トルコ共和国

トルコ共和国(Republic of Turkey)

基礎データ

平成28年6月3日

  • トルコ共和国国旗

一般事情

1 面積

780,576平方キロメートル(日本の約2倍)

2 人口

78,741,053人(2015年,トルコ国家統計庁)

3 首都

アンカラ

4 民族

トルコ人
(南東部を中心にクルド人,その他アルメニア人,ギリシャ人,ユダヤ人等)

5 言語

トルコ語(公用語)

6 宗教

イスラム教(スンニ派,アレヴィー派)が大部分を占める。
その他ギリシャ正教徒,アルメニア正教徒,ユダヤ教徒等。

7 略史

年月 略史
1299年 オスマン帝国成立
(最盛期にはバルカン,アナトリア,メソポタミア,北アフリカ,アラビア半島にまで及ぶ大帝国に発展)
1919年~1922年 祖国解放戦争
1922年 オスマン帝国滅亡
1923年10月29日 ローザンヌ条約に基づきトルコ共和国成立 (初代大統領 ケマル・アタテュルク)
1952年 NATO加盟
1960年 軍による「5.27クーデター」
1961年 民政移管
1971年 軍による「書簡によるクーデター」,政権交代
1974年 キプロス進攻
1980年 軍による「9.12クーデター」
1983年 民政移管
1999年 EU加盟候補国に決定
2005年 EU加盟交渉開始

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

レジェップ・タイップ・エルドアン大統領(2014年8月28日就任:任期5年)

3 議会

一院制 (550議席 任期4年 複数政党制)
議長:イスマイル・カフラマン(Mr. Ismail KAHRAMAN

4 政府

首相:
ビナリ・ユルドゥルム(Mr. Binali YILDIRIM
副首相:
ヌレッティン・ジャニクリ(Mr. Nurettin CANIKLI
副首相:
メフメト・シムシェッキ(Mr. Mehmet SIMSEK
副首相:
ヌーマン・クルトゥルムシュ(Mr. Numan KURTULMUS
副首相:
トゥールル・トゥルケシュ(Mr. Tugrul TURKES
副首相:
ヴェイシ・カイナック(Mr. Veysi KAYNAK
外相:
メヴリュト・チャヴシュオール(Mr. Mevlut CAVUSOGLU

5 内政

  • (1)2002年以来,穏健イスラム政党の公正発展党(AKP)が単独政権を維持。2015年6月の総選挙では,クルド系野党の国民民主党(HDP)が得票率13%を獲得した結果,AKPは議席数を大幅に減らし(258議席),過半数割れの結果となった。エルドアン大統領から首班指命を受けたダーヴトオール首相(当時)は野党との連立協議を行ったが合意に至らず,エルドアン大統領は憲法上の既定に基づき再選挙の実施を決定した。2015年11月1日に実施された再選挙では,AKPは得票率49.32%を獲得し,過半数を超える317議席を確保し,11月30日,ダーヴトオール首相(当時)による第64代内閣が発足した。2016年5月22日,ユルドゥルム運輸海事通信大臣がAKPの新党首に選出されたことに伴い,ダーヴトオール首相(当時)は辞任を表明。エルドアン大統領から首班指名を受けたユルドゥルム首相による新内閣が組閣され,2016年5月29日,トルコ大国民議会における信任投票の結果,信任多数で第65代内閣が発足した。
  • (2)2014年8月に初の直接国民投票に基づく大統領選挙が行われ,エルドアン首相(当時)が得票率51.8%で勝利。実権型大統領制の導入を含む憲法改正を目指している。
  • (3)クルド問題が内政上の課題。AKP政権は,テロに屈しない姿勢を維持しつつも,クルド系住民の権利拡大に努めるなど,クルド問題の解決のため硬軟織り交ぜたアプローチを採用。トルコ政府は,2013年1月から,クルドの権利を主張してテロ活動を行ってきたクルド労働者党(PKK)指導者で現在刑務所に収容されるオジャランとの間でPKK問題解決に向けた対話を開始し,国内和平プロセスを強く推進してきた。他方,トルコ政府はPKKによるテロの脅威を理由とし,2015年7月,同和平プロセスが開始されて以来初めて北イラクのPKK施設を越境爆撃するとともに,国内各所において一斉摘発を実施。また,南東部では都市部でも軍事作戦を展開。PKKも南東部を中心にアンカラを始めとする大都市でもテロ活動を活発化させており,双方の衝突が継続中。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)トルコは,欧州,中東,中央アジア,コーカサス地域の結節点という地政学的に重要な要衝に位置し,多角的な平和外交を基調としている。欧米との協調関係が基本姿勢であり,NATO,OECD,OSCEの加盟国。
  • (2)AKP政権は,近隣地域の安定と経済関係の強化を目指すとともに,アフガニスタンやソマリアの復興支援への関与を深めるなど,アジア・アフリカまで視野に入れた積極外交を推進。他方,アサド政権下のシリアとの関係は(ISIL対策,シリア人難民問題も含め)悪化。対エジプト関係や対ロシア関係を始めとして,近隣諸国との間に困難な問題も多い。
  • (3)国連を始め国際社会における役割の増大を追求し,2015年はG20議長国を務めた。2016年5月にイスタンブールで世界人道サミットを国連とともに共催で実施した。
  • (4)2005年10月から開始されたEU加盟交渉は停滞気味だが,2015年12月「経済・通貨政策」章が新規に交渉開始。 また,2016年3月18日,トルコとEUは新たにトルコからギリシャに越境する全ての非正規移民をトルコに送還することで合意し,4月以降非正規移民のトルコ送還及びシリア難民のトルコからEU内への再定住が開始されている。

