スーダン共和国

スーダン共和国(The Republic of the Sudan)

基礎データ

平成29年1月4日

  • スーダン共和国国旗

一般事情

1 面積

188万平方キロメートル(日本の約5倍)

2 人口

4,023万人(2015年,世銀)

3 首都

ハルツーム

4 人種・民族

主としてアラブ人,ヌビア人,ヌバ人,フール人,ベジャ人等。(200以上の部族が混在)

5 言語

アラビア語(公用語),英語も通用,その他 部族語多数

6 宗教

イスラム教,キリスト教,伝統宗教

7 略史

年月 略史
16世紀頃 フンジ・スルタン国が栄える(現在のセンナール州中心)
17世紀頃 フール・スルタン国が栄える(現在のダルフール地方中心)
19世紀頃 オスマン・トルコ帝国支配下のエジプトの侵攻(1820年)を受け,北部スーダン(現在のスーダン)が支配下に組み込まれる
1881年~1898年 「マハディ(救世主)」と称するスーダン人指導者ムハンマド・アフマドが武装蜂起,マハディ国家を建設するも,英国が鎮圧
1899年~ 英国・エジプト共同統治開始,1922年から南部スーダン封鎖,北部との往来には旅券が必要となる(南北対立の遠因)
1955年8月 南部スーダンの自治・独立を求めて,英国指揮下のエクアトリア部隊所属の軍将校と警察の一部が武装蜂起,第一次内戦勃発(1972年終結)
1956年1月 スーダン共和国独立
1958年11月 軍事クーデタによりイブラヒム・アッブードゥ軍事政権成立
1965年4月 総選挙によりウンマ党・国民統一党連立内閣成立
1969年5月 軍事クーデタによりガファール・ニメイリ軍事政権成立,「スーダン民主共和国」に改称
1972年2月 政府側と南部スーダン側の間でアディスアベバ和平成立,第一次内戦(1955年開始)終結
1983年1月 ジョン・ギャラン国軍大佐率いるスーダン人民解放運動・軍(SPLA)が,南部スーダンの自治獲得を目指してスーダン国軍を攻撃,第二次内戦勃発(2005年終結)
1985年4月 スワール・ダッハーブ国防相による軍事政権成立
1985年12月 国名を「スーダン共和国」に戻す
1986年5月 民政移管によりサーディク・マハディ政権発足
1989年6月 軍事クーデタによりオマル・バシール軍事政権成立
1993年10月 バシール中将が大統領に就任
1996年3月 総選挙実施,バシール大統領再任
1996年8月,1997年11月 ムバラク・エジプト大統領(当時)暗殺未遂事件を受け,国連がスーダンに各種制裁(安保理決議1070)を,米国が経済制裁(大統領令13067)を発動
2000年12月 大統領選挙実施,バシール大統領再選
2002年7月 マチャコス議定書の締結(本格的な南北スーダン和平プロセス開始)
2004年7月 アフリカ連合(AU)が停戦監視等のための部隊(AMIS)派遣決定
2005年1月 南北包括和平合意(CPA)署名,バシール大統領が南北統一政府大統領に就任
2005年4月 国連安保理が国連スーダン・ミッション(UNMIS)を設立する決議1590号を採択
2005年7月 南北両勢力による国民統一政府成立,ギャラン第一副大統領兼南部スーダン大統領就任
2006年5月 ダルフール和平合意(DPA)署名
2006年10月 東部スーダン和平合意(ESPA)署名
2006年11月 ダルフールにおける人権侵害をうけ,米国がスーダン政府関係者の渡航禁止・資産凍結を実行する追加経済制裁(大統領令13412)発動
2008年1月 UNAMIDがAMISより指揮権を引継ぎ,展開開始
2009年3月 国際刑事裁判所(ICC)がバシール大統領に対する逮捕状を発行
2010年2月 スーダン政府がドーハにおいて一部ダルフール反政府勢力と即時停戦等に署名
2010年4月 総選挙実施,バシール大統領再選,キール南部政府大統領当選
2011年1月 南部スーダン住民投票実施,南部スーダンの独立決定
2011年5月 スーダン国軍がアビエ地域占拠
2011年7月 国連安保理でアビエ暫定治安部隊(UNISFA)を設立する決議1990号,及び国連南スーダンミッション(UNMISS)を設立する決議1996号採択
南部スーダンが南スーダン共和国として分離独立
2011年7月 ダルフール和平に関するドーハ合意文書(DDPD)署名
2012年9月 南北両国政府が,二国間の未解決課題に関する包括的な9つの合意文書に署名
2013年3月 南北両国政府が,2012年9月協力合意の履行マトリクスに署名
2015年4月 総選挙実施,バシール大統領再選

