地球環境

環境保護に関する南極条約議定書
Protocol on Environmental Protection to the Antarctic Treaty (Madrid Protocol)

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平成20年12月

1.議定書(本文及び附属書 I からV)の概要

(1)議定書及びその附属書は、南極の環境と生態系を包括的に保護することを目的とするものであり、議定書及び附属書IからIVについては、1991年10月にマドリッドで開催された南極条約特別協議国会議の会合において、また、附属書 V については、同月にボンで開催された南極条約協議国会議の会合において採択された。我が国については、1997年12月15日に寄託国である米国政府に寄託を行い、議定書第23条の規定により、1998年1月14日に効力を生じた。

(2)議定書は、本体、付録、5つの附属書及び末文からなる。議定書本体においては、鉱物資源活動の禁止、査察のための措置、紛争解決手段等が規定され、付録において仲裁手続、附属書 I において環境影響評価の詳細、附属書 II において南極の動物相及び植物相の保存、附属書 III において廃棄物の処分及び廃棄物の処理、附属書 IV において海洋汚染の防止、そして附属書 V において南極特別保護地区等について規定している。

(3)1997年5月28日、本件議定書を担保する国内法として「南極地域の環境保護に関する法律」(以下、「南極環境保護法」という。)が制定された。本議定書及び法律の内容について特筆されるのは、南極地域活動計画の国際的・国内的な環境影響評価の手続きについて規定したことである。南極地域で行われる活動は、議定書により、国際的な環境影響評価手続きとして、軽微又は一時的なものを下回ると判断された場合を除いては、初期の環境影響評価(IEE: Initial Environmental Evaluation)又は包括的な環境影響評価(CEE: Comprehensive Environmental Evaluation)を作成すること、CEEについては、締約国及び環境保護委員会(CEP: Committee for Environmental Protection)に提出し、事前評価を受けることが、また、国内的手続きとしては、「環境保護法」によって、漁業など特定活動を除き、南極でのすべての活動について、計画の主宰者が環境大臣に確認申請書を提出し、確認を受けることがそれぞれ義務づけられた。

2.議定書附属書VIの採択

(1)昨年6月ストックホルムでの南極条約協議国会議において、「環境保護に関する南極条約議定書の附属書VI」(環境上の緊急事態から生じる責任に関する附属書(仮称))が採択された。

(2)本附属書は、議定書第15条及び第16条に基づき、環境上の緊急事態への対応措置及び責任について定めるもの。事業者等が南極で活動中に、環境上の緊急事態を起こした場合の対応措置を義務化し、また、事業者等がかかる措置をとることができず、他の附属書締約国によって代行された場合の費用償還責任を明確化することにより、これまで以上の事故予防を喚起するとともに、万が一事故が生じた場合にも、速やかに対応措置がとられ、南極環境への影響が最小限に食い止められるようにすることを目的としている。

3.環境保護に関する南極条約議定書締約国数(2008年12月現在、33か国)

アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ベラルーシ、ブラジル、ブルガリア、チリ、中国、エクアドル、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、イギリス、アメリカ、ウルグアイ、ウクライナ、ギリシア、ルーマニア、チェコ、カナダ

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