世界が報じた日本

6月10日~17日

平成26年6月17日

掲載日:

17日付:

紙面(国名):

インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙アジア版(米)
タイトル:
北朝鮮を崩壊させる(他のサイトヘ)

執筆者・掲載欄・発信地:

スー・ミ・テリー元CIAアナリスト(ニューヨーク発)(フォーリン・アフェアーズ誌からの転載)

 北朝鮮が崩壊すると不安定化が進み,半島再統一は韓国経済を損ない社会的コストもかかるというのは,長期的な利益を考えると視野の狭い見解だ。金政権の崩壊で最初は核兵器や人々に関する大きな問題を引き起こすが,安全保障面では有利となる。北朝鮮人民が解放され,軍事的に北からの攻撃リスクに晒される韓国,ミサイル攻撃範囲内にある日本,半島の戦争に巻き込まれる米国も脅威から解放される。朝鮮半島の再統一によりアジアの中のドイツとなり得るかもしれない。これらの利益を考慮して,米国やその同盟国は北朝鮮にとりかからねばならない。金政権の崩壊は驚くべき可能性かもしれないが,朝鮮半島再統一目標には価値があり,米国,韓国,日本,中国は政権の存在を長引かせるような緩やかな政策を止めなければならない。

掲載日:

17日付:

紙面(国名):

オーストラリアン紙(豪)
タイトル:
海を越える握手(他のサイトヘ)

執筆者・掲載欄・発信地:

ブレンダン・ニコルソン防衛担当記者

 安倍総理が集団的自衛権容認のために現行の憲法解釈の変更を望んでいるのは,日本が安全保障戦略で孤立することを防ぐためだ。豪州と日本は潜水艦の設計の重要な部門で既に協力を決めており,豪州が日本から完成した潜水艦を購入する可能性を開いている。秋元駐豪州大使は,4月のアボット豪首相の訪日後,二国間の関係は新しい段階に来ているとし,両国による安全保障のより近接な協力と防衛装備品分野の協力での新たな交渉の重要性を強調した。安倍氏は,幅広い安全保障問題に取り組むために,憲法の解釈の変更を早く実施するよう国会に強く働きかけている。これが実現すれば,たとえ日本が直接的な脅威にさらされなくても,日本は米軍や豪州軍といった同盟国を援護できるようになる。岸田外相は,日本は地域における脅威の段階は深刻であると認識し,豪州との近接な防衛安全保障協力に関する対話は非常に重要だと思っていると当紙に語った。

   (注)本件要約及び仮訳は外務省が作成したものであり,(オーストラリアン紙が属する)ニュースリミテッド社の見解を一語一語訳したものではない。

掲載日:

13日付:

紙面(国名):

インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙アジア版(米)

執筆者・掲載欄・発信地:

クリス・バックリー記者(香港発)

 戦略国際問題研究所(CSIS)による新しい報告は,習主席の外交戦術は,増大する経済と軍事力を使って相手を制圧し,安定した温和な地域状況を望むという不安定な構成である,と評価する。同主席には完全に具体化した世界観がないと同報告は指摘する。中国は今のところ,領土主張や軍事的に強硬でありながら,周辺との関係を改善しようとしている。ジョンソンCSISシニア・アドバイザーは,中国の対外政策は外交的には穏健で軍事的には強硬としている。中国外交の不安定さは,習氏が中国の経済面での良い印象を残しながら,いかに優位に立とうとするかによる。習氏が政権に就いて以来,南シナ海で東南アジアと,東シナ海で日本との領土紛争において強硬な立場をとってきた。報告では中国の首脳陣は経済外交でこのような紛争を優位に解決することを望んでいるようであると指摘する。しかし,経済的な救済がうまくいかない。東/南シナ海での中国の主張は隣国に不安感を蔓延させている。しかし,共産党は国内開発に注力しており,地域を混乱させるような過激な行動は思いとどまるだろうと述べている。

掲載日:

13日付:

紙面(国名):

フランクフルター・アルゲマイネ紙(独)
タイトル:
アジアに響くこだま(他のサイトヘ)

執筆者・掲載欄・発信地:

クラウス=ディーター・フランケンベルガー外信部長

 驚きのあまり息が止まるような事案だ。東シナ海上空で中国と日本の戦闘機が非常に接近してすれ違った。いずれの側からにせよ,挑発が衝突に発展していたら,両国間の領土問題は,いかに急速にエスカレートしただろうか。両国政府が成り行き任せにしないことを願うほかない。これは危険なゲームだ。表面的に焦点となっている諸島は,このゲームの賭け札でしかない。歴史の類似性を誇張することは避けるべきだが,今年は,繰り返し第一次世界大戦勃発とサラエボ事件のもたらした恐るべき結果が回想されており,この回想は,アジアで長く響くこだまとなっている。東アジアと東南アジアでは,地域的な紛争が急速に大きな国際的な衝突に発展しかねない。中国の平和的台頭はどうなったのかと問う声も既に上がっている。

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