ベネズエラ・ボリバル共和国

基礎データ

令和8年4月9日
ベネズエラ・ボリバル共和国国旗

一般事情

1 面積

912,050平方キロメートル(日本の約2.4倍)

2 人口

2,646万人(2024年、IMF)

3 首都

カラカス

4 民族

不明

5 言語

スペイン語(公用語)及び先住民族の諸言語

6 宗教

国民の大多数はカトリック

7 略史

年月 略史
1811年 スペインより独立
1819年 大コロンビア共和国成立
1830年 同国から分離、ベネズエラ共和国として独立
1958年 民主制復帰、以後選挙により大統領を選出
1999年12月 新憲法発効により、国名がベネズエラ・ボリバル共和国となる
2013年3月 14年間大統領を務めたチャベス大統領(ベネズエラ社会主義統一党)が任期途中で死去
2013年4月 マドゥーロ大統領(ベネズエラ社会主義統一党)が就任
2019年1月 マドゥーロ大統領「就任式」
グアイド国会議長が暫定大統領就任を宣誓
2025年1月 マドゥーロ大統領「就任式」
2026年1月 ロドリゲス副大統領が大統領代行就任を宣誓

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

  • デルシー・ロドリゲス大統領代行
  • (注)2026年1月5日、米国によるマドゥーロ大統領の身柄拘束を受け、大統領代行として宣誓。
  • (注)なお、マドゥーロ大統領が勝利したとする2024年の大統領選挙は、国内外から票の集計を含む選挙プロセスの透明性に疑義が呈されており、日本政府も、投票結果の信頼性を裏付ける上で必要な全ての情報が公表され、選挙プロセスの透明性が確保されることを求めてきた。

3 議会

一院制(285議席、任期5年、連続再選可)

4 政府

  • (1)首相名 首相職無し
  • (2)外相名 イバン・エドゥアルド・ヒル・ピント外相

5 内政

  • (1)ベネズエラでは1958年以降、二大政党による民主的な政治体制が継続してきた。しかし、これら二大政党は、国内の貧困問題に対して効果的な政策を実施してこなかったことから、低所得者層を中心に国民の不満が高まっていた。
    1999年2月、低所得者層の高い支持を得てチャベス大統領が就任。チャベス大統領は、「21世紀の社会主義」建設を標榜し、新憲法の制定、低所得層支援の推進、ベネズエラ石油公社(PDVSA)の掌握を通じた経済活動の国家管理等を行い、体制を強化した。
    2012年12月、チャベス大統領は、自身の癌を理由にマドゥーロ副大統領を実質的な後継者として指名した。2013年3月、同大統領の逝去が発表された。
  • (2)2013年4月、大統領選挙が実施され、チャベス政権を継承するマドゥーロ与党候補が勝利を収め、マドゥ-ロ政権が発足した。同政権は、チャベス大統領の政策路線を踏襲してきたが、治安や経済情勢の悪化が進み、国民の不満が高まり、2015年12月に行われた国会議員選挙では、野党が3分の2の議席を獲得し国会の多数を占めた。これに対し、2017年1月、最高裁は国会の権限を事実上無効化し、5月にマドゥーロ大統領は制憲議会の召集を発表。同年7月、国内外から批判が高まり、野党側がボイコットする中で制憲議会選挙が実施され、政権側が全議席を獲得、8月に同議会が発足し、立法権を行使した。
  • (3)2018年5月、選挙の条件が公平性を欠くとして主要野党不参加の中、大統領選挙が実施され、全国選挙評議会(CNE)がマドゥーロ大統領の勝利を発表。同大統領選挙プロセスの正当性につきG7、中南米諸国、欧州諸国を含む国内外から疑義が呈される中、2019年1月に大統領「就任式」が実施された。同月、グアイド国会議長は、憲法の規定に基づき暫定大統領就任を宣誓。55か国以上が同暫定大統領を承認・支持し、政権側と野党側の間の対立は激化。その間、事態の解決のため、同年5月及び7月には、ノルウェーの仲介により与野党間交渉も実施されたが、交渉プロセスは中断し、同年9月、グアイド国会議長(暫定大統領)は、政権側が交渉継続を拒否したとして同プロセスの終了を発表。
  • (4)2020年12月、選挙実施手続きに疑義があるとして主要野党が不参加の中、国会議員選挙が実施されマドゥーロ政権側政党が勝利を宣言した。 G7、中南米諸国、欧州諸国を含む国内外から選挙手続きに疑義が表明されたが、2021年1月より、マドゥーロ政権側与党が多数を占める国会が開始。2021年 8月から、事態の解決に向け、ノルウェーの仲介によってメキシコにおいて与野党間の対話が開始された。
  • (5)2023年10月、バルバドスにおいて、2024年大統領選挙を始めとする自由で公正な選挙実施に向けた政治分野の与野党合意がなされた。2024年7月、大統領選挙が実施され、マドゥーロ大統領が勝利宣言するも、選挙プロセスの透明性に国内外から疑義が呈された。しかし、マドゥーロ大統領は最高裁に対し、選挙プロセスに関する全ての事案を明らかにするようにとの申立を行い、これに対し最高裁は、CNEによる「マドゥーロ大統領が勝利した」との発表を選挙結果として認定する旨発表、それを受けて2025年1月に大統領「就任式」が実施された。
  • (6)2025年8月以降、麻薬カルテルによる脅威に対処するためとして、米軍がカリブ海にて作戦を展開し、複数回にわたり麻薬密輸船とみられる船舶への攻撃を実施する等、ベネズエラ・米国関係が緊張。2026年1月3日、首都カラカスを中心に軍事施設等が米軍により攻撃され、マドゥーロ大統領夫妻の身柄が拘束された。1月5日、ロドリゲス副大統領が大統領代行として宣誓。
  • (7)2014年以降、政治社会情勢やインフラ悪化によりベネズエラ国民の国外流出が増加。特に、2017年~2019年の一連の情勢悪化を背景に急増し、約780万人のベネズエラ国民が近隣諸国(特にコロンビア、ペルー、チリ、米国等)に流出。近年、近隣諸国における移民政策の変更等を受けて、帰還民も増えており、2026年3月現在、移民・避難民数は約690万人となっている(出所:R4V)。

