
国際エネルギー機関(International Energy Agency : IEA)の概要
平成24年5月
1.設立
IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)は、第1次石油危機後の1974年に、キッシンジャー米国務長官(当時)の提唱を受けて、OECDの枠内における機関として設立された。事務局所在地はパリ。事務局長は、マリア・ファン・デル・フーフェン(Ms. Maria van der Hoeven)オランダ前経済大臣、(任期:2011年9月~2015年8月)、(前事務局長は田中伸男氏)。
2.加盟国
OECD加盟国(現在34カ国)であって、かつ、備蓄基準(前年の1日当たり石油純輸入量の90日分)を満たすことがIEAに参加する要件。現在の加盟国は、豪州、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、仏、独、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、伊、日本、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、韓国、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国(アルファベット順)の28カ国(OECDに加盟しているが、IEAには未加盟の国はアイスランド、メキシコ、チリ、スロベニア、イスラエル、エストニアの6カ国。現在、チリ、エストニアが加盟申請中。)。
3.目的・活動
加盟国において石油を中心としたエネルギーの安全保障を確立するとともに、中長期的に安定的で持続可能なエネルギー需給構造を確立することを目的として、理事会及び常設部会の定期的開催を通じ、石油供給途絶等緊急時の対応策の整備や、石油市場情報の収集・分析、石油輸入依存低減のための省エネルギー、代替エネルギーの開発・利用促進、非加盟国との協力等について取り組んでいる。
4.日本にとってのIEAの意義
- 石油供給のほとんどを外国に依存する日本は、供給途絶の際、IEAの緊急時対応システムにより裨益するところが大きく、IEAは日本のエネルギー安全保障上、極めて重要。
- 湾岸危機の際には、IEAは、加盟国全体で250万バレル/日相当の石油備蓄取り崩し等を行う緊急時協調対応計画に予め合意し、多国籍軍の対イラク軍事行動開始を受けてこの計画を発動した結果、1970年代の2回の石油危機の時とは異なり、世界の石油消費国経済への影響は極めて限定的なものとなった。
- また、2005年9月2日には、米国におけるハリケーン「カトリーナ」による石油生産・精製能力への被害が及ぼすであろう石油市場に対するグローバルな影響を抑えるため、参加国全体の協調行動として6,000万バレル(日量200万バレル×30日間)の備蓄放出を実施した。
- 更に2011年6月23日、リビア情勢等に起因する世界的な石油情勢のひっ迫の可能性を踏まえ、6,000万バレル(日量200万バレル×30日間)の備蓄放出を決定した。
- 近年、原油価格の変動がかつてなく大きくなっており、今後、持続可能な経済成長を実現するためには、世界を取り巻くエネルギーの中長期的な需給見通しや産油国の動向等を迅速かつ正確に把握することが日本にとって重要な課題となっているところ、IEAや加盟国との連携・協力が不可欠である。
- 日本は、IEA諸活動に積極的に参加しており、日本の分担金分担率は米国に次ぎ第2位(2011年、14.538%)、なお、IEAの職員数約230名のうち邦人職員は13名(2012年3月現在)。
5.意思決定機関
- 全加盟国の代表より構成される理事会(Governing Board:GB)がIEAの最高意思決定機関として各種決定・勧告の採択を行う。
- IEAは、定期的に閣僚理事会を開催(原則として2年毎)しており、2011年10月には第23回閣僚理事会がファーガソン豪資源エネルギー観光大臣を議長にパリにて開催された。