
アフガニスタン・イスラム共和国に対する無償資金協力「感染症病院建設計画」に関する書簡の交換
平成22年12月12日
- 本12日(日曜日)(現地時間同日),カブール市において,我が方廣木重之駐アフガニスタン国大使と先方エクリル・アハマド・ハキミ・アフガニスタン・イスラム共和国外務副大臣(Mr. Eklil Ahmad Hakimi, Deputy Foreign Minister, Islamic Republic of Afghanistan)との間で,総額26億4,300万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力「感染症病院建設計画」(the Project for Construction of Hospital for Communicable Disease)に関する書簡の交換が行われました。
- アフガニスタンでは,長期に亘る内戦等の影響を受け,保健・医療環境が極めて脆弱であり,特に最も感染の危害が大きい結核,HIV/エイズ,マラリア等の感染症対策は急務となっています。実際,結核患者数は年間約6万人,死亡者数は約2万人と言われており,近年は多剤耐性結核患者の増加も深刻な問題となっています。また,マラリアについては,全国で年間約300万人の新規患者の発生が推定されており,HIV/エイズについては,対策の遅れや麻薬使用による感染から今後の増加が危惧されています。このような中,現在同国には感染症の重症患者を隔離治療するための入院施設はなく,自宅で療養する以外にない状況です。
- この計画は,国家結核対策施設(カブール市)内での感染症病院の入院病棟の建
設,医療関連機材の整備を行うことにより,感染症対策の診断・治療環境の質的・量的改善を目的とするものです。この病院建設により,結核患者約100名等の入院が可能となり,隔離治療が可能となるとともに,HIV/エイズ及びマラリアの外来患者に対する診断・治療が可能となります。これらの環境整備を通じて,同国のミレニアム開発目標(MDGs)の目標達成にも貢献することが期待されます。
【参考】 アフガニスタンの面積は約65.2万平方キロメートル(日本の約1.7倍),人口は約3,000万人(推定)。