外交・国防

1 外交基本方針

 チャベス元大統領は、豊富な石油資源を活用して多極的な外交を展開し、中南米地域においては、中南米における協力枠組として、米州ボリバル代替統合構想(ALBA)(現在の名称は米州ボリバル同盟)やペトロカリベを創設した他、南米諸国連合(UNASUR)やラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)の創設にも重要な役割を果たした。ベネズエラは、2012年7月にメルコスールに正式加盟したが、その後メルコスール原加盟国との間で軋轢が生じ、2016年12月から現在に至るまで加盟資格停止中。さらに、2017年5月、ベネズエラは米州機構(OAS)におけるベネズエラ情勢に関する外相協議会の決定を受け、OASからの脱退を表明。また、2024年7月の大統領選挙の結果をめぐって域内国との関係が悪化し、隣国ガイアナとの間では、長年にわたり、エセキボ地域をめぐって領土係争を抱えている。

 マドゥーロ政権及びそれを引き継ぐロドリゲス暫定政権は、平和、統合、多極的世界、連帯、経済的補完性の擁護等を重視するボリバル平和外交を提唱し、その方針の下、CELAC、ALBA、ペトロカリベ等の協力枠組の強化とともに、域外国では中国、ロシア、イラン、アフリカ諸国をはじめとする非同盟運動(NAM)、国連憲章を守るフレンズ・グループ等との関係強化に努めており、BRICSへの加盟意向も表明している。また、2019年8月には、北朝鮮にベネズエラ大使館を開設。

 米国との関係については、チャベス政権以前の親米路線から一転して、チャベス政権及びそれを引き継いだマドゥーロ政権は、反米の急先鋒として度々米国批判を展開してきた。一方、米国は、2017年以降、対ベネズエラ経済制裁を実施。マドゥーロ大統領を含むベネズエラ政府関係者等に対する個人制裁の他、2019年1月にはPDVSAと米国民との金融取引等又は米国内での金融取引等を禁止し、同年8月にはベネズエラ政府と米国民との金融取引等又は米国内での金融取引等を禁止するなど、制裁を一層強化。2019年2月、マドゥーロ政権は、米国との外交関係の断絶を発表、同年3月に在ベネズエラ米国大使館が閉鎖。バイデン政権期には、与野党対話や米国との二国間交渉の動きもあり、一部制裁が緩和されたが、2024年7月の大統領選挙の不正を理由に新たな制裁が発表されるなど再び関係は悪化した。

