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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成21年6月10日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆

1.案件概要

(1)供与国名
 フィリピン共和国

(2)案件名
 物流インフラ開発計画

(3)目的・事業内容
 本計画は、フィリピン全国において、フィリピン開発銀行を通じ、地方自治体、民間企業、政府出資企業、協同組合に対し運輸・物流インフラ整備のための中長期資金を融資することにより、物流インフラの整備のための投資活動の促進、物流コスト削減及びそれに伴う物流量増加を図るもの。

(イ) 主要事業内容

 フィリピン開発銀行を通じた融資の対象セクターは以下のとおり。

  • 輸送用船舶
  • 交通システム関連施設
  • 道路整備及び道路補修設備
  • 運搬設備等

(ロ)供与条件

供与限度額 金利 償還(据置)期間 調達条件
303.80億円 1.4% 30(10)年 一般アンタイド

 :コンサルタント部分は金利0.01%を適用。

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

(イ)フィリピン開発銀行がサブプロジェクト選定時に環境社会配慮を行う。

(ロ)外部要因リスク:特になし。

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(イ)開発ニーズ
 フィリピン経済の持続的な成長を維持するためには、海外直接投資の促進が必要であり、そのためには、経済構造改革、インフラ整備を含めた投資環境改善、財政再建、不良債権処理、治安回復によるフィリピン経済への信頼回復等が課題である。このような状況を踏まえると、物流インフラ整備のための中長期資金を融資する本計画のニーズは大きい。

(ロ)我が国の基本政策との関係
 我が国は2008年6月に対フィリピン国別援助計画を改定し、1)雇用機会の創出に向けた持続的経済成長、2)貧困層の自立支援と生活環境改善、3)ミンダナオにおける平和と安定を重点分野としている。本計画は物流インフラ整備のための中長期資金を融資するものであり、上記1)に該当することから、我が国の基本政策とも合致する。

(2)効率性
 本計画の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。

(3)有効性
 本計画の実施により、物流インフラ整備のための投資活動の促進、物流コスト削減及びそれに伴う物流量増加が図られ、フィリピンの持続的な経済成長につながることが期待される。
 また、フィリピンの経済・社会発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書、これまでの国際協力銀行環境社会配慮ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html 他のサイトヘ)、その他国際協力機構より提出された資料。
 案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/anken/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/index.html 他のサイトヘ)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html 他のサイトヘ)を参照。
 なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。

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