地球環境

国際自然保護連合(IUCN)
International Union for Conservation of Nature and Natural Resources

平成20年11月

1.名称

 International Union for Conservation of Nature and Natural Resources [自然及び天然資源の保全に関する国際同盟(通称:国際自然保護連合)]

2.本部

 スイス国グラン市

3.設立

 1948年

4.団体の性格

 スイス民法に基づき設立された社団法人

5.代表者

 会長:アショク・コースラ(インド)
 事務局長:ジュリア・マートン=ルフェーブル(米/仏)

6.目的と活動

(1)自然及び天然資源の保全に関わる国家、政府機関、国内及び国際的非政府機関の連合体として、全地球的な野生生物の保護、自然環境・天然資源の保全の分野で専門家による調査研究を行い、関係各方面への勧告・助言、開発途上地域に対する支援等を実施している。

(2)特に、ワシントン条約とラムサール条約とは、関係が深い。ワシントン条約については、附属書改正提案に対する評価を行ったり、アフリカ象の附属書 I から II への格下げを巡り、原産国間の対話を促進している(アフリカ象の附属書 II への格下げを巡っては、自国の個体群の附属書 II への格下げを主張または支持する南アフリカ、ジンバブエ、ナミビア等の南部アフリカ諸国とアフリカ象を種として附属書 I に留めようとするケニア等の対立があり、これが問題を複雑にする大きな要素になっていた)。また、ラムサール条約(湿地の保全に関する条約)においては、事務局業務を行っている。

(3)IUCNが作成する「絶滅のおそれのある生物リスト(レッドリスト)」は、専門家データとして評価されている。

(4)第54回国連総会において国連総会オブザーバー資格を取得した(我が国も本件決議案の共同提案国としてIUCNの国連総会オブザーバー資格の取得を支持した)。

7.会員

 国家会員、政府機関会員、非政府機関会員等に分かれる。2008年11月現在、国家会員86カ国(含む大多数のOECD諸国)、120の政府機関会員及び902の非政府機関会員等が加盟。

8.専門委員会

 IUCNは、世界中の生物多様性の保護に取り組む専門家からなるボランティアネットワークである6つの専門委員会(種の保存委員会、世界保護地域委員会、生態系管理委員会、教育コミュニケーション委員会、環境経済社会政策委員会、環境法委員会)を有している。これらの委員会には、科学と学術分野における主要な権威や、第一線において優れた立場を有する専門家がメンバーとなっている。これらの委員会は、自然保護に関する情報の収集、統合、管理、知識の共有といったIUCNの核となる活動に貢献している。

9.レッドリスト掲載問題

 IUCNの種の保存委員会(Species Survival Commission:SSC)は毎年「絶滅の恐れのある生物リスト(以下レッドリスト)」を作成しており、1996年10月に発表されたものにはまぐろのいくつかの種を含む海洋性魚種が掲載された。我が方は、海洋性魚種が同リストに掲載されていることに関し、魚類に陸上動物と同様のクライテリアを適用することに対しそもそも問題があるとの立場をとっていたところ、第1回世界自然保護会議では、SSCに対し、特に魚類に関しカテゴリーやクライテリアのレビューを早急に行うこと等を要請する決議が採択された。これを受け、SSCではクライテリアのレビューに関する作業を進めており、日本からも水産庁等が専門家を派遣している。

10.我が国の取組み

(1)我が国の加盟状況

 我が国政府は1995年6月に国家会員として加盟。その他政府機関会員として環境省(1978年9月加盟)が、非政府機関会員として21団体が加盟。

 なお、堂本暁子千葉県知事(当時、参議院議員)が1994年より2000年までIUCN理事(兼副会長)を、2000年より2008年まで赤尾元駐タイ大使(日本アセアンセンター事務総長)がIUCN理事を務めた。また、2008年10月の第4回世界自然保護会議において、小池元駐オランダ大使(国連大学学長特別顧問/帝京大学教授)がIUCN理事に当選した(任期は2012年の第5回世界自然保護会議まで。)。

(2)会議への参加

(イ)1994年1月にブエノスアイレスで開催された総会に、我が国はオブザーバーとして参加。

(ロ)1996年10月にモントリオールにて第1回世界自然保護会議(IUCN総会)が開催され、我が国は国家会員として初めて参加。地球規模、各地域、国における生態系保全、エネルギー、漁業、地球環境関連各条約等の決議を採択。

(ハ)2000年10月には、アンマンで第2回世界自然保護会議が開催され、環境保全、野生動植物の保護等に関する決議を採択。

(ニ)2004年11月には、バンコクで第3回世界自然保護会議が開催され、「生態系管理」、「健康、貧困及び自然保全」、「生物多様性の損失と種の絶滅」、「市場、ビジネス及び環境」の4つの大きなテーマの下、約460ものワークショップやシンポジウム等が開催されたほか、100本以上の決議・勧告案の審議・採択等が行われた。

(ホ)2008年10月に、バルセロナで第4回世界自然保護会議が開催され、「多様性があり持続可能な世界」というテーマの下、800以上のワークショップやシンポジウムが開催された。(我が国環境省は日本自然保護協会と共催で"SATOYAMAイニシアティブ"の普及啓発を目的としたシンポジウムを開催。)また、生物多様性保全等に関する136本の決議・勧告が採択された。

(3)IUCNに対する我が国の拠出

 2008年度

  会費(義務的拠出金) 45,769千円(462,311スイス・フラン)

(4)IUCN日本委員会

 IUCN日本委員会は、IUCNに加盟する国内の団体間の連絡協議を目的として1980年に設立されたIUCNの国内委員会の一つであり、2001年10月にIUCN理事会において正式な国内委員会として承認された。2008年11月現在、IUCN日本委員会は、国家会員1(外務省)、政府機関会員1(環境省)及び21の非政府機関会員からなっており、会長は吉田江戸川大学教授で、事務局は日本自然保護協会内におかれている。

(5)親善大使

 国内及びアジア地域におけるIUCNの認知度を上げ活動支援を強化することを目的に、2004年7月にシンガーソングライターのイルカ氏がIUCN初の親善大使に任命された。イルカ氏は2004年11月の第3回世界自然保護会議及び2008年の第4回世界自然保護会議に参加したほか、2005年以降にIUCNの活動をアピールするためのコンサートを開催(於:山梨、大阪)するなど、積極的な活動を続けている。

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