1.案件名
1-1.供与国名 レソト王国 1-2.案件名 「小学校建設計画」 |
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2.無償資金協力の必要性
2-1.二国間関係 かつては政治的混乱が続いていたが、2001年に新選挙制度が導入され、翌2002年には国際的な選挙監視の下で、平和裡に総選挙が実施されたレソトとわが国との二国間関係は良好である。 2-2.対象国の経済状況 レソトは後発開発途上国の一つであり、南アフリカ共和国の鉱山への出稼ぎ者からの送金に大きく依存している。長期的には、最近の河川の開発により、水や水力発電による電力を南アに販売することで僅かながら上向きになりつつある。農業生産は最近の旱魃等により不安定な状態にある。穀物生産に適している国土は全体の13%のみであり、また、人口増加や過度の放牧により土が痩せ、国内生産高も10%減少している。鉱物生産は1983年の主要ダイアモンド鉱山の閉鎖後下落したが、再び生産を始め、かなり顕著な成長を遂げている。アメリカのアフリカ成長機会法(AGOA)に代表される特恵関税制度、貿易協定などにより、繊維産業等の輸出産業が急速に発達。南アフリカ、アメリカへ向けて輸出される衣料、靴等が拡大した。 2-3.対象国の開発ニーズ 後発開発途上国であるレソトでは、「初等教育無償化プログラム」の政府施策により、初等教育の無償化及び教育の質の向上化に取り組み、2003年現在、1~4年次までの無償化が達成されている。 この初等教育無償化政策により就学希望者は大幅に増加したものの、教室が不足しているため児童は過密な学習環境(63.8人/室 )や教室の代わりにテントを利用あるいは屋外授業を強いられている。このような低質な学習環境に起因する進級率等の内部効率のさらなる低下が危惧されている。政府はかかる状況を憂えているものの、教室建設費用をまかなうだけの予算を確保できないため、慢性的な教室不足の状態が続いている。例えば、本計画の対象地域であるマセル県、ベレア県では約450教室が不足しており、これに同地域の未就学児童約3.3万人を加えて計算(国家計画では1教室50人を想定)すると、不足教室数は合計約1,100教室に達する。 このような状況のもと、レソト政府は特に就学環境の劣悪なマセル県およびベレア県における小学校建設に必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。 2-4.我が国の基本政策との関係 対レソト無償資金協力方針で、わが国が想定している重点分野の一つ「基礎教育」に合致している。 2-5.無償資金協力を実施する理由 レソトは後発開発途上国であり、本件の実施を先方政府は高い優先順位を付して要請してきている。 |
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3.案件概要
3-1.目的 本計画は、最貧困地域であり、教室不足が著しいマセル県およびベレア県において小学校施設を建設することを目的としている。 3-2.案件内容 供与限度額は10億600万円。マセル県およびベレア県の小学校17サイトにおいて、229教室、管理諸室(校長室、職員室、倉庫)、便所、給水施設を建設するもの。 3-3.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点 レソト政府により、次の事項が確保される必要がある。
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4.事前評価に用いた資料、有識者の知見等
(1)レソト政府からの要請書 (2)基本設計調査及び基本設計概要説明調査 (3)第12回無償資金協力実施適正会議にて検討 |