平成21年3月24日
3月11日から12日、ウィーン国際センターにおいて、第52会期国連麻薬委員会ハイレベル・セグメントが開催され、伊藤信太郎外務副大臣が日本政府代表として出席しました。
(1)この会議は、1998年の国連麻薬特別総会(第20回国連特別総会)で2008年までに達成することを目標に採択された政治宣言について、国連加盟国政府からハイレベルが集まり、その達成状況を評価することを目的に開催されました。会議には、シルビア・スウェーデン女王、モラレス・ボリビア大統領を始め、約130か国から閣僚級の代表を中心とする代表団が参加した他、国際機関、NGO等計1400人が参加しました。
(2)伊藤副大臣はスピーチを行い、その中で、日本として、代替開発等アジアを中心に積極的な国際協力を実施したこと、国内においては、1998年以降5年毎に策定されている国家戦略に基づき徹底した予防対策を実施し、薬物の乱用抑制に成功したことを紹介しました。
また、依然薬物問題は深刻であり、「共有責任」の概念の下で国際的取組を強化する必要があることを指摘し、先ずは不正薬物の生産国、消費国、中継国がそれぞれ必要な国内対策を実施し、各国の知見・経験を活かした国際協力を実施していくことが重要である点を強調しました。
更に、日本としては、国内の予防対策を一層推進するとともに、我が国の経験と知見に基づく国際協力(代替開発支援、合成薬物対策、薬物乱用防止政策の推進など)を推進していく意向であることを表明しました。
伊藤外務副大臣は、ウィーン滞在中、バレンシア・コロンビア内務・法務大臣、アフマディモガッダム・イラン麻薬対策庁長官と二国間会談を行った他、エルバラダイIAEA事務局長、コスタ国連薬物犯罪事務所(UNODC)事務局長など当地に所在する国際機関の長と意見交換を行いました。
(1)バレンシア・コロンビア内務・法務大臣との会談
日・コロンビア間の外交関係樹立100周年及び日本人移住80周年、2月にコロンビアで発生した洪水被害に対し日本が実施した緊急援助、二国間の経済関係等、二国間関係全般について意見交換を行いました。
(2)アフマディモガッダム・イラン麻薬対策庁長官
アフガニスタン支援に関する日本とイランとの協力、その他省エネ分野等日・イラン間の幅広い協力のあり方につき意見交換を行いました。
(3)エルバラダイIAEA事務局長との意見交換
世界的に原子力発電導入への関心が高まる中での原子力の平和利用のあり方のほか、北朝鮮やイランの核問題等につき意見交換を行いました。
(4)コスタUNODC事務局長との会談
薬物問題を含む犯罪全般・テロ対策につき、日本が更なる取組を強化するとともに、この分野で、日本がUNODCと引き続き協力していくことで一致しました。