中東

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イエメン共和国国旗

国名:イエメン共和国
Republic of Yemen

2010年1月現在

一般事情

1.面積

55.5万平方キロメートル(日本の約1.5倍弱)

2.人口

約2,238万人(日本の約6分の1)(2007年/ 世銀)

3.首都

サヌア

4.民族

主としてアラブ人。

5.言語

アラビア語

6.宗教

イスラム教(スンニー派及びシーア派(ザイド派))

7.略史

年月 略史
紀元前10世紀以前〜 古代イエメン地方に南アラビア文明が栄える
9世紀〜 ザイイド派(シーア派の一派)のイマーム(宗教指導者)が支配
16世紀〜17世紀 オスマン・トルコが支配
1918年 オスマン・トルコからイエメン王国独立→1962年共和国革命により王制が廃止され、イエメン・アラブ共和国樹立(旧北イエメン)
1967年 英国から南イエメン人民共和国が独立。→1969年共産主義政権が成立し、1970年にイエメン民主人民共和国と国名を改める(旧南イエメン)
1989年11月30日 アデン合意により南北統一への途が開かれる
1990年5月22日 南北イエメン統合により現在のイエメン共和国が成立。

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

アリー・アブドッラー・サーレハ大統領

3.議会

 人民代表院による一院制。議員数301名、任期6年で立法権を有する。この他に大統領任命による111名の議員からなる諮問評議会があるが、立法権はなく大統領への助言機関と位置づけられている。なお、イスラム政党も認可されている。

4.政府

(1)首相 アリー・ムハンマド・ムジャッワル

(2)外相 アブー・バクル・アブドッラー・アル=カルビー

5.内政

(1)上記「一般事情」7.略史のとおり、1990年に南北イエメンが統合されイエメン共和国が成立したものの、1994年には再び内戦(2ヶ月)が発生し、旧北イエメン側の勝利により内戦は終了、統合は維持された。以後は民主化プロセスが進展(以下(3)参照)している。2006年9月の第二回大統領選挙でもサーレハ大統領が77%の得票率で再選された。

(2)一方で、イエメンは治安上の課題を抱えており、イスラム過激派等によるテロ事件が発生している。2000年のアデン沖での米駆逐艦爆破事件、2002年のムカッラ沖での仏船籍タンカー爆弾テロ事件、2007年マアリブ州での自動車爆弾テロ事件、2008年在イエメン米国大使館襲撃事件等があり、2009年には1月にイエメンとサウジの過激派の統合による「アラビア半島のアル・カーイダ」結成が発表されると、同組織は、3月には韓国人を標的とした2件の自爆テロ事件、8月にはサウジアラビア内務次官への自爆テロ事件(同次官は軽傷)、12月には米航空機爆破未遂事件への関与を表明した。。また2004年から北部のサアダ州でシーア派の一派であるザイド派の武装勢力と政府軍の間で武力紛争が断続的に発生。2008年7月停戦合意後も局地的な戦闘は続き、2009年8月に6度目となる大規模武力紛争が発生、国内避難民は推定で約16万人に及んでいる。11月には武装勢力は国境を越えてサウジアラビアに侵入し、同国空軍が空爆した(2009年12月サウジは国境地帯での大規模掃討作戦の終結を宣言)。さらに、これら過激派とは別に、イエメンは部族社会であり、政府との交渉のカードとするために部族による外国人誘拐事件が発生している。2008年5月にはマアリブ州にて邦人観光客2名(翌日解放)が、サヌア州で2009年11月には邦人経済協力関係者1名(8日後解放)が誘拐された。加えて、特に2009年4月からは、南部諸州(旧南イエメン)において経済・社会的な冷遇を不満とする反政府デモが頻発するなど、治安の安定が内政上の大きな課題となっている。このためイエメン政府は米国等から治安協力を得つつ、過激派対策等治安向上に取り組んでいる。治安の安定を図りつつ、欧米ドナー諸国、GCC各国からの援助を効率的に活用することにより貧困削減、経済開発、地域間格差解消(特に旧南北間格差)等を進めることが内政の安定を維持する上での大きな課題となっている。

(3)近年、ソマリア情勢に起因する海賊がアデン湾にて頻発しており、イエメンも沿岸国として海賊取り締まりに努力している。また、イエメンはソマリア等からの難民の受け入れも行っている。

(4)イエメン共和国成立(1990年5月)以降、アラビア半島諸国において唯一共和制をとり、以下のとおり、他の諸国に先駆けて民主化を進めている。

1993年4月27日 第一回総選挙実施(普通選挙、女性参政権あり)

