総理大臣

アジアにおける平和と繁栄のための戦略的パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明(概要)

平成22年10月31日

1 はじめに

 菅総理と,ズン首相は,近年の二国間関係の発展を歓迎し,アジアにおける平和と繁栄のため,日越間の「戦略的パートナーシップ」を包括的に推進させていくことで一致。

2 交流と対話の強化

 両首脳は,毎年の首脳レベル交流の継続を確認。両首脳は,ベトナムの新指導部が2011年早期に訪日することを期待する旨表明。両首脳は,本年12月に第1回日越戦略的パートナーシップ対話を開催すること,第4回日越協力委員会を来年開催することを決定。

3 経済協力

 ズン首相は,南北高速道路,ホアラックハイテク・パーク,南北高速鉄道等に対する日本の支援の進展に謝意を表明。菅総理は,日本の優れた技術と知見を活用し,ベトナムの経済発展を支える旨及び,ラックフェン港建設を始めとする5案件に対し,約790億円の円借款の供与を表明。ズン首相は,日本がロンタイン国際空港計画,2区間の高速道路計画,ハノイ・ホーチミンの地下鉄に対する支援を日本が真剣に検討することに感謝。

4 貿易・投資

 両首脳は,日越経済連携協定を通じた経済関係強化,ベトナムの市場経済地位認定に向けた協議の加速,投資環境整備のための日越共同イニシアティブの継続を確認。

5 エネルギー・天然資源開発・気候変動

 両首脳は,日越原子力協定の実質合意を歓迎し,同協定の早期署名への期待を表明。両首脳は,越政府が原子力発電所第2サイトにおける2基の原子力発電所建設につき,日本をパートナーとして選定したことを確認。ズン首相は,越におけるレアアースの探査,探鉱・開発及び分離・精製につき,日本をパートナーとすることを決定した旨表明。菅総理は,両国によるレアアース開発が日本側の資金支援を通じて円滑に実施されることを期待。両首脳は,森林関連の協力等の気候変動分野における両国間の協力を確認。また両国は,二国間オフセット・クレジット・メカニズムを含む気候変動対策等について意見交換を実施。

6 科学技術協力

 両首脳は,科学技術合同委員会の成果を歓迎。

7 相互理解・文化交流

 両首脳は,人と人との交流,特に国民間の相互理解を深めるための青少年交流を推進することの重要性を確認。ズン首相は,ベトナム政府が,日本でベトナム観光・文化フェスティバルを毎年開催することを表明。

8 地域・国際協力

 両首脳は,第2回日本・メコン地域諸国首脳会議で採択された「緑あふれるメコン(グリーン・メコン)に向けた10年」「日メコン経済産業協力(MJ-CI)」の行動計画を高く評価。また,両首脳は,東アジア共同体,安保理改革,北朝鮮等について議論。

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