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

オマル・ハサン・アフマド・アル・バシール大統領

3 議会

国民議会(下院)426議席,州代表評議会(上院)30議席

4 政府

(1)大統領名
オマル・ハサン・アフマド・アル・バシール大統領
(2)外相名
イブラヒム・ガンドゥール外務大臣

5 内政

 1989年,バシール准将(当時)はクーデターにより政権を獲得,1993年10月に大統領就任。以来約26年間政権を維持。2005年1月の包括的和平合意(CPA)により南北内戦が終結した後は,同合意に基づいた国民統一政府が発足し,バシール大統領が統一政府大統領に就任。同年7月には暫定国家憲法が同年7月批准された。

 暫定憲法に基づき実施された2010年4月の総選挙では,バシール大統領が再選。同選挙はCPAの履行事項の1つに含まれ,スーダンにとって24年ぶりの複数政党参加による総選挙であった。

 2014年1月,バシール大統領は,国内和平,政治的自由,貧困対策,アイデンティティを議題とする「国民対話メカニズム」を開始したが,反政府勢力や強硬派野党との協議が進捗しないまま,2015年4月に総選挙が実施され,バシール大統領が再選。10月の第1回対話総会では反政府勢力等の多くが欠席したが,その後,現在も政府側と反政府勢力等はアディスアベバ等で断続的に協議を継続中。

 スーダンの内政上の課題としては,西部のダルフール紛争と南部2州(南コルドファン州・青ナイル州)の反政府活動が挙げられる(国土の約3分の1で治安が不安定な状態)。スーダンはまた,2011年の南スーダン独立に伴い,油田及び石油収入の大部分を喪失したため,新たな資源開発(金,クロームなど)による外貨獲得,経済発展も課題としている。

 2016年8月には,反政府勢力側がロードマップ合意案(停戦交渉や国民対話の道筋を示した文書)に署名。しかしながら,その後も停戦交渉がまとまらないまま,同年10月には第2回対話総会が開催され,成果文書(国民文書)が採択された。

外交・国防

1 外交基本方針

 アラブ・アフリカ諸国との友好関係の維持を外交の基盤とし,非同盟・内政不干渉,アラブ・イスラム諸国との連帯,善隣,相互協力が主要原則。また,スーダンをテロ支援国家として経済制裁を維持している米国との関係改善はスーダンにとって大きな課題。

2 軍事力(出典 ミリタリーバランス 2016)

(1)国防費
18.9億ドル(2013年)
(2)兵役
徴兵制(18~30歳 2年間)
(3)兵力
国軍:陸軍240,000名,海軍1,300名,空軍3,000名
その他,準軍隊として人民防衛隊PDF及びRSFもあり。

経済

1 主要産業

鉱業,農業,林業,畜産業,漁業

2 GDP

840億ドル(2015年,世銀)

3 一人当たりGNI

1,840ドル(2015年,世銀)

4 経済成長率

3.1%(2015年,世銀)

5 物価上昇率

16.9%(2015年,IMF)

6 失業率

14.8%(2014年,世銀)

7 総貿易額(2015年,世銀)

(1)輸出
約30億米ドル
(2)輸入
約86億米ドル

8 主要貿易品目(2015年,世銀)

(1)輸出
金,家畜,食用油,ガソリン 等
(2)輸入
さとうきび,ガソリン,乗用車,薬品 等

9 主要貿易相手国(2014年,WTO)

(1)輸出
UAE,中国,EU諸国 等
(2)輸入
中国,EU諸国,インド 等

10 通貨

スーダン・ポンド(SDG)

11 為替レート

変動相場制:1US$=約6.03SDG(2015年,世銀)

12 経済概況

 2011年の南スーダン独立により,スーダンの石油関連製品輸出は約75%減少し,国家歳入は約120億SDG(同GDPの約9%)縮小。対外収入は約64億ドル(同GDPの約13%)縮小し,外貨準備高は約5億ドル縮小した。こうした厳しい財政状況を受け,スーダン政府は,2012年6月に66%のSDGの通貨切り下げ,主要税の引き上げ,石油関連製品への補助金削減,国家歳出削減の実施を含む今後3年間の緊縮財政案を実施した。スーダン政府はまた,海外直接投資促進,金等鉱物資源や農産物等の輸出促進による外貨収入の確保を目指している。

 南スーダンとの関係では,2012年9月27日に署名された合意では,南スーダンがスーダンに対し,パイプライン施設使用料と移行財政措置(TFA)の支払いが規定された。対外債務問題については, 2016年9月までに債権者との間で債務救済合意が実施しない場合,再度両政府間で債務配分に係る協議が実施される予定。

経済協力

1 主要援助国(2013年)