1994年10月1日 改正憲法公布

1997年4月29日 第二回総選挙実施

1999年9月23日 国民直接投票による第一回大統領選挙実施

2001年2月20日 第一回地方評議会選挙及び憲法改正に関する国民投票実施

2003年4月27日 第三回総選挙実施

2006年9月20日 第二回大統領選挙及び第二回地方評議会選挙実施

2008年5月17日 第一回州知事及びサヌア市長選挙

外交・国防

1.外交基本方針

(1)アラブ・イスラム世界との連帯強化を目指す。特に、サウジ等湾岸協力理事会(GCC)諸国との更なる協力関係の増進を図りつつ、GCCへの完全加盟を目指す。また、中東和平の関係では、パレスチナ内部の融和のための仲介に努力している。

(2)テロ対策、海賊対策、経済構造調整、貧困削減、民主化等において欧米諸国との関係強化を目指す。特に治安協力を中心に米との関係強化を重視。

2.軍事力

(1)予算 1,790億イエメン・リアル(2007年/ Military Balance 2007

(2)兵役 2年

(3)兵力 66,700人(陸60,000、海1,700、空5,000)

経済

1.主要産業

石油、農業、漁業

2.一人当たりGNI

950ドル(2008年/世銀)

3.経常収支

13.3億ドルの赤字(2007年/ イエメン政府統計局)

4.予算(2009年度)

(1)歳入 約1.5兆イエメン・リアル(イエメン財務省)

(2)歳出 約1.9兆イエメン・リアル(イエメン財務省)

5.金・外貨準備高(金を除く)

56.9億ドル(2007年推定/ Economist Country Report 2007

6.対外債務残高

58.9億ドル(2008年推定/ イエメン中央銀行)

7.総貿易額

(1)輸出(FOB) 61.1億ドル(2007年/ イエメン政府統計局)

(2)輸入(FOB) 85.1億ドル(2007年/ イエメン政府統計局)

8.主要貿易品目

(1)輸出 石油、コーヒー、魚介類

(2)輸入 食料品及び動物(食用)、機械類、化学製品

9.主要貿易相手国 (2007年/IMF)

(1)輸出 中国、インド、タイ(日本は第7位)

(2)輸入 アラブ首長国連邦、中国、サウジ(日本は第9位)

10.通貨

イエメン・リアル(YR)

11.為替レート

1$=199.1イエメン・リアル

12.経済概況

  • 輸出の9割、財政収入の6割強を占め経済の柱である石油生産は約30万B/D(2008年BP統計)。近年石油生産量が低下し続けており、世銀は2017年頃には石油は枯渇すると予測。石油代替として天然ガスの開発に取り組み、2009年10月からLNG生産・輸出開始。生産量は年間最大で690万トンで韓国、次いで米国にも輸出予定。ただし、このLNG生産をもってしても石油生産の減少による財政収入減を補填できないとの見方が有力。雇用の確保のためにも、非エネルギー産業(漁業、観光等)の振興が急務。
  • 貧困国であり開発需要は大。2006年にはミレニアム開発目標(MDGs)の実現に向けて、第三次5カ年計画と2002年作成の貧困削減戦略文書(PRSP)を統合した第三次貧困削減開発計画(2006年-2010年)を策定。2006年11月、ロンドンで開催された対イエメン支援国(CG)会合では、このようなイエメンの開発に向けた姿勢・努力が評価され、欧米ドナー諸国、GCC諸国・機関を中心に総額47億ドル(後に53億ドルに増額)にのぼる支援のプレッジ(拠出誓約)がなされた。 全体の半分にあたる約26億ドルがGCC諸国からのプレッジ。
  • IMF、世銀の支援を受け、痛みを伴う経済構造改革プログラム実施中。但し、国内的には依然反発の声がある。 また、産業振興のために、政府としても外国投資の誘致に力を入れ始めているが、投資環境整備、治安の安定が課題となっている。

経済協力

1.日本の援助実績

(1)無償資金協力(1997〜2008年度まで、交換公文ベース) 613.58億円

(2)技術協力実績(1997〜2008年度まで、JICA経費実績ベース) 88.95億円

(3)有償資金協力(1977〜1989年度まで(除く債務救済)、交換公文ベース)608.49億円

2.主要援助国(2007年)