2 国防力

(1)予算:
約99.7億ドル(GDPの1.24%)(Military Balance 2015
(2)兵役:
6~12ヶ月(21歳~41歳)(兵役終了後,41歳までは予備役)
(3)兵力:
総兵力 約711,800人(沿岸警備隊,軍警察を含む)
陸軍 402,000人,海軍 48,600人,空軍 60,000人,沿岸警備隊 5,750人,軍警察 195,450人

経済(特記ない限り,トルコ国家統計庁発表の2015年度数値による)

1 産業割合

サービス業(57.4%),工業(23.4%),農業(7.6%)

2 GDP(名目)

7,199億ドル

3 1人当たりGDP

9,261ドル

4 経済成長率

4.0%

5 物価上昇率

8.8%

6 失業率

10.3%

7 総貿易額

  • (1)輸出 1,439.3億ドル
  • (2)輸入 2,072億ドル

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 自動車・部品(12.1%),機械類(8.6%),貴金属類(7.8%),ニット衣類(6.2%)
  • (2)輸入 鉱物性燃料(18.3%),機械類(12.3%),電気機器(8.5%),自動車・部品(8.5%)

9 主要貿易相手国(トルコ経済省)

  • (1)輸入 中国(12%),ドイツ(10.3%),ロシア(9.8%)…日本(1.5%,第14位)
  • (2)輸出 ドイツ(9.3%),英国(7.3%),イラク(5.9%)…日本(0.2%,第63位)

10 通貨

トルコ・リラ

11 為替レート(トルコ中央銀行)

トルコ・リラ=約38円 (2016年5月時点)

12 経済概況

  • (1)トルコは2010年,2011年と内需に牽引され,力強い成長を続けていたが,2012年に入り,政府の進める経済抑制策の影響等から,その成長に減速が見られた。一方,過熱気味であった国内経済が抑制された結果,経常収支,物価上昇等の経済指標は改善。2013年に入り内需の盛り上がりから徐々に経済は回復(年間成長率4.0%)。2014年は国内経済の引き締め及びEU圏の緩やかな回復により,輸出牽引型の緩やかな成長を実現(年間成長率3.0%)。 2015年も順調に4.0%の経済成長率を達成している。
  • (2)安定した政権運営,欧州諸国と比較しても良好な財政水準,国民の平均年齢が若く豊富な労働力,健全な銀行セクターといった強みを有する一方,更なる経済成長の実現には,産業の高度化,経常赤字解消のためのエネルギーの海外依存の低下,貯蓄率の改善などの構造改革の推進が必要となっている。
  • (3)中央アジア・コーカサスや中東地域から欧州へのエネルギー(石油・天然ガス)輸送の要衝としても注目を集めている。
  • (4)トルコ政府は,2023年(共和国建国100周年)までに,世界第10位の経済規模及び輸出額5,000億ドルという目標を持つ。

経済協力

1 主要援助国

日本,EU,フランス,スペイン,オーストリア等

2 我が国の援助

  • (1)有償資金協力 6,521億円(2013年度までの累計:交換公文ベース)
  • (2)無償資金協力 32.92億円(2013年度までの累計:交換公文ベース)
  • (3)技術協力    453.81億円(2013年度までの累計:JICA経費ベース)

3 技術協力実績

  • (1)1995年6月にJICAトルコ事務所を開設
  • (2)研修員受入(2014年度実績):108名(累計 5,037名)
  • (3)専門家派遣(2014年実績):78名(累計 1,518名)
  • (4)技術協力プロジェクト(2016年1月末現在):2件実施中
  • (5)シニアボランティア(2016年1月末現在:11名活動中)(同時点現在累計72名)

