安倍総理大臣

安倍総理大臣の東南アジア訪問(概要と評価)

平成25年7月27日

 7月25日(木曜日)~27日(土曜日)、安倍晋三内閣総理大臣は、東南アジア3か国(マレーシア、シンガポール及びフィリピン)を公式訪問したところ、概要は以下のとおりです。
 
訪問日程

1.マレーシア(25~26日)
ナジブ首相との首脳会談、ナジブ首相主催晩餐会、元日本留学生団体代表による表敬等。

2.シンガポール(26日)
トニー・タン大統領表敬、リー・シェンロン首相との首脳会談、リー首相主催昼食会、バイデン米国副大統領による表敬、経済政策に関する講演(シンガポール・レクチャー)(PDF)PDF等を実施。

3.フィリピン(26~27日)
アキノ大統領との首脳会談、アキノ大統領主催午餐会、比日協会主催レセプション等。
 
全体評価

1. 成果の概要
 1月のベトナム、タイ及びインドネシア3か国訪問、5月のミャンマー訪問に続く3度目の東南アジア訪問。これにより安倍総理は、就任以来、ASEAN10か国のうち7か国を訪問した。今回の訪問では、以下の点につき共通の理解が得られた。
  • アジアの活力を日本経済の再生に取り込む。
  • 法の支配、人権といった基本的価値を共有する国々の連携を強化する。
  • 日・ASEAN友好協力40周年を機に交流を一層促進する。
  • 経済連携を推進し、貿易や投資のルールを共に作っていく。
  • アジア太平洋を、力でなく法が支配する、自由で開かれた地域としていく。
2. 二国間関係の強化

(1) 総論
日本の総理として久しぶりの公式訪問(注)を通じ、自由で開かれた海洋を通じて市場経済・自由貿易を推進し、共に発展を遂げてきたマレーシア、シンガポール及びフィリピンとの二国間関係に新たな弾みを与えることができた。

(注)前回の総理大臣による公式訪問
  • マレーシア:2007年8月 安倍総理(約6年ぶりの訪問)
  • シンガポール:2002年1月 小泉総理(約11年半ぶりの訪問)
  • フィリピン:2006年12月 安倍総理(約6年半ぶりの訪問)
(2) 経済外交の強化
マレーシア、シンガポール及びフィリピンは、21世紀の「成長センター」の一翼を担うASEANの経済成長を牽引する国々。これらの国々の活力を取り込むことは、「日本再興戦略」の推進にも資するものであり、インフラ分野等での協力を確認した。

(3) 地域の平和と繁栄を確保するための協力
安倍総理から、地域と世界の平和と繁栄に貢献する戦略的外交を進める考えであり、中でもASEANとの関係を重視することを強調。各国首脳からは、日本が地域の平和と繁栄に向けてより積極的な役割を果たすことへの期待の表明があった。

(4) 人的交流・文化交流の強化
 マレーシアに対する査証免除及びフィリピンに対する査証緩和措置を踏まえた観光促進、1月に安倍総理が発表した「JENESYS2.0」等を踏まえた人的交流・文化交流をそれぞれ推進していくことを確認した。
 
首脳会談でのやり取り

1. 日・マレーシア首脳会談

(1) 両首脳は、時代に即した新しい二国間関係の構築していくこと及び東方政策「セカンドウェーブ」の方向性につき一致した。

(2) 経済分野では、両首脳は、インフラ整備協力の推進を確認し、高速鉄道、上下水道、医療などの分野において、日本の高い技術を活用するために協力していくことで一致した。TPP交渉会合については、ナジブ首相から、日本の交渉参加を歓迎する旨の発言があり、両首脳は、引き続き連携していくことで一致した。両首脳は、金融分野での協力の進展を歓迎した。

(3) 政治・安全保障分野では、両首脳は、海上における防衛当局間、海上保安機関間の協力強化について一致するとともに、安倍総理から、マレーシア海上法令執行庁(MMEA)への支援継続を表明した。防衛交流の活性化で一致し、安倍総理は防衛当局間の覚書を早期に作成することの期待を表明した。安倍総理から、PKO訓練センターへの支援の継続を表明した。

