世界が報じた日本

(12月10日~16日)

平成26年12月19日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文をご参照願います。

掲載日:

15日付:

媒体名(国名):

ニューヨーク・タイムズ紙(米)
タイトル:
日本の戦争の記録(他のサイトヘ)

執筆者(発信地):

草賀純男ニューヨーク総領事(投稿)

 12月4日付社説(「日本における歴史の粉飾」)には,「右派系政治勢力」による脅迫キャンペーンを安倍政権が「後押し」したとある。日本は力強く,活力ある民主主義を享受している。日本政府は報道の自由及び開かれた建設的な国民による議論を強く支持しており,このような価値を毀損するいかなる脅迫や嫌がらせを容認することはない。
 朝日新聞は1980年代及び1990年代に掲載された「慰安婦」に関する記事を疑わしい証言を根拠にしていたことを理由に撤回したが,元朝日新聞の記者に対する脅迫事案に関し,菅官房長官は10月3日の記者会見にて,「このような脅迫又はそれに類する行為は許されない」と政府の立場を明示した。本件は警察による捜査も行われており,少なくとも一人が拘留された。
 安倍政権が「戦時の粉飾を要求する人々に迎合する」との記述もあったが,安倍総理は,歴史に謙虚に向き合わなければならないと繰り返し述べており,慰安婦として癒やしがたい傷を負われたすべての方に対して,痛切な反省を表している。

掲載日:

14日付:

媒体名(国名):

ニューヨーク・タイムズ紙電子版(米)

執筆者(発信地):

マーティン・ファクラー東京支局長(東京発)

 低い投票率であったが,安倍総理が率いる与党は,日曜日の総選挙で地滑り的勝利に向かって進み,もう数年の間日本の指導者でいる機会が安倍氏に与えられた。しかし,約束された改革実行のためには,この選挙で彼を支えた(強力な国内の農業協同組合のような)既得権グループに対し挑戦することが必要である。与党は選挙前よりわずかに少ない295席の獲得という結果であったが,それは衆議院で大多数を占める数である。投票結果が明らかになった後,当選した自由民主党の候補の名前の上に赤いバラを添付するために,安倍氏は微笑みながら自民党本部のテレビ・カメラの前に現れた。安倍氏も,株式市場を強めたが,アベノミクスに対し国民の不満が高まっていたと認めているようだった。実際,多くの日本人は,投票しないと決めているように見えた。日曜日の投票率は戦後の日本の歴史で最も低い52.7パーセントであったと初期の集計で判明した。

掲載日:

15日付:

媒体名(国名):

ジ・エイジ紙(豪)

執筆者(発信地):

社説

 安倍首相は,日曜日の選挙で大勝を果たしたが,経済政策を含めて国民の信任を得たという主張は,戦後最低の投票率によって弱められている。今回の連立与党の勝利は,来年9月の自民党総裁選での安倍首相の再選の地ならしとなり,確実ではないにせよ,2018年までの長期にわたり政権を維持可能な,日本では珍しいリーダーとなる。また,一部の専門家は,安倍首相が,保守的な公約により,経済から注意を逸らせていくのではないかとも考えている。この公約は,中国や韓国の反発を招いている。

掲載日:

15日付:

媒体名(国名):

ロサンゼルス・タイムズ紙(米)

執筆者(発信地):

ユリコ・ナガノ東京特派員

 安倍総理は,アベノミクスを推進するための国民の信任を勝ち取った。自民党と公明党の連立与党は,衆議院の全475議席のうち,合わせて3分の2超えとなる326議席を獲得した。

掲載日:

15日付:

媒体名(国名):

フランクフルター・アルゲマイネ紙(独)
タイトル:
強化された

執筆者(発信地):

カールステン・ゲルミス記者

 この成功は,この自民党の政治家を,日本における過去数十年で最強の首相にする。安倍総理は今や2018年まで政権を担う機会を得た。安倍総理は過去2年間,再び日本に安定的な政権をもたらした。注目すべきは,安倍総理が2度目の地滑り的大勝を収め,これから何を行うかである。安倍総理が選挙戦で言及しなかったのは,このアベノミクスが今後数年間でどのように具現化するかである。安倍総理は選挙後,偉大な改革者になるのであろうか,あるいは,引き続き単に日銀に圧力をかけ,量的緩和により新たな金融バブルを形成する手法に賭けるのだろうか。安倍総理は,今次選挙の勝利を,彼の保守的な政策を認めるものとして評価する可能性が高い。

掲載日:

15日付:

媒体名(国名):

リベラシオン紙(仏)

