【読売新聞 加藤記者】丹羽大使の車が襲撃された件について、中国の公安当局は行政処分の方針を固めたようですけれども、これについての受け止めをいただけますでしょうか。
【横井外務報道官】我が方の在北京の大使館が中国側から受けております通報の内容というのは、本件被疑者を全て割り出して、今、捜査を進めているところという通報までは受けております。基本的には捜査中の案件であって、これ以上のコメントについては差し控えたいと思います。
【読売新聞 加藤記者】襲撃が27日で、大体4~5日経っての通報だと思いますが、このスピード感についてはどう受け止めていらっしゃいますか。
【横井外務報道官】ほかと比べようがありませんので、その点についてもコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
【ブルームバーグ レイノルズ記者】いくつか報道でニュースが出ていますけれども、(日朝交渉について、)これから拉致問題を取り上げたいということで、北朝鮮の理解をもらったということと、これからもっと高いレベルで協議を続けるということでよろしいですか。
【横井外務報道官】日朝予備協議につきましては、課長レベルで8月29日から本日まで3日間、北京において開催されました。基本的には極めて実務的かつ率直、突っ込んだ議論をすることができたというように思っておりますけれども、今後は、より高いレベルでの政府間協議をできるだけ早い段階で北京で開催する方向で調整することとなりました。
そして、政府間協議では、双方が関心を有する事項を議題として幅広く協議するという方向で調整をするということです。いずれにしても、詳細については、今回の議論を本国に持ち帰って上層部に報告をし、大使館ルートで調整をしていくというのが結論でありますけれども、今ほどご質問のあった拉致問題については、日本側として最も重視している事項ですので、突っ込んだ協議を行って前進を図りたいというように考えております。
いずれにしても、タイミングや議題等々については、今後、大使館ルートで詰めていくというのが現状です。
【ブルームバーグ レイノルズ記者】協議が続けられるということについてですけれども、4年間止まっていた協議なので、新しい北朝鮮の政府が今までの政府と違う対応を取っているという印象がありますでしょうか。
【横井外務報道官】一般的に推測でお答えするのは適当ではないと思いますけれども、少なくとも、おっしゃったとおり、4年間行われていなかった協議が、予備的な協議ではありますけれども、そういうものが行われているということに一定の意義はあると思っております。
【西日本新聞 吉田記者】本日、予備協議が終わったということで、拉致被害者の家族の人達はどういうふうになったかというのをとても気にしていらっしゃると思いますが、大臣の方から、今回の件についてどうだというようなことを改めて表明するという考えはないでしょうか。
【横井外務報道官】少なくともたった今、本日協議が終わったところでありますし、協議に参加した課長自身まだ帰国したわけでもありません。大臣も直接まだ報告を聞いているわけではないという状況において、基本的には出張者の帰国を待って、改めて今おっしゃった面も含めた対応については検討していくということだと思います。
【横井外務報道官】26日(日曜日)から28日(火曜日)までの日程で、ブルキナファソのバソレ外務・域内協力大臣が外務省賓客として来日します。バソレ大臣の来日は、2008年にコンパオレ大統領がTICADⅣ出席のために来日した際に同行して以来、約4年ぶりとなります。
バソレ大臣は、今回の滞在中、27日(月曜日)に玄葉大臣との間で外相会談を行うほか、国際協力機構(JICA)関係者との意見交換を行う予定です。
両大臣による外相会談は初めてとなります。今回の会談では、地域情勢や、来年6月に横浜で開催される第5回アフリカ開発会議(TICADⅤ)へ向けての協力などについての議論が行われる予定です。
今般のバソレ外務・域内協力大臣の来日を通じて、両国の友好協力関係のさらなる強化が期待されます。
【朝日新聞 東岡記者】野田総理が李明博大統領に宛てて出した親書ですけれども、本日、外務省の方に届いたと伺っております。改めて、いつ、どのような形で届いて、同封されたものがあれば、どういったものが同封されていたのか、改めて事実関係を教えてください。
【横井外務報道官】事実関係ですが、総理から大統領に宛てた親書につきましては、本24日午前に郵便で、在京韓国大使館から外務省に返送されてまいりました。その郵便物については、親書を返送する旨の口上書が同封されておりましたが、これ以上の詳細については差し控えたいと思います。
【毎日新聞 西田記者】竹島の問題をめぐって、広報と国際発信について強化されていくというように民主党の部門会議等で出ていたのですが、具体的にどういうことをされているのか、どういうことをしようと思っていらっしゃるのかお願いします。
【横井外務報道官】そのような党の方面、それから外務大臣ならびに外務省の中でも、そういうものが必要であるというように認識しております。基本的には、我が国にとって我が国の立場を明確に国際社会ならびに関係の人々に理解していただくべく、明確なメッセージ、またそれを効率的に伝えていくというものについて、ありとあらゆる有効な手立てをとっていきたいというように検討しております。