(4) 交流分野では、安倍総理から、「JENESYS2.0」による青少年交流及び7月1日からの査証免除措置に言及し、両首脳は、相互理解の促進の重要性を共有した。

(5) 日・ASEAN関係について、両首脳は、本年12月の特別首脳会議に向けて連携していくことで一致したほか、南シナ海、北朝鮮等アジア太平洋地域情勢についても意見交換を行った。安倍総理から、日本国内における憲法改正や集団的自衛権に関する議論・検討状況について説明した。
 
2. 日・シンガポール首脳会談

(1) 安倍総理から、「日本再興戦略」の実現に向けた取組について説明し、戦略に盛り込んだ施策を矢継ぎ早に実現していくことを説明したのに対し、リー首相からは、日本経済の再生が地域の発展にとり重要であるとの考えが示された。両首脳は、ASEAN連結性や第三国へのインフラ展開における協力も念頭に置いたインフラシステム輸出に関する協力、TPP・RCEP等の経済連携交渉での連携、「クールジャパン」の推進等で協力を推進していくことを確認した。安倍総理から、両国が直面する少子高齢化の問題への対応に関し、日本の強みを活かし、バイオ・医療分野で更なる協力を期待する旨述べた。安倍総理から、海外からの直接投資を促進していく旨述べ、シンガポール企業等を対象とする投資促進セミナーを開催したい旨述べた。さらに、両首脳は、二国間で金融協力が進展していることについても歓迎した。

(2) 政治・安全保障分野では、国際社会の平和と安定のための後方支援に係る協力強化で一致し、相互理解の促進の観点から、若い世代の政治家間の交流を深めることの重要性についても一致した。

(3) 日・ASEAN関係については、両首脳は、本年12月の日・ASEAN特別首脳会議で本年友好協力40周年を迎えた日・ASEAN関係の将来について成果を出すべく協力していくことで一致したほか、南シナ海、北朝鮮等のアジア太平洋地域情勢についても意見交換を行った。安倍総理から、日本国内における憲法改正や集団的自衛権に関する議論・検討状況について説明した。
 
3. 日・フィリピン首脳会談

(1) 安倍総理から、共に繁栄する「戦略的パートナーシップ」の強化に向けて、対フィリピン外交に関する以下の「4つのイニシアティブ」を表明した。アキノ大統領からは、日本の協力に対し謝意の表明があった。

ア 第1のイニシアティブ:「活力ある経済を共に育む」
両首脳は、日本の支援で作成されたマニラ首都圏の「運輸・交通ロードマップ」を踏まえて協力していくことで一致するとともに、安倍総理から、「災害復旧スタンドバイ借款」の第1号案件として100億円の供与を表明した。安倍総理から、フィリピンによる地デジ日本方式の採用に対する期待を表明した。

イ 第2のイニシアティブ:「海洋分野での協力の推進」
両首脳は、海洋協議の重要性を確認するとともに、防衛当局間、海上保安機関間でも共同訓練を始めとした実践的な協力を進めていくことで一致した。安倍総理から、フィリピン沿岸警備隊の能力向上のため、円借款による巡視艇10隻の供与を行う旨を表明した。安倍総理から、内航海運の安全性向上に向けた専門家派遣の決定を表明した。

ウ 第3のイニシアティブ:「ミンダナオ和平プロセス支援の強化」
安倍総理から、和平交渉の進展状況に応じて、(1)コミュニティ開発支援、(2)移行プロセスにおける人材育成支援、(3)持続的発展に向けた経済開発支援を三本柱として支援を強化していく考えを表明した。

エ 第4のイニシアティブ:「人的交流の一層の促進」
安倍総理から、「JENESYS2.0」による青少年交流及び査証緩和措置に言及し、両首脳は、人的交流を一層推進していくことで一致した。

(2) 日・ASEAN関係については、両首脳は、本年12月の特別首脳会議に向けて連携していくことで一致したほか、南シナ海を含むアジア太平洋地域情勢についても意見交
換を行った。安倍総理から、日本国内における憲法改正や集団的自衛権に関する議論・検討状況について説明した。

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