 第2期トランプ政権はマドゥーロ政権への圧力を強化し、2026年1月には米軍がベネズエラを攻撃してマドゥーロ大統領夫妻の身柄を拘束。これを受けて大統領代行に就任したロドリゲス副大統領は、米国が主導する(1)石油資金の管理含めた「国の安定化」、(2)市場への公平なアクセス、和解プロセスの開始を含めた「復興」、(3)「政権移行」の3段階プロセスに協力する姿勢を示し、米国との関係も改善。1月末に米国臨時代理大使がカラカスに着任、3月には両国の外交・領事関係の再開が決定し、両国大使館が正式に再開した。

2 軍事力

  • (1)国防支出 不明
  • (2)兵役 なし
  • (3)兵力 123,000人(陸軍63,000人、海軍25,500人、空軍11,500人、国家警備軍23,000人)

The Military Balance 2024年)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

通信業、不動産業、石油事業、製造業(食料、プラスチック等)

2 GDP

827.7億ドル(2025年:IMF推定値)

3 一人当たりGDP

3,100ドル(2025年:IMF推定値)

4 GDP成長率

0.5%(2025年:IMF推定値)

5 物価上昇率

475.28%(2025年:ベネズエラ中銀)

6 失業率

不明

7 総貿易額

  • (1)輸出 267.85億ドル(2025年:ベネズエラ中銀)
  • (2)輸入 179.52億ドル(2025年:ベネズエラ中銀)

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 石油を含む鉱物、金属類、化学品、農産物(2018年暫定値、ベネズエラ国立統計院)
  • (2)輸入 農畜産品、食料・飲料、機械・電子機器、化学品、金属類(2018年暫定値、ベネズエラ国立統計院)

9 主要貿易相手国

  • (1)輸出 アラブ首長国連邦、トルコ、ブラジル、米国、コロンビア(2018年暫定値、ベネズエラ国立統計院)
  • (2)輸入 米国、中国、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン(2017年暫定値 ベネズエラ国立統計院)

10 通貨

ボリバル

11 為替レート

1米ドル=466.60ボリバル(2026年3月26日時点)(注)入札式の変動相場制により毎週入札にて決定。

12 経済概況

(1)資源

 べネズエラは、世界有数の石油産出国であり、同国経済は、石油収入に大きく依存している。原油の確認埋蔵量は、2021年時点の統計では、オリノコ川北岸の超重質油(オリノコタール)も含め、3,038億バレル(2020年、BP統計(2021))と世界第1位を誇るとされている。

 天然ガスの確認埋蔵量は2021年時点の統計では、6.3兆立方メートル(2020年、BP統計(2021))と世界第7位で、この他にも、鉄鉱石、ボーキサイト、金、ダイヤモンド等を豊富に産出する。

(2)チャベス政権成立以降の動き

 チャベス大統領は、2001年11月以降、炭化水素基本法、土地及び農村開発法など、国家経済の根幹に関わる49の法律を制定して改革を推し進めた。これに対し、民間部門は強硬に反対し、大規模ゼネスト等が相次いで発生。その結果、2002年の経済実績は大幅に悪化した。その後は、原油価格の高騰に後押しされる形で、経済成長を遂げたものの、2008年後半からは、国際原油価格の急落や国際経済危機の影響を受けた。2014年に再び原油価格が急落し、経済が苦境に陥った。

 2006年以降、チャベス大統領は、ベネズエラ石油公社(PDVSA)、セメント産業、鉄鋼会社等の国有化を推し進めた。

 2017年11月以降、ハイパーインフレーションが継続。GDPは2014年以降マイナス成長となり、マドゥーロ政権発足後、GDPは約75%減少した。不安定な経済運営により現在に至るまで南米で最も高いインフレ率等の問題を抱えており、2025年の年間インフレ率は475.3%を記録した(出所:ベネズエラ中央銀行)。

 2026年1月のロドリゲス大統領代行就任以降、ベネズエラ国会が石油産業への民間参入の促進を目的とした炭化水素基本法の改正法案を全会一致で可決する等、経済の構造的改革に取り組む姿勢を見せている。

経済協力(単位 億円)

1 日本の援助実績

  • (1)有償資金協力(2023年度まで) 実績なし
  • (2)無償資金協力(2023年度まで、ENベース) 32.99億円
  • (3)技術協力実績(2023年度まで、JICAベース) 108.48億円
  • (注)日本は、2017年以降、ベネズエラ避難民への支援として、ベネズエラ国内及びコロンビア、ペルー、エクアドル、ブラジル等の周辺国に対して、計1.3億ドル以上の関連支援を実施(2026年3月時点)。

