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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成20年3月24日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆

1.案件概要

(1)供与国名
 インドネシア共和国

(2)案件名
 ジャワ南線複線化計画(第三期)

(3)目的・事業内容
 本計画は、鉄道輸送能力の向上を図ることを目的として、中部ジャワ州に位置するジャワ南線のチレボン~クロヤ~クトアルジョ間を複線化するもの。

供与限度額 金利 償還(据置)期間 調達条件
188.19億円 1.4% 30(10)年 アンタイド
(注)コンサルティング・サービス部分は金利年0.01%

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

(イ)EIA(環境影響評価):2006年10月に中部ジャワ州の承認済み。

(ロ)用地取得及び住民移転:本計画の実施のための住民移転は19世帯であり、インドネシアの簡易用地取得・住民移転計画等に基づき2008年度予算にて実施予定。

(ハ)外部要因リスク:特になし。

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(イ)開発ニーズ
 ジャワ南線はジャワ島の旅客・貨物輸送を担う主要路線の一つであり、首都ジャカルタから延びる北線のチレボンからジョグジャカルタ、ソロを経由してスラバヤを結ぶ全長602キロメートルの路線である。空路については、空港設備の限界により近年中に飽和状態に達するものと予測されており、道路交通もガソリン価格の高騰、政府のガソリン補助金撤廃等を抱えているため、鉄道路線の需要が今後増加していくと予想される。ジャワ島の主要幹線であるジャカルタとジョグジャカルタ間517キロメートルのうち、複線化が事業化していないのは本計画対象区間のみであり、将来的に輸送需要の増加が予想されていることから、輸送力の増強及び輸送の高速性が必要となっている。このような状況を踏まえると、本件のニーズは大きい。

(ロ)我が国の基本政策との関係
 我が国は2004年11月に策定した「対インドネシア国別援助計画」において、「民間主導の持続的な成長」、「民主的で公正な社会造り」、「平和と安定」のための支援を対インドネシア援助の三つの柱とし、民間主導の持続的な成長のため、財政の持続可能性の確保、投資環境改善のための経済インフラ整備、裾野産業・中小企業振興、経済諸政策整備、金融セクター改革等の支援を掲げている。したがって、本件は我が国の基本政策に整合するといえる。

(2)効率性
 本計画の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。

(3)有効性
 本計画の実施により、インドネシアにおける鉄道輸送能力が向上し、当該地域の投資環境の改善及び経済発展が見込まれる。さらには、インドネシアの経済・社会発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html 他のサイトヘ)、その他国際協力銀行より提出された資料。
 案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html 他のサイトヘ)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html 他のサイトヘ)を参照。
 なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。

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