外務副大臣・外務大臣政務官

平成26年3月25日
21日,石原宏高外務大臣政務官は,国連大学本部にて開催された2014年世界水の日記念式典「水とエネルギーのつながり」に出席し,皇太子殿下のお言葉の後,太田国土交通大臣に次いで基調講演を行い,日本の水分野とエネルギー分野における国際貢献及び「女性の輝く社会」の実現について,概要以下のとおり述べました。

1 日本は,1990年代から継続して水分野のトップドナーであり,1997年から3年おきに開催されている世界水フォーラム等の場において,統合水資源管理の推進を始めとして,この分野で一層質の高い開発を支援していくための政策提言を積極的に行ってきている。また,持続可能な水利用を追求するための具体的取組として,(1)ダムによる大型の水力発電所から小規模水力発電設備の新設,拡張,改修,(2)水力発電の送配電網整備を通じた電化率の向上,(3)ダム運用管理者の能力向上などを支援してきた。

2 日本は,エネルギー分野においてもトップドナー。水分野とエネルギー分野の支援を通じて,開発途上国の人々の生活環境の改善,経済・社会の開発を後押しし,ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に貢献している。MDGsの達成期限である2015年を控え,日本としてもこれまでの努力を更に加速していきたい。

3 現在,2015年より先の開発目標がどうあるべきか国際的な議論が進んでいる。その中で,水,エネルギーはいずれも非常に重要な分野として取り扱われている。例えば,日本も参加してきたポスト2015年開発アジェンダに関するハイレベルパネルが昨年5月に発表した報告書には,水と衛生への普遍的なアクセスの達成,及び持続可能なエネルギーの確保が共に目標体系として盛り込まれている。各国が両分野の取組を強化することは,貧困撲滅,持続可能な開発を実現するために必要不可欠。

4 日本は,水分野における国際的なパートナーシップである「万人のための衛生と水」や国連の「万人のための持続可能なエネルギー」イニシアティブに積極的に参加し,自らの知見,経験,技術を伝えることで,両分野の開発課題に関する国際的な議論に引き続き貢献していく。

5 開発途上地域において,給水施設が整備され,人々が安全な飲料水に容易にアクセスできるようになれば,女性,女子が長時間の水汲み労働から解放され,家事の時間が短縮される。これにより,女性の活躍の場が広がり,社会進出が促進される。また,女子の就学率も向上する。こうした支援は,日本外交の重要アジェンダである「女性の輝く社会」の実現に大きく貢献するものである。

6 本日の記念式典での議論を通じて,水分野,エネルギー分野の国際的な取組が促進されることを祈念する。

(参考)2014年世界水の日記念式典「水とエネルギーのつながり」
世界水の日(3月22日)は,1992年にリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)にて提案,同年12月に国連総会にて採択・決定。国連水関連機関調整委員会(UN-Water)が,国際社会における水関連課題への関心を向上させ,取組を促進させるため,毎年世界水の日に合わせて記念式典を開催。2014年はUN-Waterの中の国連大学及び国連工業開発機関(UNIDO)が担当機関となり,「水とエネルギーのつながり」をテーマとして国連大学本部にて開催。外務省,国土交通省他が後援。
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