(1)独 (2)蘭 (3)英 (4)米 (5)日

3.無償資金・技術協力

 人的資源開発、社会・経済基盤整備、保健医療といった基礎生活分野を中心に無償資金協力、技術協力(研修員受入、専門家、海外青年協力隊派遣等)、国際機関を通じた各種資金協力を実施。
 また、近年のソマリア沖・アデン湾での海賊頻発を受けて、新たにイエメンの海上保安能力向上のためのJICAを通じた研修を行っており、イエメン沿岸警備隊(YCG)から、2008年2名、2009年6名の職員が同研修に参加した。また我が国は、国際海事局(IMO)に対して、海賊情報センター(イエメン、ケニア、タンザニア)、訓練センター(ジブチ)設置のための支援として14億円を拠出。我が国はさらなるYCG支援を検討中。
 無償資金協力としては、小中学校建設計画やノンプロジェクト無償、貧困農民支援を実施。さらに草の根無償についても積極的に支援(2009年度は18件を予定)。
 加えて、2008年には東部で生じた洪水被害に対して緊急援助物資と緊急無償資金協力を行い、また2009年には北部での武力紛争により発生した国内避難民支援として緊急無償資金協力を実施した。さらに2008年及び2009年には、イエメンの難民受け入れ支援としてUNHCR経由で資金協力を実施。

二国間関係

1.政治関係

(1)1990年5月22日の新国家成立に伴い、同23日、国家承認。同25日、外交関係開設。(なお、新国家成立以前には、旧南北イエメンそれぞれを国家承認し、外交関係を有していた。)

(2)1990年7月、アデン出張駐在官事務所を開設したが、1997年12月に閉鎖。

(3)1987年11月、日本・イエメン友好議員連盟設立(休止中)。イエメン側は、2000年9月イエメン・日本友好議員連盟設立(会長:バーシャー議員)。

(4)1990年11月、イエメン・日本友好協会設立(会長:アドバーン氏(実業家))。日本側は、1996年12月、日本・イエメン友好協会設立

(5)1999年3月、サーレハ大統領がイエメン大統領として初めて来日。その後2005年11月に再度来日。

2.経済関係

対日貿易

(1)貿易額(2007年/ イエメン政府統計局)
対日輸出 3.7億ドル
対日輸入 1.8億ドル
(2)主要品目
輸出 石油、コーヒー等
輸入 機械類、自動車等

3.文化関係

2004年我が国は沖縄舞踊公演、日本版画展、日本映画祭を、2005年には伝統能の公演や空手ミッションの派遣を実施。2007年、2008年、2009年とサヌアにて「日本文化週間」を開催し(2009年についてはイエメン第二の都市であるアデンでも開催)、好評を博した。また2005年、イエメンは愛・地球博に参加した。

4.在留邦人数

71人(2009年1月現在)

5.要人往来

(1)往訪(1974年以降)
年月 要人名
1974年1月 小坂善太郎特使
1975年8月 羽田野忠文外務政務次官
1983年7月 石川要三外務政務次官
1985年7月 左藤恵郵政相
1987年9月 江藤隆美特使(革命25周年記念)
2000年5月 小沢辰夫特使(統一10周年記念)
2000年9月 福田康夫日・イエメン友好協会会長(当時)
2001年8月 丸谷佳織外務大臣政務官
2002年9月 杉浦正健外務副大臣
2005年3月 河井克行外務大臣政務官
2006年7月 伊藤信太郎外務大臣政務官
2008年6月 宇野治外務大臣政務官
2009年12月 尾辻元厚生労働相
(2)来訪(1987年以降、主要なもののみ)
年月 要人名
1987年10月 イリヤーニ副首相兼外相(外務省賓客)
1990年11月 アブドルガニー大統領評議会メンバー(即位の礼)
1993年11月 イリヤーニ計画・開発大臣(外務省賓客)
1996年12月 イリヤーニ副首相兼外相(外務省賓客)
1997年11月 シュアイビー教育大臣(世銀招聘)
1998年2月 フセイン水産資源大臣
1998年5月 ワジーフ石油鉱物資源大臣
1999年3月 サーレハ大統領(公式実務訪問)
1999年8月 ワジーフ石油鉱物資源大臣
2001年11月 アハマディー漁業資源相
2002年1月 スーファーン計画開発相
2002年3月 カルビー外相(外務省賓客)
2004年3月 イリヤーニ水・環境大臣
2005年2月 アルシャリーフ最高選挙委員長(外務省招聘)
2005年11月 サーレハ大統領(実務訪問賓客)
2007年8月 ウバード青年・スポーツ大臣
2008年3月 バハーハ石油鉱物資源大臣
2008年4月 アルハビー副首相(経済担当)兼計画・国際協力大臣
2008年6月 アクワ外務次官補(外務省招待)
2009年2月 アッタール投資庁長官(外務省招待)
2009年11月 ラーシウ沿岸警備隊長官(外務省招待)
2009年12月 ムタワッキル産業・貿易大臣(日・アラブ経済フォーラム出席)

6.二国間条約・取極

1989年9月 青年海外協力隊派遣取極締結
1993年7月29日 青年海外協力隊派遣取極の改定
1993年11月9日 技術協力協定の締結

7.外交使節

(1)敏蔭正一特命全権大使

(2)マルワン・アブドッラー・アブドゥル・ワッハーブ・ノーマン特命全権大使

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