6.評価結果:
(1)「政策の妥当性」に関する評価
1997年及び2006年の経済協力政策協議で確認された日本の援助政策は,支援の目的・内容・手法などにおいて,日本のODA上位政策との整合性が高い。また,日本の援助重点分野はウガンダの国家開発戦略の政策変更を踏まえて策定され,1997年の経済協力政策協議においては,プロジェクトレベルでは必ずしも相手国の中心課題に直接対応していなかったもののその妥当性も次第に高まってきたことが認められる。同重点分野は国際的優先課題の実現に向けて支援目標・支援内容を考慮しており,また2006年の経済協力政策協議での支援重点分野は,日本の援助の特徴並びに技術的独自性・優位性を考慮したものであることから妥当であるといえる。
(2)「結果の有効性」に関する評価
対ウガンダ援助における日本の貢献は,金額的には少ないものの,案件形成の段階で可能な限り個々のプロジェクトを束ね,プログラム化がなされている。対ウガンダ援助政策の結果については,相手国政府よりおおむね有効との評価を得ている。特に,「コメ振興プログラム」については,スキーム間の連携が強く,同国の稲作が地域的に広がりをみせるなどインパクトをもたらしている。しかし,一方では,個々のプロジェクトとしては有効性を発揮しながらも,同一プログラムに属するプロジェクト間やスキーム間の連携が薄く,相乗効果を発揮できずにいる例もある。無償資金協力の場合,事前評価段階でのウガンダ側の維持管理能力を十分に勘案するとともに,案件実施中にその維持管理能力の育成・強化を図り,さらに案件終了後の維持管理能力不足を補うフォローアップ体制を明確にすることも重要である。
なお,現地調査において,援助担当であるウガンダ財務・計画・経済開発省の次官は,「日本の援助案件は目的を明確にしており,しかも付加価値の高いプロジェクトを実施しており,有益な効果をもたらしている」と評価している。
(3)「プロセスの適切性」に関する評価
対ウガンダ国別援助方針は未策定であるが,過去2回,日本とウガンダ間で経済協力政策協議が実施された。より政策策定プロセスの適切性を高めるためには,同協議はウガンダの国家開発政策の発表や改訂の都度,実施されるのが望まれる。
大使館開設やJICAウガンダ事務所の人員体制が整ってきたのは比較的最近であり,政策策定段階においては,実施体制についてはまだ整備されていなかった。ウガンダに対する支援が急速に拡大した一方で,日本の現地実施体制の陣容については近年整備されてきたとはいえ微増にとどまっている。
援助協調のため,日本は様々なレベルのウガンダ政府やドナーとの会合に参加している。しかし,会議においては必ずしも活発に発言をしているわけではなく,さらなる積極性を期待するドナーもあり,日本側からの情報発信を希望する声が聞かれた。
ウガンダ政府内の省庁や支援ドナーからは,開発案件の種類・特徴・フェーズ,実施するカウンターパートのキャパシティ・行財政能力などに応じて,ウガンダのニーズに合ったより高い効果が望める支援内容を想定しつつ,財政支援とプロジェクト型支援の連携を図っていくことが望ましい,という意見が現状では大勢を占めた。 |