二国間関係

1 政治関係

  • (1)日本・トルコ関係は,1890年のエルトゥールル号事件(1887年に小松宮彰仁親王同妃両殿下が欧州訪問の帰途にオスマン帝国を公式訪問したことに対する答礼として,アブデュル・ハミト2世が特使としてオスマン提督を日本に派遣した際,エルトゥールル号が帰路,紀州・串本沖で沈没。乗組員581名が死亡したが,日本側官民あげての手厚い救護により69名が救助され,日本の巡洋艦によりトルコに送還された事件)以降,歴史的に友好関係にある。
     また,1985年3月,イラク・イラン戦争の中,テヘランで孤立した邦人を救出するためにトルコ政府がトルコ航空の特別機を派遣した出来事も,両国の友好関係の象徴的出来事となった。
  • (2)東日本大地震に際して,トルコ政府は支援・救助チーム32名を派遣,約3週間にも及ぶ活動を行い,支援・救助チームとしては最長期間の活動を行った(2011年3月21日~4月8日の期間,宮城県利府町でベースキャンプを設営し,主に宮城県七ヶ浜町などで活動)。4月4日に菊田政務官(当時)が七ヶ浜町の現地を視察し,トルコ支援・救助隊員と懇談。4月11日,トルコ支援・救助隊は,帰国前,伴野外務副大臣(当時)を表敬。伴野副大臣(当時)から,トルコの支援に謝意を表明した。
     また,4月4日,成田空港に支援物資を積んだ貨物機が到着し,缶詰約60,000個,水約18.5トン,毛布約5,000枚が宮城県や福島県の被災地に届けられた。
     なお,2011年10月23日にトルコ東部ヴァン県を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生し,我が国からは緊急援助物資(テント500張)を供与するとともに,トルコ政府が計画した仮設住宅への支援のため1000万ドルの緊急無償資金協力を行った。また,国際NGO「難民を助ける会」が支援活動を行っていたが,11月9日に発生した余震により同NGO職員の邦人2名が罹災,うち1名が亡くなり,1名が負傷した。トルコ政府は,この邦人2名に対し手厚い対応をした。
1924年8月6日 トルコ共和国承認
1925年3月23日 在トルコ日本国大使館開設(イスタンブール)
1937年10月27日 日本大使館がアンカラへ移転
1965年1月1日 在イスタンブール日本国領事館開設
(1972年10月,総領事館昇格)

2 経済関係

(1)貿易(2015年)
  • (ア)対日輸出 3.34億ドル(紙巻たばこ,マグロ,スパゲッティ等)
  • (イ)対日輸入 31.4億ドル(建設機械,自動車・部品,鋼板等)
(2)日本からの対トルコ直接投資額:3.61億ドル (2015年)
(3)トルコは日本企業にとって,国内市場に加え,EU及び近隣諸国市場への生産拠点として注目が高まっており,また,消費市場の拡大に伴い販売拠点の設立も相次いでいる。特に近年企業の進出や現地法人化の動きが加速しており,業種もこれまでの商社,建設,製造業に加えて,金融,食品,医療,報道・出版など多岐にわたっている。

3 文化関係

  • (1)トルコ人は一般的に非常に親日的であり,日本文化に対する関心も高い。2012年に外務省が行った世論調査によれば,83.2%のトルコ人が日本との関係を「友好関係にある」「どちらかというと友好関係にある」と回答。
  • (2)1998年5月,トルコ側の主導で,両国官民の協力により,アンカラに「土日基金文化センター」が開館した。同センターは日・トルコ文化交流の拠点として,大使館との共催による文化行事等をはじめ様々な活動を行っている。(2013年5月3日,安倍総理のトルコ訪問の際,「土日基金文化センター」設立15周年式典が開催され,安倍総理夫妻は,チチェッキ・トルコ大国民議会議長夫妻とともに,右に出席した。)
  • (3)エルトゥールル号事件から120年目の節目を迎える2010年に「2010年トルコにおける日本年」を実施し,トルコ全土で186の日本・トルコ交流事業を開催した。 また,125周年である2015年には両国政府支援による日トルコ合作映画「海難1890」が制作され,両国で公開された。

4 在留邦人数

2,049名(外務省在留邦人数統計 2014年10月)

5 在日当該国人数

4,723名(2015年12月末 在留外国人統計(法務省))

6 要人往来(2000年以降)

