1.案件名
1-1.供与国名 ガーナ共和国 1-2.案件名 「幹線道路改修計画」 |
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2.無償資金協力の必要性
2-1.二国間関係 ガーナとの関係は、ガーナが独立以前「黄金海岸」と呼ばれていた時代に、我が国の野口英世博士が黄熱病研究のため1927年に同国に渡航して以来の長い歴史を有する。両国の友好関係は、1957年のガーナ独立時に外交関係が樹立されて以来続いており、人物交流も活発で、特に近年は、経済協力を中心により緊密化している。ガーナは、サブサハラ地域ではケニアと並び主要な援助対象国であり、ガーナから見ても我が国は最大のドナー国の一つとなっている。留学生数も、サブサハラではケニアに次いで多い。 2-2.対象国の経済状況 経済面では、GDPの4割を占める農業の他、鉱業、水産業を主たる産業とする典型的な一次産品依存国であり、カカオ豆及び金が主な輸出品である。金、カカオ等の輸出に依存していることからも、ガーナ経済は国際貿易環境の影響を受けやすい83年以降、IMF・世銀の構造調整計画に基づく経済復興計画を策定、経済再建に取り組んだ結果、80年代後半から現在まで3~5%のGDP成長率を達成し、サブサハラ・アフリカにおける優等生として評価されてきた。 しかし、99年から主要輸入品である石油価格の高騰や主要輸出品であるカカオ及び金の国際価格の低迷、国内及び対外債務の膨張等により、2000年のインフレ率は最大約40%近くまで急騰、為替レートの急激な悪化も伴い、国内経済は追いつめられた状態となった。こうした中で2000年末に選出されたクフォー大統領は、経済面において「ビジネスの黄金時代」を標榜し、民間セクターの育成や投資促進に力を入れている。また、このような経済状況の悪化を踏まえ、2001年3月、拡大HIPCイニシアティブ適用による債務救済申請を行う政策転換を行い、経済の再建に向けた努力を行っている。 2-3.対象国の開発ニーズ ガーナ政府の策定した長期国家開発政策フレーム「ビジョン2020」において、道路整備は重点事項となっている。ガーナの幹線道路はいずれも損傷が激しく、未舗装道路が道路総延長の半分以上に及ぶなど円滑な運行や物流に支障を来しており、こうした状況を改善するため、ガーナ政府は「ビジョン2020」に基づき「幹線道路投資計画」を策定し、幹線道路整備に取り組んでいる。 2-4.我が国の基本政策との関係 ガーナ国別援助計画における重点分野のひとつである経済インフラ整備に合致。 2-5.無償資金協力を実施する理由 ガーナは後発開発途上国であり、本案件の実施についてガーナ政府から高い優先順位を付して要請が行われている。 |
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3.案件概要
3-1.目的 本計画は、「幹線道路投資計画」の目標である幹線道路整備を推進するため、同国の主要幹線道路である国道1号線を改善するという計画の一部を構成し、円滑な運行の確保及び物流の改善を目的としている。 3-2.案件内容 供与限度額は、37億6,300万円(国庫債務負担行為案件。平成16年度:1.13億円、平成17年度:21.89億円、平成18年度:14.61億円)。国道1号線カソア~ヤモランサ間(約98.2km)のうち、ヤモランサから57km分の道路の改修(拡幅、舗装、排水設備の整備等)。なお、残りのカソアから41km分の道路の改修は、平成15-16年度の国庫債務負担行為案件(供与限度額は27.76億円)として実施中。 3-3.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点 次の事項がガーナ政府によって確保される必要がある。
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4.事前評価に用いた資料、有識者の知見等
(1)先方政府からの要請書、JICA基本設計調査報告書 (2)第11回無償資金協力適正会議にて検討。 |