評価年月日 平成19年11月9日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆
1.案件概要
(1)供与国名
ケニア共和国
(2)案件名
モンバサ港開発計画
(3)目的・事業内容
東アフリカの物流拠点として機能するケニアのモンバサ港における取扱貨物の需要増加に対応するため、同港のコンテナターミナルの拡張及び荷役機械の整備等を行うことにより、港湾運営の効率化を図るもの。
供与限度額 | 金利 | 償還(据置)期間 | 調達条件 |
267.11億円 | 0.20% | 40(10)年 | 日本タイド (本邦技術活用条件(STEP)) |
(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
(イ)EIA(環境影響評価):2007年5月にケニア政府の承認済み。
(ロ)用地取得及び住民移転:本事業により11世帯及び孤児院1棟(22人)の移転が発生する見込みであるが、実施機関により住民移転基本計画が策定済み。
(ハ)外部要因リスク:特になし。
2.資金協力案件の評価
(1)必要性
(イ)開発ニーズ
モンバサ港は、ケニア唯一の国際貿易港であり、東アフリカの中で最も規模が大きく、同国における輸出入の拠点としてだけではなく、内陸国(ウガンダ、ブルンジ、ルワンダなど)の港湾機能をも担っている。同港で取扱うコンテナ貨物量は年間約17%の割合で増加しており、現在の同港におけるコンテナ貨物取扱能力、コンテナ船の大型化への対応、港湾へのアクセス性の向上や運営の効率化等の課題がある。このような状況を踏まえると、本案件のニーズは大。
(ロ)我が国の基本政策との関係
我が国は、2003年9月のTICAD IIIにおいて小泉総理から「日本の対アフリカ支援イニシアティブ」を発表し、対アフリカ支援の柱の一つとして「経済成長を通じた貧困削減」を掲げた。また、我が国の対ケニア国別援助計画において、経済インフラ整備を重点分野の一つに掲げている。本案件は経済インフラを整備するものであり、我が国の基本政策に整合する。
(2)効率性
本案件の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。
(3)有効性
本案件の実施によりモンバサ港の貨物取扱量増加によるケニア及び近隣諸国の経済発展、港湾サービスの向上、港湾関連施設の付加価値増加が見込まれ、長期的には同国の経済発展ひいては我が国との二国間関係の増進につながる。
3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用
要請書、F/S、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html )、その他国際協力銀行より提出された資料。
案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html )及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html
)を参照。
なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。