平成21年7月7日
(1)麻生総理大臣との会談・夕食会
気候変動について、麻生総理より、先月発表した中期目標を踏まえ、年末のCOP15に向けた議論を積極的にリードしていく考えであると伝えたのに対し、潘事務総長からは、日本の決意に対する評価と期待が示された。北朝鮮については、麻生総理より、安保理決議の実施や北朝鮮の人権状況の改善について国連の協力への期待を伝え、潘事務総長は支援と努力の意図を表明した。また、潘事務総長のミャンマー訪問を前に、麻生総理から訪問決断への敬意と支持を表明した。更に、麻生総理からは、我が国が国連PKOにより主体的・積極的に参加するため、国連待機制度への登録を行う決定をした旨を伝えた。
(2)中曽根外務大臣との会談・夕食会
北朝鮮について、各国が安保理決議を着実に実施することが重要との認識を共有するとともに、中曽根大臣より、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況は深刻であり、国連と協力していきたい旨を伝えた。ソマリア沖の海賊問題については、中曽根大臣より我が国の取組を説明し、潘事務総長から高い評価が示された。また、軍縮・不拡散について、CTBTの早期発効と2010年NPT運用検討会議の成功に向けて、国連とも連携していくことを確認した。更に、安保理改革については、改革の早期実現が必要との認識で一致し、中曽根大臣は潘事務総長の理解と協力を得て議論を進展させていきたいと述べた。
(3)経済同友会とグローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワークとの朝食会
経済同友会の桜井代表幹事、グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク(GC-JN)の有馬議長をはじめとする企業経営者に対し、潘事務総長から気候変動など地球規模の諸課題への取組の重要性を訴えた。企業経営者からは、新型インフルエンザ対策など我が国官民連携の取組等が紹介された。
(4)東京大学でのタウンミーティング(対話集会)
潘事務総長は、東京大学の約150人の学生に向けて、気候変動、北朝鮮、核軍縮・不拡散、経済・金融危機やミレニアム開発目標(MDGs)を取り上げ、日本を超えて世界の未来のために何ができるか考えてほしいと訴えた。引き続き、国連安保理改革、ミャンマーをはじめ多岐にわたる問題について活発な意見交換を行った。
(5)国連親善大使・サポーターとの懇談
潘事務総長は、国連大学本部で、黒柳徹子ユニセフ親善大使をはじめとする国連諸機関の親善大使・サポーターと懇談し、これまでの活動を通じた多大な支援への謝意を表明した。黒柳親善大使からは、視察を通じて知った途上国の子どもの実情について説明した。
(6)NHK「週刊こどもニュース」への出演
潘事務総長は、子どもたちの質問に答え、国連事務総長としての仕事や、子どもの頃の経験、これから取り組みたいことを説明し、子どもたちへのメッセージとして、大きな夢を持ち、その夢を実現してほしいと呼びかけた。同番組は7月4日に全国放送された。
(7)フジテレビ「めざましテレビ」への出演
高島彩アナウンサーが潘事務総長に対し、気候変動に焦点を当てたインタビューを行った。今後、同番組で子どもたちから地球を守るアイデアを募集し、12月のCOP15で高島アナから潘事務総長に届けることが約束された。同番組は7月2日に全国放送された。
(8)その他
太田公明党代表との会談、鳩山民主党党首との会談、明石康政府代表との朝食会等が行われた。
(1)地球規模の諸課題の解決に向けての日本と国連の連携推進
麻生総理大臣、中曽根外務大臣等との会談では、気候変動、北朝鮮、国連安保理改革、ミャンマー、軍縮・不拡散、海賊問題など主要な課題について意見交換が行われ、地球規模の諸課題の解決に向けて、日本と国連の連携を一層推進していくことが確認された。
(2)国連と国民の幅広い層との対話促進
潘事務総長は、企業経営者、学生、子ども、著名人、メディア、政党など国民の幅広い層との対話の機会を得て、地球規模の諸問題の解決に向けて日本と国連が果たすべき役割の重要性を訴えることができた。