1.案件名
1-1.供与国名 モーリタニア・イスラム共和国 1-2.案件名 「ヌアクショット水産物衛生管理施設整備計画」 |
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2.水産無償資金協力の必要性
2-1.二国間関係 1960年11月29日、我が国はモーリタニアを承認。我が国は在セネガル大使館が兼轄。モーリタニアは1989年7月、在京大使館開設。 2-2.対象国の経済状況 経済は、農業、漁業及び牧畜を基盤とし、外貨収入は水産物(タコ及びイカ)及び鉄鉱石の輸出に依存。ただし、ヌアクショット沖合で相当量の石油と天然ガスの埋蔵が確認されたところ、今後は石油開発による安定した収入が得られる見込み。 2-3.対象国の開発ニーズ 水産業はモーリタニアの基幹産業であり、水産物輸出額は、同国の輸出総額の約4割を占めている。ヌアクショット周辺では、欧州への輸出水産物であるタイ類、シタビラメ類、ニベ類等が、零細漁業であるピローグ(木製小型カヌー)漁業によって漁獲されており、近年のヌアクショットから欧州等への水産物輸出量は年間約5,000トンに達している。 近年、欧州は水産物輸入に当たって、厳しい衛生検査基準を設定しており、これを受け、モーリタニアでも1996年にEU関連基準に準拠したモーリタニア輸出水産物衛生基準を策定し、水産物輸出に際し、水産物や使用水、加工場等の検査を行い、輸出加工場の認定と輸出水産物衛生証明書の発行を行う輸出関連検査機関(IMROP)を同国北部のヌアディブに設置した。 しかしながらヌアクショットには検査所が整備されておらず、ヌアクショットで水揚げされた輸出向け水産物は、ヌアディブのIMROP検査場まで検体を輸送して検査を実施しているため、水産物輸出の増大に対応する衛生検査を適切に実施することが困難な状況が続いている。 また、ヌアクショット魚市場は、我が国の水産無償資金協力で1995年から96年にかけて建設され、本市場建設によりヌアクショットの水産物水揚げは年間8,000トンから30,000トン以上まで増大し、市場を通じた水産物輸出量は約3,000トンに上っている。本市場はモーリタニア輸出水産物衛生基準策定前に建設されたため、同基準を満たしておらず、衛生基準を勘案した改修を行う必要が生じている。 このような状況のもと、モーリタニア政府は、IMROPのヌアクショット検査場を新規建設するとともに、ヌアクショット魚市場の改修等を行うことにより、輸出水産物関連衛生検査機能の整備、輸出水産物の市場流通機能の改善を行うことを目的として「ヌアクショット水産物衛生管理施設整備計画」を策定し、我が国に対し水産無償資金協力を要請してきたものである。 2-4.我が国の基本政策との関係 対モーリタニア無償資金協力方針で、わが国が想定している重点分野の一つで、基幹産業の1つである水産分野の協力であり、本件実施により水産物輸出の増大が見込めるなど、同国の経済成長に資するものである。 2-5.無償資金協力を実施する理由 モーリタニアは後発開発途上国であり、本件の実施を先方政府は高い優先順位を付して要請してきている。また、我が国で消費される頭足類の多くを供給しているほか、海洋生物資源の持続的利用の立場を取る等、水産分野で良好な関係にある。 |
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3.案件概要
3-1.目的 ヌアクショットに、EUへの水産物輸出基準を満たすため、衛生検査施設等の建設及び、魚市場の改修を行う。 3-2.案件内容 供与限度額は10億1,800万円。衛生検査施設の建設、魚市場の改修、衛生検査のための機材の調達等。 3-3.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点 モーリタニア政府により、次の事項が確保される必要がある。
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4.事前評価に用いた資料、有識者の知見等
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