2 主要援助国(2022年、DAC)

  • (1)米国
  • (2)カナダ
  • (3)スイス
  • (4)ドイツ
  • (5)スペイン

二国間関係

1 外交関係

1938年8月19日
外交関係開始
1941年
外交関係中断
1952年
外交関係再開

2 経済関係

対日貿易
貿易額(2025年)及び主要品目(出典:財務省貿易統計)
対日輸出 71億円(カカオ、アルミニウム、非鉄金属くず)
対日輸入 104億円(大部分が自動車を含む機械及び輸送用機器)

3 文化関係

毎年、首都カラカス及び地方各地で日本文化週間を実施。ベネズエラでは日本文化は高い人気を誇り、空手を始めとする武道や盆栽、折り紙、アニメ等のPOPカルチャーについては、現地の団体が精力的に活動。また、ベネズエラでは野球が盛んであり、多くのベネズエラ人選手が日本で活躍するとともに、日本から訪れたチームがベネズエラ代表と試合を行う等の交流も行われている。2024年には、草の根文化無償協力により、地元のテレビ局に放送機材を提供。

4 在留邦人数

203人(2025年10月現在)

5 在日ベネズエラ人数

731人(2025年6月現在)

6 要人往来

(1)往(1984年以降)
年月 要人名
1984年2月 森下特派大使(大統領就任式)
1986年1月 桜内衆議院議員、稲葉衆議院議員
1987年9月 倉成外務大臣
1989年2月 山下特派大使(大統領就任式)
1990年7月 土屋参議院議長
1992年7月 皇太子殿下
1992年9月 小渕衆議院議員
1993年4月 武藤外務大臣
1994年1月 山下衆議院議員(日本・ベネズエラ友好議連会長)
1997年7月 逢沢衆議院外務委員長
1999年2月 平沼特派大使(大統領就任式)
2008年6月 西村衆議院議員、山際衆議院議員、近藤衆議院議員
2008年11月 西村外務大臣政務官
2009年10月 内藤総務副大臣(総理大臣特使)
2010年4月 武正外務副大臣
2011年2月 松下経済産業副大臣
(2)来(1985年以降)
年月 要人名
1985年 ペレス元大統領
1987年5月 アスプルア蔵相
1987年11月 ウルタード投資基金総裁
1988年4月 ルシンチ大統領訪日(国賓)(国交樹立50周年にあたる)
1989年2月 テヘラ・パリス外相(大喪の礼)
1990年11月 モラレス・ベージョ国会議長(即位の礼)
1991年4月 ロドリゲス経企相
シスネロス勧業相
トーレス投資基金総裁
1991年10月 シスネロス勧業相
1991年12月 スクレ・ガイアナ開発公社総裁
1992年10月 パラ・エネルギー鉱山相
1993年10月 オチョア外相(外賓)
1995年10月 マトス・アソカル蔵相
1996年8月 ポレト投資基金総裁
イナティ・ガイアナ開発公社総裁
1997年2月 ブレリ・リバス外相(外賓)
1997年10月 ペトコフ経企相
ロハス・パラ通産相
1997年12月 アリエッタ・エネルギー鉱山相
マルティネス環境天然資源相
1999年10月 チャベス大統領(非公式)
2001年3月 ガルシア・ベネズエラ日本友好議連会長一行
2002年9月 ラミーレス・エネルギー鉱山相
2003年8月 ロドリゲス・ベネズエラ石油公社(PDVSA)総裁
2004年5月 ロハス・ベネズエラ石油公社(PDVSA)副総裁
2005年6月 ファリア環境・天然資源相(博覧会賓客)
2009年3月 ラミーレス・エネルギー石油相
2009年4月 チャベス大統領、ラミーレス・エネルギー石油相他
2009年5月 ラミーレス・エネルギー石油相
2009年7月 チャコン科学技術・中工業相
2009年9月 モレホン観光相
2010年2月 ラミーレス・エネルギー石油相
2011年12月 ラミーレス石油鉱業相
2012年4月 ラミーレス石油鉱業相
2013年6月 ラミーレス石油鉱業相
2021年7月 マルドナド・青年スポーツ相(東京2020オリンピック競技大会)
2021年8月 マルドナド・青年スポーツ相兼社会主義的社会・領土開発担当副大統領(東京2020パラリンピック競技大会)

7 二国間条約・取極

  • 1988年4月 技術協力協定
  • 2000年10月 青年協力隊派遣取極
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