評価年月日 平成19年8月8日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆
1.案件概要
(1)供与国名
インド
(2)案件名
ゴア州上下水道整備計画
(3)目的・事業内容
本案件は、ゴア州において、サラウリム上水道体系における既存施設の改修・拡張、並びにマルガオ市、マプサ市及び北部海岸地域における下水道施設の新設・拡張等を行うもの。
供与限度額 | 金利 | 償還(据置)期間 | 調達条件 |
228.06億円 | 1.3% | 30(10)年 | 一般アンタイド |
下水道部分のみ | 0.75% | 40(10)年 | 一般アンタイド |
(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
(イ)EIA(環境影響評価):不要。
(ロ)用地取得及び住民移転:用地取得が必要な土地は14.6haであり、2008年1月までには取得できる見込みである。
(ハ)外部要因リスク:特になし。
2.資金協力案件の評価
(1)必要性
(イ)開発ニーズ
ゴア州は、アラビア海に面したインド有数のリゾート観光地を擁する州である。近年の人口増加や観光客の増加に伴い、生活水準の上昇に伴う上水需給アンバランスが深刻化している。また、同州の主要都市の下水道普及率は低く、本案件の対象地域のうち、2つの地域(マプサ市及び北部海岸地域)にはそもそも下水処理場が整備されていないため、衛生環境の悪化を招いている。このような状況を踏まえると、本案件のニーズは大きい。
(ロ)我が国の基本政策との関係
インドに対する我が国の国別援助計画においては、今後の対インドODAの重点目標として、(イ)経済成長の促進(「経済成長を通じた貧困削減」を追及するためのインフラの整備等)、(ロ)貧困・環境問題の改善及び(ハ)人材育成・交流拡大(強固な二国間関係の構築を念頭)を掲げている。本案件は同国のインフラ整備及び保健・衛生、都市環境の整備という観点から、上記(イ)及び(ロ)に合致しており、我が国の基本政策に整合する。
(2)効率性
本案件の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。
(3)有効性
本案件の実施により、対象地域において急増する水需要に対応する安全かつ安定的な上下水道サービスの提供を図り、もって同地域の住民の生活環境の改善に寄与する。また、本件の実施によって経済関係が強化され、二国間関係の増進、さらには我が国の安全と繁栄の確保に資することが期待される。
3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用
要請書、F/S、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html)、その他国際協力銀行より提出された資料。
案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html)を参照。
なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。