広報・資料 報告書・資料

政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成20年3月4日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆

1.案件概要

(1)供与国名
 インド

(2)案件名
 ホゲナカル上水道整備・フッ素症対策計画

(3)目的・事業内容
 本案件は、インド南部タミルナドゥ州クリシュナギリ地区及びダルマプリ地区において、コーベリ川ホゲナカル地点を取水源とする上水道施設の整備及びフッ素症対策等を行うもの。

供与限度額 金利 償還(据置)期間 調達条件
223.87億円 1.2% 30(10)年 一般アンタイド
コンサルタント部分については金利0.01%を適用。

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

(イ)EIA(環境影響評価):不要。

(ロ)用地取得及び住民移転:用地取得が必要な土地は5.32haであり、近々取得できる見込みである。住民移転は発生しない。

(ハ)外部要因リスク:特になし。

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(イ)開発ニーズ
 本事業の対象地域である二つの地区は、年間降水量が815ミリメートルと少ない(インド平均は1,170ミリメートル)ために年中利用可能な表流水が足りず、人口増加による水需要の増加に伴い、上水需給のアンバランス及び地下水の過剰汲み上げ・枯渇が生じている。また、同地域が位置するデカン高原を形成する岩盤には、フッ素が多量に含まれており、地下水に依存する地域住民の間でフッ素症が発生している。このような状況を踏まえると、本案件のニーズは大きい。

(ロ)我が国の基本政策との関係
 インドに対する我が国の国別援助計画においては、今後の対インドODAの重点目標として、(イ)経済成長の促進(「経済成長を通じた貧困削減」を追及するためのインフラの整備等)、(ロ)貧困・環境問題の改善及び(ハ)人材育成・交流拡大(強固な二国間関係の構築を念頭)を掲げている。本案件は同国の衛生環境の改善という観点から、上記(ロ)に合致しており、我が国の基本政策に整合する。

(2)効率性
 本案件の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。

(3)有効性
 本案件の実施により、急増する水需要に対応する安全かつ安定的な上水道サービスを図り、もって同地域の住民の生活環境の改善に寄与する。また、本件の実施によって経済関係が強化され、二国間関係の増進、さらには我が国の安全と繁栄の確保に資することが期待される。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書、F/S、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html)、その他国際協力銀行より提出された資料。
 案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html)を参照。
 なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る