。大事なことは協議を通じて問題を解決することである。イランの核問題の解決に向け、日本と色々議論してきているが、引き続き役割を果されることを期待する。
- これに対して岡田大臣から、以下のとおり述べました。
(1)日本はこれまでIAEAと完全に協力してきている。
(2)この問題の解決のためには、イランは、IAEA及び安保理の要求する濃縮活動の停止を実施すべきである。我が国としては、問題の平和的・外交的解決を希求しており、再度、残された時間は少ないこと、速やかに思い切った行動をとるべきことであることを強調する。