記者会見

報道官会見記録(要旨)(平成24年10月)


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報道官会見記録(平成24年10月26日(金曜日)16時31分~ 於:本省会見室)

冒頭発言-世界遺産条約採択40周年記念最終会合(京都会合)について

【横井外務報道官】11月6日から8日まで、我が国は、ユネスコ世界遺産条約採択40周年に当たり、国立京都国際会館において、世界遺産条約採択40周年記念最終会合を開催します。
 会合には、国内外の文化・自然遺産専門家、世界遺産条約締約国関係者、世界遺産諮問機関関係者、国連教育科学文化機関(ユネスコ)事務局、NGO、メディア等最大600名が参加する予定です。ユネスコ事務局からは、11月5日から8日まで、イリーナ・ボコバ・ユネスコ事務局長が来日し、同会合に出席します。
 会合では、今年1年間の諸活動及びそこから導かれた将来に向けた提言が披露されます。また、条約採択の精神とその進展及び過去40年間にわたる成果を振り返りながら、条約の将来や今日の世界遺産の意義と取組の重要性についても議論が行われる予定です。
 また、この会合の機会に、世界各地から世界遺産と関わりのある青年が招へいされており、11月2日から5日にかけて、これらの青年が参加するユース・プログラムが外務省と立命館大学の共催により開催されます。プログラムにおける議論の成果は、この京都会合において発表される予定です。

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尖閣諸島

【朝日新聞 藤田記者】尖閣問題で1点お伺いします。日本政府として国際法に従った対処というのを強調されていまして、本日、大臣の講演でも、中国に国際法に従った対応というのを求めていらっしゃいますけれども、具体的に、今、中国のどういう行為が国際法に反しているとか、踏まえていないとか、どう改めろというようなお考えでこういう御主張をされているのでしょうか。

【横井外務報道官】まず、個別具体的に申し上げますと、一番わかりやすい例というのは、尖閣を巡って日本と中国の考え方が異なり、それに対する先方の不満の表明として、まさにデモ行進が行われたわけですけれども、一部の地域では大変残念なことに暴徒化し、日本に関わり合いのある企業が略奪を受けたり、あるいは破壊をされたりというようなことがありました。これは一つの例に過ぎませんけれども、一般的に我々は原則としてすべての不満、あるいは争いというものが仮にあるとすれば、ルールに従って、平和的に話し合いで解決されるべきという原則を提唱しています。
 これは、国連総会における野田総理の演説の中にも、明らかにありましたけれども、法の支配というものが、日本は、世界及び今後のアジアにおいて尊重され、そういうものが、まさに日本、あるいは日本の周囲、中国も含めて国際社会にとって極めて重要という認識を持っています。

【朝日新聞 藤田記者】デモはもう終わっていて、再発防止ということでおっしゃるのであれば、その意味はわかりますけれども、今、あえて御主張されるのは、ほかにももっと指摘すべきことがあるということではないのですか。

【横井外務報道官】今、一例ということで申し上げたわけですけれども、もう一つ具体的な例をあげますと、中国の公船等の我が方領海に対する侵入という事例があります。これもその度にハイレベルにおいて中国側に対して申し入れをしておりますが、まさに自分の主張が異なるからといって、公船の侵入という実力的な行為をもって、それを表出するということに対して、我々としては、適当ではないと考えます。

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報道官会見記録(平成24年10月19日(金曜日)16時31分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)日インド外務次官対話、次官級「2+2」対話、及び外務次官級政務協議の開催について

【横井外務報道官】10月22日(月曜日)、東京において、日インド外務次官対話、次官級「2+2」対話、及び外務次官級政務協議が開催されます。
 外務次官対話には、日本側から河相周夫外務次官他、インド側からマタイ外務次官他が出席します。
 次官級「2+2」対話には、日本側から齋木昭隆外務審議官及び金澤博範防衛次官他、インド側からマタイ外務次官及びシャルマ国防次官他が出席します。
 外務次官級政務協議には、日本側から齋木昭隆外務審議官他、インド側からマタイ外務次官他が出席します。
 これらの会議では、日インド戦略的グローバル・パートナーシップに基づき、日インドの二国間関係、地域及び地球規模の課題等の幅広い議題について協議が行われる予定です。今回の会議を通じて、日インド間の戦略的グローバル・パートナーシップが一層強化、拡大されることが期待されます。

