トルコ共和国

日・トルコ首脳会談

平成27年11月14日

英語版 (English)

 本13日午後5時過ぎ(日本時間14日午前0時過ぎ)から約1時間30分間,イスタンブールを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,大統領府(ユルドゥズ宮殿)において,レジェップ・タイップ・エルドアン・トルコ共和国大統領(H.E. Mr. Recep Tayyip ERDOGAN, President of the Republic of Turkey)と首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおり。

1 少人数会合

 会談冒頭は,約50分間にわたり少人数形式で行われた。

  • 日・トルコ首脳会談(少人数会合)
    (写真提供:内閣広報室)
  • プレミアム上映会
    (写真提供:内閣広報室)

(1)冒頭発言

(ア)エルドアン大統領から,次のとおり述べた。

  • 本日トルコでお迎えすることができて嬉しい。短期間の内に再会できたことも喜ばしい。また明日もダーヴトオール首相との会談があり,さらにアンタルヤでも会えること,そして日トルコ共同制作映画である「海難1890」を一緒に見ることを楽しみにしている。この映画は日本とトルコの友好関係の新たな象徴となっていくであろう。
  • トルコにとって日本はアジア太平洋で最も重要なパートナー。二国間の貿易額はまだ35億ドルにとどまっており,今後貿易の拡大を希望したい。また,マルマライのトンネルプロジェクトでは,わざわざ開通式に安倍総理が来てくれた。このプロジェクトは日トルコの協力関係の貴重な象徴であり,今日までに1億人をこのトンネルを使って輸送をしている。
  • 明日,安倍総理がJETRO主催「日本・トルコ・ビジネスフォーラム」へ出席いただけることに感謝。日本とトルコの経済関係を促進していきたい。
  • 日トルコ間の戦略的パートナーシップの関係構築をしっかりと行っていきたい。マルマライのトンネル,イズミットの橋に次ぐ大きなインフラ案件も共に進めていきたい。また,日本とトルコが第3国で共同プロジェクトを取り組むというのも良いことではないか。トルコ産農産品の日本への輸出や,日本からのトルコへの観光客の増加に期待したい。

(イ)安倍総理から,次のとおり述べた。

  • 先月の訪日に感謝。2年ぶりにトルコを訪問することができて大変嬉しい。まずは総選挙での与党・公正発展党の躍進を祝福申し上げる。先日アンカラで起こったテロ事件に関してはお亡くなりになった方へお悔やみ申し上げるとともに,負傷者の一日も早い回復をお祈りしたい。
  • エルドアン大統領が議長を務めるG20アンタルヤ・サミットの前日にこうして大統領と二国間会談を行って,十分な意見交換ができるのは大変有意義。G20サミットの成功に向けて日本として最大限協力をする。
  • 率直な意見交換を通じて,日本とトルコの長きにわたる友情関係と,私とエルドアン大統領の個人的な友情を一層深めたい。

(2)二国間関係

(ア)安倍総理から,次のとおり述べた。

  • 日本の安全保障政策について,日本は国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から,先般成立した「平和安全法制」も踏まえ,国際社会の平和と安定に一層貢献したい。
  • 経済関係の強化について,日本とトルコの経済関係はまだ多くの潜在性がある。貿易・投資関係の一層の強化についてしっかりと進めていきたい。日トルコ経済連携協定(EPA)交渉についても引き続きしっかりと議論を進めていきたい。インフラ事業に関しては,日本企業もトルコのいろんなインフラ事業に参加しているところだが,今後も積極的に参加・貢献できることを期待したい。

(イ)エルドアン大統領から,食糧・農産品についてはまだまだトルコから日本への輸出にはポテンシャルがある,シノップ原発に対する期待は日に日にトルコ国民の中で高まっていると述べたのに対し,安倍総理から,シノップ原発については,エルドアン大統領の希望を実現するために,着実に進めていきたい旨述べた。

(3)地域情勢

(ア)安倍総理から,次のとおり述べた。

  • シリア難民の流出を防ぐためには,民族や宗派,地域を問わず,全ての人が安心して暮らせる民生の安定が重要。日本は「中庸が最善」の考え方の下,中東地域の安定を取り戻すため必要な支援に注力をしていく。
  • イランの核合意は,不拡散体制の強化と中東地域の安定に資するものであり,これを歓迎したい。
  • 先月中央アジア5か国を訪問。トルコは民族的にも中央アジアに近く,トルコ企業も多数進出している。