我が国要人のトルコ訪問
年月 要人名
2001年1月 橋本国務大臣
2002年1月 田中外務大臣
2002年7月 村岡日本-トルコ友好議連会長一行
2002年9月 遠山文部科学大臣
2002年10月 寬仁親王殿下
2002年11月 茂木外務副大臣(総理大臣特使)
2003年2月 中山総理大臣特使
2003年6月 寬仁親王殿下,彬子女王殿下
2003年9月 本岡参議院副議長一行,参議院日本トルコ友好議連一行
2003年10月 寬仁親王同妃両殿下
2004年7月 寬仁親王殿下(アナトリア考古学研究所起工式)
2005年5月 谷垣財務大臣(アジア開発銀行総会)
2005年9月 寬仁親王殿下,彬子女王殿下(アナトリア考古学研究所竣工式典)
2006年1月 小泉総理大臣
2008年5月 彬子女王殿下
2009年3月 皇太子殿下(第5回世界水フォーラム)
2010年1月 岡田外務大臣
2010年5月 寬仁親王殿下(「2010年トルコにおける日本年」友好祝賀式典)
2010年7月 寬仁親王殿下,彬子女王殿下(アナトリア考古学研究所開館式典)
2010年7月 横路衆議院議長
2012年1月 玄葉外務大臣
2012年6月 玄葉外務大臣(第4回NPDI外相会合)
2013年5月 安倍総理大臣
2013年10月 安倍総理大臣(マルマライ・プロジェクト開通式典)
2014年4月 彬子女王殿下
2014年7月 茂木経済産業大臣
2014年7月 新藤総務大臣
2015年2月 麻生副総理兼財務大臣(G20財務相・中央銀行総裁会議)
2015年4月 下村文部科学大臣
2015年5月 太田国土交通大臣
2015年5月 林農林水産大臣(G20農業大臣会合)
2015年9月 麻生副総理兼財務大臣(G20財務相・中央銀行総裁会議)
2015年11月 安倍総理大臣,麻生副総理兼財務大臣(G20アンタルヤ・サミット)
トルコ要人の訪日
年月 要人名
2000年4月 ジェム外相(外務省賓客)
2000年6月 エルシュメル副首相兼エネルギー天然資源相(小渕前総理大臣葬儀)
ウンリュ国務相(東京モスク開所式)
2000年8月 ミルザオール海事庁担当国務相
アイドゥン公共事業・住宅相
2000年9月 アイテキン環境相
2000年11月 オナル経済担当国務相
2001年11月 タシャル観光相
2002年1月 ガイダル国務相(アフガニスタン復興支援国際会議)
2002年3月 アクジャン公共事業・住宅相
2002年4月 ヴラル運輸通信相
2002年6月 ウンリュ国務相(サッカーW杯)
2003年2月 ヤルチュンバユル副首相(「トルコ年」開会記念式典)
2003年6月 アルンチ国会議長
2003年8月 ムムジュ文化・観光相(NHK「トルコ三大文明展」開会式)
2003年12月 ギュル副首相兼外相(外務省賓客)
2004年4月 エルドアン首相(実務訪問賓客)
2005年8月 アタライ国務相(博覧会賓客)
2006年10月 テュズメン国務相
2007年2月 オザック公共事業・住宅相
2008年6月 ギュル大統領(公式実務訪問賓客)
2009年10月 ギュナイ文化観光相
2010年10月 シャーヒン大国民議会議長
チャーラヤン対外貿易担当国務相
2010年12月 ユルドゥルム運輸通信相
ユルドゥズ・エネルギー天然資源相
2011年12月 ババジャン副首相
2012年5月 エルギュン科学産業技術相
2012年7月 チャーラヤン経済相
2012年10月 ババジャン副首相
アクダー保健相
2013年3月 ユルマズ国防相
2013年5月 バイラクタル環境都市相
2014年1月 エルドアン首相(公式実務訪問賓客)
2014年4月 ダーヴトオール外相(第8回NPDI広島外相会合)
2014年10月 ゼイベキチ経済相
2014年11月 アヴジュ国家教育相(ESDユネスコ世界会議)
2015年2月 シムシェキ財務相
2015年3月 クルトゥルムシュ副首相(第3回国連防災世界会議)
2015年6月 チチェッキ大国民議会議長
2015年10月 エルドアン大統領(実務訪問賓客)

7 二国間関係・取極

  • 通商航海条約 (1930年署名,1934年4月19日発効)
  • 査証免除取極 (1957年署名,1958年1月5日発効)
  • 航空協定 (1989年署名,1989年7月20日発効)
  • 投資促進保護協定 (1992年署名,1993年3月12日発効)
  • 租税条約 (1993年署名,1994年12月28日発効)
  • 原子力協定 (2013年署名,2014年6月29日発効)
  • トルコにおける原子力発電所及び原子力産業開発協力協定 (2013年署名,2015年7月31日発効)
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