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沖縄米兵暴行事件

【読売新聞 米川記者】先ほど、沖縄の女性の暴行事件を受けまして、在日米軍の方が待機・滞在中の兵士を含めた外出禁止令の発令ですとか、3点の再発防止策を発表しました。これの評価をお願いいたします。

【横井外務報道官】ただ今、ご指摘のとおり、本日午後3時半頃、ルース駐日大使及びアンジェレラ在日米軍司令官が、今回の事件を受けてリバティ制度、これは事件・事故の多発する時間帯における隊員の公務外の自由時間を規制する制度だそうですが、これの見直し、当面の外出禁止措置を含む再発防止策を公表したと承知しています。
 米側が、今回の事件を受けて迅速に対策を講じたことについては、これまで日本側からも米側に対して、効果的な再発防止措置を迅速にまとめるよう申し入れをしていたところでもあり、政府として一定の評価をしています。これは、米側が本件を重視し、真摯に誠意を示したものであると考えています。
 今後、政府としましては、この再発防止策が着実に実施されるよう、米側に強く申し入れていくとともに、引き続き、米側に対しては、再発防止に向けた日本側の具体的な考えを申し入れていくという考えです。

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日本海呼称問題

【フリーランス 安積氏】この度の外相の外遊についてお伺いいたします。外遊先で、尖閣についてのご説明はあったと思いますが、例えば、日韓関係についての懸念事項、様々ありますが、それについての説明は報道されていませんが、これについてあったのかどうなのか。特に、イギリスにおいては、日本海呼称については「日本海」ということになっていますけれども、例えば、フランスなどは、本年になってからミシュラン等の2誌ぐらいに「東海」の記載がありました。これについて外相の方から、例えば、フランス政府について説明があったのかどうなのかお答えください。

【横井外務報道官】安積さんの御質問の点につきまして、基本的な、具体的な外交上のやり取りは紹介しないということではありますけれども、当然のことながら、現在の東アジアにおける情勢を反映して、双方が関心を持つ国際情勢につき意見交換が行われたと承知しております。具体的に、韓国についてどうであったかについては、お答えを差し控えたいと思いますが、日本海呼称問題の件につきましては、今ほどおっしゃられたとおり、各国において、あるいは各地図・個別の資料等において扱い等々は異なっておりますが、少なくとも、私の承知する限り、外相会談でそのような細かいところまで取り上げたかどうかということについてはつまびらかにしていません。

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沖縄米兵暴行事件

【産経新聞 杉本記者】米軍の再発防止策についてですけれども、先ほど、再発防止に向けて日本側の考えを今後も申し入れていくという御発言があったと思うのですけれども、これは本日発表された再発防止策に加えて、追加的な措置を今後、日本として求めていくという理解でよろしいでしょうか。

【横井外務報道官】そういうことではなくて、本件は非常に重要な問題でありますので、今後とも日米間で意見交換が行われていく機会に、日本側の関心、あるいは考え方について、今後とも申し入れを続けていくという意味です。

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国連安保理非常任理事国選挙

【朝日新聞 野上記者】国連安保理の非常任理事国の選挙で、日本政府としては韓国を支持したのかということについて、事実関係を聞かせていただけますか。

【横井外務報道官】日本政府の基本的なポジションとしまして、国際機関等において秘密投票が前提とされているものについては、どこの国に投票したかということを明らかにするということはこれまでもしておりません。一般的にはその国との関係、あるいは国際機関における適否等を総合的に勘案して、日本政府が判断の上、投票したということです。

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報道官会見記録(平成24年10月12日(金曜日)16時30分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)ストルテンベルグ・ノルウェー首相の来日について

【横井外務報道官】11月1日(木曜日)から3日(土曜日)までの日程で、ノルウェーのストルテンベルグ首相及び同令夫人が公式実務訪問賓客として来日します。ストルテンベルグ首相は、2011年3月に公式実務訪問賓客として来日予定でしたが、直前に発生した東日本大震災を受け、これを延期された経緯があります。なお、ストルテンベルグ首相は1990年に外務省招へいで来日しています。ノルウェー首相の来日は、2003年以来約9年ぶりです。
 ストルテンベルグ首相は、今回の滞在中、1日(木曜日)に令夫人と共に天皇皇后両陛下の御引見を受けます。同日夕方からは、野田総理との間で日ノルウェー首脳会談を行う他、滞在中、ビジネスセミナー出席や企業訪問などを行う予定です。
 ノルウェーは、開発、軍縮・不拡散、気候変動といった国際的な課題で積極的な役割を果たしています。また、非EU加盟国として、仲介外交などで独自の存在感を発揮しています。我が国は、1905年のノルウェー独立を最初に承認した国の一つであり、両国間には皇室・王室交流を始めとした伝統的友好関係があります。今般のストルテンベルグ首相の訪日を通じて、両国の友好協力関係の更なる強化が期待されます。