(イ)エルドアン大統領から,次のとおり述べた。

(ウ)これに対し,安倍総理から,日本としても,難民問題についてトルコと良く連携していきたいと述べた。

(エ)また,両首脳はシリアやイラク情勢を含む地域情勢について議論を行った。

2 全体会合

 その後,約40分間にわたり,全体会合が行われた。

(1)G20

(ア)エルドアン大統領から,次のとおり述べた。

  • 議長国としてトルコでG20を開催できることは,非常に意義深い。G20の歴史に成功の1年として残るような会議にしていきたい。G20の舞台を世界の諸課題の解決とそれに向けた協力の場としていきたい。G20諸国の協力促進を進めていくことが議長国としての努め。議長国として今まで10回の大臣会合,そして100回のG20関連事業を行ってきた。
  • 明日から始まるG20サミットでは3つ議題を設定している。これは,3つのIということであり,インクルーシブネス(Inclusiveness)とインプリテンメーションImplementation)とインベストメント(Investment)という3つのIをキーワードに行っていきたい。
  • G20諸国との関係に特に力を入れてきているが,一方で途上国や途上国の中小企業への支援の枠組の重要性も訴えかけてきている。また,エネルギー分野や食糧へのアクセスも重要な課題となる。色々なプランを持続可能な発展を実現していくために実施をすることが重要。
  • テロへの対応でもG20各国の協力が重要。

(イ)安倍総理から,次のとおり述べた。

  • エルドアン大統領が議長を務めるG20の成功に最大限協力をしたい。3つのIを取り上げて議論を深めてきたことに敬意を表したい。
  • 日本が成長戦略の着実な実施を通じて,強固で持続可能かつ均衡ある世界経済の成長に積極的に貢献していくことを説明したい。また,強固で包摂的な成長を実現する上で,質の高いインフラ投資が重要であることを訴えたい。
  • 今月末からのCOP21で,全ての国が参加する公平かつ実効的な新たな国際枠組みの合意に向け,G20首脳が強いメッセージを出すことが重要。エルドアン大統領のリーダーシップに期待。
  • エルドアン大統領が重視をするテロ・難民問題についても日本として貢献をしていきたい。

(2)二国間関係

(ア)安倍総理から,次のとおり述べた。

(i)冒頭

  • 2年ぶりにトルコを訪問することができて嬉しい。総選挙での躍進を祝福する。
  • アンカラでのテロでの犠牲者へのお悔やみ申し上げるとともに負傷者への早期回復を祈念する。
  • 日本とトルコは広いアジアを東西から支える二つの翼であり,エルトゥール号事件125周年,トルコ航空による日本人救出30周年という記念すべき年の機運を最大限活かして,1か月の間に2度も首脳会談を実施してきた。
  • 両国の「戦略的パートナーシップ」を深化させ,エルドアン大統領が議長を務めるG20の成功に最大限協力をしたい。

(ii)経済

  • 住友ラバーAKO社チャンクル工場の開所式典に大統領自ら御出席頂き感謝。エルドアン大統領の日本企業に対する高い期待と信頼に前向きに応えていきたい。
  • 今回の訪問には15社の企業幹部が同行し,JETRO主催のビジネスセミナーを開催する予定であり,ダーヴトオール首相にも参加いただける予定と聞いている,両国企業の交流をさらに活発化する機会としたい。
  • 日トルコEPAについては引き続きしっかりと議論を進めていきたい。
  • 先月打上げが成功したトルコサット4B計画に日本企業が貢献できたことを喜ばしく思っている。

(iii)文化

  • 日トルコ科学技術大学に関しては,先月の合同検討委員会で全ての論点につき合意ができて喜ばしい。
  • 日トルコ合作映画「海難1890」のプレミア上映会実現に対する大統領の協力に感謝。両国の絆を日本とトルコ国民に語り継ぐための素晴らしい映画。
  • 下関市と日本企業の協力でバルタリマヌ日本庭園が改修され喜ばしい。イスタンブール市民と下関市民の姉妹都市交流の賜である庭園を,両国の絆を一層深めるために活用していきたいという。

(iv)国連安保理改革

  • 安保理改革の必要性を訴えた大統領の早稲田大学でのスピーチには勇気づけられた。
  • 安保理を21世紀の国際社会によりふさわしいものとすることは急務であり,今会期中に具体的成果を得たい。

(イ)エルドアン大統領から,サブ・サハラへのエネルギー需要への対応が,非常に重要な問題となってきている,非常に人口の多い地域であるが,一部の人にしか電気が届いていない旨述べた。これに対し,安倍総理から,サブ・サハラのエネルギーの重要性を認識している,トルコと協力して何ができるかしっかりと検討していきたい旨述べた。

(ウ)両首脳は,トルコへの多数の難民の流入と国際社会による負担の共有等について議論を行った。


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