世界が報じた日本
海外主要メディアの日本関連報道
4月23日~30日
最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文にあたって下さい。
掲載日
29日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
安倍総理書面インタビュー(執筆者はカルステン・ゲルミス在京特派員)
安倍総理は,東アジアの隣国である中国及び韓国に地域の緊張緩和を呼びかけた。10日間にわたる訪欧を前に安倍総理は,本紙のインタビューに対し,「対話の扉は常にオープンである。」と述べた。日本の第二次世界大戦における役割の評価及び無人諸島の帰属に係る争いを巡り,日韓及び日中関係は緊張している。安倍総理は,「アジア地域の平和と安定が損なわれれば世界全体に重要な影響を与える。」とした上で,中国を名指しすることなく,同国の太平洋地域における軍備拡張を批判した。安倍総理は欧州訪問をベルリンから開始する。メルケル首相との会談において,特に両国間の中小企業間の協力強化に努めたいという。その後の英仏訪問においては,原発の安全性の向上に係る協力も主要なテーマとなる。安倍総理は,福島の災害にもかかわらず,今後も原子力発電を利用するとの自身の決定を擁護した。
掲載日
27日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
社説
米中日及び太平洋地域の他18か国が先週,待望されていた海上の行動規範である「海上衝突回避規範(CUES)」に合意したことで,不確実性及び不測の衝突の可能性が減少するだろう。行動規範は,中国が主催した西太平洋海軍シンポジウムで採択され,緊張を緩和しようという中国の歓迎すべき決定を示している。ここ数か月間,同小島群に接近する中国の船舶及び航空機の数は減っている。また,習近平主席の側近である胡徳平氏の訪日及び舛添東京都知事の訪中など,中国と日本の政治家の交流も再開された。武力の誇示から外交へという,この前向きな変化は,日中両国の指導者が引き続き追求すべきものだ。
掲載日
25日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
マーク・ランダー記者,ジョディ・ラドーレン記者(東京発)
全体の結果として,日米首脳がお互いを,「バラク」「シンゾウ」とややぎこちなく呼び合った共同記者会見に見られるように,日米同盟は以前よりも明らかに強固な基盤にあるが,依然として政治的弱点に対して脆弱だ。日米当局が今週行った交渉の中で,米国は,農産物の保護関税をゼロ付近まで削減するなど日本に大幅な譲歩を行うよう圧力をかけた。日本に対する米国の防衛義務についての大統領の声明は,オバマ大統領が初めて明確に,領有権問題となっている島群を米国の保護下に置いたため重要だ。安倍総理は,同島群を保護するという大統領の約束に励まされたと述べた。
掲載日
24日号
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
ジャック・ルー米財務長官
日本が世界に経済回復を目指す意図を宣言したければ,安倍氏を総理に選ぶことが最善の方法だったと言えるかもしれない。2007年,たった365日間務めた総理の座を消耗性疾患により突如辞任したときには,もう終わったと考えられていたが,彼は闘って戻ってきた。彼は有権者の信頼を取り戻し,課題に取り組んだ。日本を数十年にわたる経済低迷から救い出すため,今やアベノミクスとして知られる大胆な戦略を打ち出した。安倍氏の政策は,デフレ脱却・消費喚起を目指し,経済のダイナミズムを取り戻すことを目指すものだった。たった20か月後,日本人は,継続的な回復が遂に視野に入ったと信じる理由があると感じている。安倍氏の究極的な成功は未決着の課題にかかっている。すなわち,TPPとその他の構造改革による持続的で長期的な国内需要の成長である。
掲載日
24日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
マーク・ランドラー記者(東京発)
オバマ大統領が,日中の対立の中心である東シナ海の領有権問題となっている島群に日米安保条約が適応されると再確認したことで,日本は大統領から象徴的な意思表示を受け取った。大統領は,読売新聞の書面インタビューで,「我々は,これらの島々の日本の施政を阻害するいかなる一方的な試みにも反対する」と述べた。
掲載日
24日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
ジョン=バンサン・ブリセ仏国際関係研究所所長
数か月前から,尖閣諸島を巡る日中の対立は,激しい非難の応酬と中国海軍・空軍による侵入という形で展開されている。中国側の海軍及び空軍の兵士の技術不足のため船や飛行機の衝突が発生するリスクは常に存在するが,日本も中国も一部のナショナリストを除き,本格的に一戦を交えようとなどと考えてはいない。ただし,中国経済は脆弱なため,経済が大きな困難に遭遇し,社会の亀裂が深まることを中国の指導者は恐れている。中国はその場合,国民を国家的大義によって結束させるためパンドラの箱を開け,アルゼンチンの指導者がフォークランド諸島で行ったように,戦争を開始するだろう。
掲載日
23日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
マイケル・J・グリーン戦略国際問題研究所日本部長寄稿(ワシントン発)
東シナ海での日本と中国の緊張を緩和するため日米政府にできることはまだあるが,海洋を接する近隣諸国に圧力をかける中国の行動様式にこそ根本的問題がある。日中の緊張緩和のための米国のいかなる計画も,そうした強要にはもはや効果はなく,対話と信頼醸成措置なら効果があるかもしれないということを中国に納得させるべきだ。米政府がなし得る最悪のことは,中国の圧力に屈して,中国に妥協するよう日本に圧力をかけることだ。米国は,よりリスクの大きい東シナ海の紛争において,過度に公平であるという過ちを再び犯すべきではない。偶発的な軍事衝突を回避する最善の方法は,率直な日中首脳会談の実施という安倍総理の提案,自衛隊と中国軍の間の信頼構築に向けた協議や船舶,航空機の通信チャネル改善及びホットラインの開設といった日本政府の提案を中国が受け入れることだ。同時に,日米首脳は,中国を安心させる対策を協議すべきであり,危機からの出口に向けた提案を行う必要がある。まずは,中国と日本による東シナ海の資源の共同開発についての協議再開を推進することだ。もう一つは,今年に入っての尖閣諸島周辺での中国の活動のわずかな減少を安倍総理が利用して,中国政府がよりオープンな対話と透明性を伴う長期的枠組みに合意する可能性があるかどうかを見極めることだ。