執筆者(発信地):

アルノー・ヴォルラン記者(京都発)

 14日の総選挙で自民党が大勝した。これにより安倍総理は2018年まで続投することが可能となり,在任期間が6年を越える数少ない総理の仲間入りをする見通しとなった。総理は総選挙を,アベノミクスの是非と自身の信任を問う国民投票にすることに成功した。今回の総選挙で 2007年の大敗の屈辱をはらした安倍総理は,日本が大国に留まる道は景気回復しかないと確信している。2年に亘りアベノミクスの効用を喧伝した後,総理はアベノミクスの実効性を示し,今度こそ農業部門,労働市場,医療制度,年金,女性の登用などをはじめとする抜本的な構造改革を実施しなければならない。また,岸元総理は憲法の改正を訴え続けたことで知られるが,改正は今や安倍総理の手に引き継がれた。

掲載日:

15日付:

媒体名(国名):

レ・ゼコー紙(仏)

執筆者(発信地):

ヤン・ルソー記者(東京発)

 経済政策の成果が捗々しくないにも関わらず,安倍総理の率いる自民党は,14日の総選挙で大勝し,安倍総理は2018年まで続投する見通しとなった。安倍総理は近年の日本の歴史上最も重要な政治指導者の一人として認められよう。今後4年間,野党に憚れることなく,憲法の改正などといった事案を進めることができるようになろう。この傾向は与党連合の圧勝に影を落とす恐れがある。年配者と保守派有権者の投票率は高かったが,今後の総理の改革策を支持する層とはなりえない。

掲載日:

14日付:

媒体名(国名):

人民日報(中)
タイトル:
日本の衆議院選挙,与党が多数取得,安倍総理が統治を継続する見込み

執筆者(発信地):

贾文婷記者(東京発)

 第47回衆議院選挙の投票が行われた。自民党は全議席の過半数を超える議席を得た。これは,安倍総理が政権を引き続き担当することを意味する。自民党と連投して政権を握る公明党と合わせて300議席を終える議席を得た。自民党総裁である安倍総理は24日前後に特別国会で第97代総理に指名され,第三次安倍内閣が成立するであろう。共同通信社の評価によると,今回の選挙結果は,有権者が消去法で候補者を選んだ結果だという。

掲載日:

4日付:

媒体名(国名):

ル・フィガロ紙(仏)
タイトル:
日本,東洋のシャンパン帝国

執筆者(発信地):

ステファン・ルノー記者

 日本人は,極めて教養があり,洗練された人々であるが,彼らは熱心なシャンパン愛好家でもある。消費量では世界第4位だが,その品質を見抜く力においては(フランスに次いで)第2位と呼ぶべき日本において,シャンパンがいかに愛されているかを,ル・フィガロ紙編集部は日々実感している。今回の特集号は,代表的な日本の現代写真家の作品や英国クリエーターのポール・スミスのインタビュー等を交え,豊かで希有な日本におけるシャンパンの受容を辿るものである。
 (ルノー記者)日本人のフランスワイン愛好家は,ブドウ畑の地質,ワインの構成要素などについて大変詳しい。これは他に類を見ないアプローチだ。 (鈴木庸一駐仏大使)自身の感覚だけに頼るのではなく,生産地,醸造法,構成などを詳細に調べた上での分析に基づいて判断しようとする,日本人独特のアプローチ。これは,シャンパンやワインだけでなく,料理や工業など他の分野についても同様である。

掲載日:

12日付:

媒体名(国名):

ル・フィガロ紙(仏)

執筆者(発信地):

セバスチャン・ファレッティ記者(石垣発)

 海上保安庁は中国公船の航行が目立つ尖閣諸島周辺の警備を強化するため,新造巡視船「かびら」を同海域に配備した。ル・フィガロ紙特派員は,「かびら」に特別に乗船し船内を見学する機会を得た。「かびら」は,尖閣諸島から170kmに位置する石垣島は,尖閣諸島の前線にあたる。中国公船よりも多くの巡視船を尖閣諸島の周辺海域に配備するのが,海上保安庁の課題となっている。数の上で負けては対応しきれないためだが,中国側は一度に5隻を派遣することが可能だとみられ,日本側も同時に6隻以上による警備ができるよう体制を整えている。日中間の緊張の高まりによって,例外的に10隻の新造巡視船が,2016年までに石垣島に配備されることになった。海上保安庁の説明によると,巡視船は中国公船が接近した場合,行く手を遮って追い払う。海上保安庁は中国公船に無線や拡声器で退去を命じるが,中国公船側は返答せず,対話が成立することはないという。

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