【読売新聞 伊藤記者】北朝鮮関連で29日からの交渉の方、課長級になりましたけれども、経緯と見通し、議題設定の方ということで改めて現状でどういうようになっているか、及び北関連ということで遺骨の収集の方の特例的に渡航が認められるという報道がありますけれども、それがどうなっているかについて。
【横井外務報道官】今ほどのご発言の通り、29日に予備協議を行うということについて、これまでも北京にある北朝鮮の大使館ルートを通じて調整を行ってきましたところ、先方よりの要望も踏まえ、課長級において予備協議を行うというように決まった次第です。実際にどのような協議を行うのかについて、今ほどおっしゃった遺骨の問題、それから更に幅広く日朝間の関連する問題等々につき議論すべく、具体的な議題案について、双方で協議をすると承知しています。
【読売新聞 伊藤記者】遺骨関連で、関係団体の方から、28日から向こうに渡りたいという旨の方はどうなっていますでしょうか。
【横井外務報道官】そのような情報については承知していますけれども、具体的な対応については現在検討中ということです。
(1)山根外務副大臣のドミニカ共和国及びエクアドル訪問について
【横井外務報道官】8月15日(水曜日)から19日(日曜日)まで、山根隆治外務副大臣は、ドミニカ共和国及びエクアドルを訪問する予定です。
山根副大臣は、8月16日(木曜日)にドミニカ共和国の首都サントドミンゴで行われるダニーロ・メディーナ大統領就任式典に、我が国政府の特派大使として出席します。我が国は、ドミニカ共和国と伝統的に友好関係を維持しており、両国間の関係をさらに緊密にすべく、山根副大臣を同式典に派遣するものです。
また、エクアドルにおいては、二国間関係及び国際場裡における協力促進等につき、政府要人等との意見交換を行います。
(2)イラク南部4県の危険情報引き下げについて
【横井外務報道官】外務省は、本8月3日付で、イラクに関する危険情報の一部を改訂します。
イラク南部4県のバスラ県、ムサンナー県、ズィーカール県及びミーサーン県については、これまで「退避勧告」が発出されていたものを、この地域の治安情勢等を踏まえ、今般「渡航延期勧告」に引き下げることにしました。
ただし、あくまでもご注意頂きたいのは、この地域では依然、誘拐や一般犯罪等の脅威が少なくないことに鑑み、今回の「渡航延期勧告」には、「所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとることのできない場合、渡航の取りやめ及び国外への退避をお勧めします。」とのただし書きがついている点です。
したがって、国民の皆様におかれては、イラク南部4県に渡航・滞在される場合には、これまでと同様に所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとっていただくよう、くれぐれもお願いしたく、それができない場合には、渡航を取りやめていただくか、あるいは国外に退避していただくようお願い申し上げます。
なお、本件危険情報の詳細な内容については、本日付で外務省「海外安全ホームページ」に掲載されます。
【フリーランス 安積氏】(8月)13日に予定されております竹島周辺の韓国軍による演習についてお伺いいたします。既に、韓国メディアの方はこれについて報道があると思いますけれども、ロシアのタス通信の方は、韓国の国防省の情報としまして、この演習の目的は、ターゲットは日本であるというように書いています。こういう事実を把握されているのかどうなのか。また、この演習について日本国政府としてどういうように対処されるのかお伺いいたします。
【横井外務報道官】現在、今おっしゃったタス通信等々については、今のところ、まだ私は確認してございませんが、韓国軍による訓練自体の報道については承知しておりますし、また、事実関係を確認中です。
仮に、本件訓練が事実、つまりその通り実施されるというようなことであれば、我が国政府としては極めて遺憾であり、訓練の中止を求める旨の申し入れを韓国側に対して行っております。
【共同通信 斎藤記者】中国の国防省が、防衛省が出した2012年版の防衛白書についてコメントしておりまして、要約すれば、「我々中国の主権侵害に当たる。日本は無用に危機を煽っている」等々の論評がなされました。この内容を外務省として確認しているかどうか。そして、これについてどのように受け止めているか、コメントをお願いします。
【横井外務報道官】私が承知していますのは、中国外交部報道官談話、報道官が話した内容というものは承知しています。従来から我が国は防衛白書において、例年の我が国の防衛政策の紹介に加えて、中国の軍事力を含む我が国を取り巻く安全保障環境について客観的に記述、分析していると承知しております。
【産経新聞 杉本記者】8月1日に広報体制の改組があったと思うのですけれども、その狙い、意義についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
【横井外務報道官】これまで外務報道官組織及び広報文化交流部において、広報、報道、並びに文化交流というものが別々の指揮の下に行われておりましたけれども、今般の組織改正によって報道、広報、文化交流というものを一体的に政策立案することにより、我が国全体のパブリック・ディプロマシーの能力、あるいは外国に対する発信能力を高めるということを目的としております。