(2)ベンソーダ国際刑事裁判所(ICC)検察官他の来日について

【横井外務報道官】)10月15日(月曜日)から19日(金曜日)までの日程で、国際刑事裁判所(ICC)のファトゥ・ベンソーダ検察官が、オリビア・スワーク=ゴールドマンICC検察局国際協力顧問と共に、戦略的実務者招へいにより来日します。ベンソーダ検察官はガンビア国籍の女性で、ICC検察官の来日は、ICC設立以来初めてです。
 ベンソーダ検察官は、今回の滞在中、16日(火曜日)に吉良州司外務副大臣を表敬する他、17日(水)には外務省主催の公開シンポジウムにおいて「ICC検察官の役割と課題」について講演を行う予定です。また、広島を訪問し、平和記念資料館等を視察します。
 ICCは、設立条約たるICCローマ規程が2002年に発効したことにより、国際社会における最も重大な犯罪を犯した個人を訴追・処罰する初めての常設国際裁判所として設立されました。この中で、ICC検察官は、検察局の長として、このような犯罪について捜査を開始し、逮捕状を請求する権限を有しており、その役割は非常に重要です。
 「法の支配」を重視する我が国は、犯罪の不処罰を許さないことで犯罪の発生を防止し、国際の平和と安全の維持に貢献するICCの活動を一貫して支持してまいりました。ICCローマ規程が発効して10周年というこの記念すべき年に、ICC検察官の初来日を受けることにより、我が国とICCとの更なる関係強化が期待されます。

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日中関係

【共同通信 斎藤記者】昨日、日中局長級協議が行われました。この協議について開かれるという事前の発表はなかったというように記憶しています。従来であれば、局長級であれば発表するのですが、昨日はなかったわけです。その経緯について説明していただけますでしょうか。

【横井外務報道官】斎藤さん、ご承知のとおり、先般の国連における日中外相会談において、現下の日中関係を念頭に置きつつ、今後とも様々なレベルでの意思疎通を続けていくという、両国の合意が一般的にあったということはご承知のとおりであります。それにつきまして、様々なレベルでの会合を事前に発表を要するか否かについては、それぞれ個別の事情に応じて判断されるものというように思います。
 今回の局長級の会談は、いずれ開かれるであろう次官級の会談を念頭に置いたものについての準備会合というように位置づけられております。

【共同通信 斎藤記者】昨日、中国外交部の洪磊副報道局長が、10日の玄葉外務大臣の記者会見の内容についてコメントをし、その中で、日本側は支離滅裂な資料を持ち出し、曲げた解釈をしているという趣旨の発言をしました。同時に、日本側の論理について、「強盗のロジック」というかなり激しい形容詞を使って批判をしました。この件について、どう受け止めているのか、これに対して何か申し入れをする考えがあるのかどうか、これを含めてお願いします。

【横井外務報道官】洪磊副報道官のコメントについて、玄葉外務大臣の会見を引いたというのは、それはどういう文脈だったのでしょうか。

【共同通信 斎藤記者】中国外交部のホームページでは、質問した記者が、一昨日(10日)の玄葉外務大臣の過去の経緯、これはたぶん、私が聞いた質問だと思いますが、どういう経緯で尖閣諸島を日本が領有することになったのかという正当性に関する説明。それからもう一つは、1970年までの間、中国はチャレンジしていないということの説明。さらには1960年の中国の地図に「尖閣諸島」という表記があったという旨の話を大臣はされているのですが、この話を記者が引用して、それに対して洪磊副報道局長がコメントしている。その中で、「強盗のロジック」という言葉が出てきたというように認識しています。

【横井外務報道官】今回の事態について、両国の間で様々な見解があるのは承知していますけれども、両国のその見解をおのおの証明するにあたって、必要なのは事実と論理だと思います。相手側の主張に対して、これが歴史的な問題であれ、国際法上の問題であれ、いずれにしろ、事実ないしロジックに基づいて反論を行うというのが、冷静な態度だと思います。まさに中国側にもそのような対応を期待したいと思います。

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