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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成20年3月18日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆

1.案件概要

(1)供与国名
 タイ王国

(2)案件名
 バンコク大量輸送網整備計画(パープルライン)(I)

(3)目的・事業内容
 本計画は、バンコクにおける輸送需要の増加を踏まえ、交通渋滞の緩和及び大気汚染の改善を通じて地域経済の発展及び都市環境の改善に資するため、バンコクにおける大量輸送システムの一環としてパープルラインを整備するもの。

供与限度額 金利 償還(据置)期間 調達条件
624.42億円 1.4% 25(7)年 一般アンタイド
(注)コンサルティングサービス部分については、金利年0.01%

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

(イ)EIA(環境影響評価):2007年2月にタイ政府の承認済み。

(ロ)用地取得及び住民移転:約40ヘクタールの用地取得、934世帯の住民移転が発生する見込みであり、国内手続きに従って進められる予定。

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(イ)開発ニーズ
 タイ政府は国家の開発方針として、経済社会開発計画を策定しており、最新の第10次開発計画では、1)人的資源の開発、2)地域社会ベースの発展、3)経済の改革・効率化、4)資源・自然環境の保全、5)行政におけるガバナンスの促進を主要な課題に挙げている。また、バンコク市内においては交通渋滞が深刻化しており、渋滞緩和と環境改善が重要な課題となっている。このような状況を踏まえると、本件のニーズは大きい。

(ロ)我が国の基本政策との関係
 我が国は2006年5月に対タイ経済協力計画を改定し、スキーム別に重点分野を設定している。円借款については、タイの経済・財政状況を踏まえつつ、タイには存在しない高度な技術や我が国の経験・知見を要するものかという点も十分検討した上で、必要な支援を行うこととしている。本計画は、タイからの要請に応じ、渋滞緩和と環境改善に必要なものであることから、我が国の基本政策に整合するといえる。

(2)効率性
 本件の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。

(3)有効性
 本件の実施により、渋滞及び大気汚染の緩和が見込まれる。また、本案件を実施することにより、長期的には、タイにおける経済の発展及び都市環境の改善、さらには我が国との二国間関係の強化が期待される。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html 他のサイトヘ)、その他国際協力銀行より提出された資料。
 案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html 他のサイトヘ)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html 他のサイトヘ)を参照。
 なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。

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