米国,英国,日本,ノルウェー,スウェーデン

2 我が国の援助

  • (1)有償資金協力 105億円,無償資金協力1,222億円,技術協力198億円(2014年度までの実績)
  • (2)1980年代後半から1990年初頭にかけて国内に著しい人権侵害状況が見られたため,ODA大綱の原則に照らして,1992年以降,人道・緊急援助(国際機関経由の食料援助・感染症対策等,草の根・人間の安全保障無償資金協力)に限定。2005年1月のCPA締結後は,国際機関経由の支援に加え二国間支援も実施。
  • (3)2009年1月,約1,600万ドル(約15.75億円)のDDR支援,同10月に約1,000万ドル(約10億円)の総選挙支援実施を決定。
  • (4)2010年7月,817万ドル(約7.7億円)の南部住民投票支援を決定。
  • (5)2011年12月,4,950万ドルの人道支援(補正予算)を決定。
  • (6)2012年10月,17.9億円のカッサラ市給水計画(無償)及び30.45億円の食料生産基盤整備計画(無償)に係る交換公文(E/N)署名。
  • (7)2013年2月,3,770万米ドルの人道支援(補正予算)を決定。
  • (8)2014年2月,2,520万米ドルの人道支援(補正予算)を決定。同月,15.3億円のハルツーム州廃棄物管理能力向上計画(無償)に係る交換公文(E/N)署名。
  • (9)2015年2月,2,091万米ドルの人道支援(補正予算)を決定。9月,23.2億円のハルツーム州郊外保健サービス改善計画(無償)の交換公文(E/N)署名。
  • (10)2016年1月,1,983万米ドルの人道支援(補正予算)を決定。10月,31.5億円のコスティ市浄水場施設改善計画(無償)の交換公文(E/N)署名。

二国間関係

1 政治関係

(1)日本のスーダン承認:1956年1月6日
(2)公館設置
日本側公館
公使館設置(在エジプト大使兼任) 1957年2月
大使館昇格 1961年4月
先方公館
大使館設置 1961年9月
大使館閉館 1970年2月
大使館再開 1973年8月
(3)1996年6月国連安保理決議1054及び1070に基づき対スーダン制裁実施。
(4)2001年9月,国連安保理決議1054及び1070に基づく対スーダン制裁解除。
(5)2006年6月,国連安保理決議1591及び1672に基づき,ダルフール和平阻害者等に対する制裁実施(継続中)。

2 経済関係

(1)対日貿易(財務省貿易統計)
(ア)品目
輸出 原油 等(2015年)
輸入 バス・トラック,乗用車,タイヤ 等(2015年)
(イ)貿易額
輸出 197億5600万円(2015年)
輸入 72億4000万円(2015年)
(2)進出企業:2社(2015年10月現在)

3 文化関係

(1)留学生交流
 これまでスーダン人学生80名以上が日本に留学。
(2)学術交流(実績ベース)
 京都大学とハルツーム大学
 神戸大学農学部とゲジーラ大学農業科学部
 鳥取大学とスーダン農業研究機構(スーダン科学技術省傘下の組織)
(3)スポーツ交流
日本のレスリング専門家がスーダン人レスリング選手を指導(2014年11月,2015年2月)。

4 在留邦人数

123名(2015年10月現在)

5 在留当該国人数

207名(2015年6月現在)

6 要人往来

(1)往(肩書きはいずれも当時のもの)
年月 要人名
2005年5月 岡田民主党代表一行
2005年11月 日AU友好議員連盟北部代表団(団長 尾身衆議院議員)
2006年2月 塩崎外務副大臣
2007年1月 田中財務副大臣
2008年1月 矢野参議院議員(総理大臣特使)
2008年5月 小野寺外務副大臣,中山外務大臣政務官,佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使
2008年7月 参議院重要事項調査議員団(団長 矢野参議院議員)
2008年8月 三原自由民主党国際局長一行中東・アフリカ諸国訪問団
2010年7月 西村外務大臣政務官
2010年9月 衆議院海賊対処及び国際平和協力活動等調査議員団一行(団長 石田衆議院議員)
2011年7月 菊田外務大臣政務官
2011年10月 山根外務副大臣(アフリカ貿易投資促進官民合同ミッション)
(2)来
年月 要人名
2005年3月 国民統一移行チーム(JNTT)
2005年12月 フィデイル国際協力相
2006年8月 ターハ科学技術相(科学技術フォーラム)
2006年11月 アコル外相(高級実務者招聘)
2006年12月 アガル投資相(JETRO投資セミナー)
2007年10月 ショーカイ保健相(民間招聘)
ターハ内務相(科学技術フォーラム)
ベンジャミン南部スーダン政府地域協力相(オピニオンリーダー招待)
2008年3月 ナーフィア大統領補佐官(外務省賓客招聘)
2008年5月 バシール大統領(TICAD IV)
2008年10月 ターハ農林相,オマル科学技術相(STSフォーラム)
2009年1月 ケルティ外務担当国務相(オピニオンリーダー招待)
2009年3月 ルカ・ビオン南部スーダン政府大統領府担当国務相(TICAD IVフォローアップ・シンポジウム)
2009年3月 アル・ジャーズ・スーダン大統領特使(財務・国家経済担当相)
2009年10月 シッディーク外務次官(日・スーダン政策対話)
2009年10月 パガン・アマムSPLM幹事長(21世紀パートナーシップ促進招聘)
2009年11月 アブダッラー国家選挙委員会(NEC)副委員長(オピニオンリーダー招聘)
2009年12月 ティジャーニ国際協力相(日本・アラブ経済フォーラム)
アドック高等教育・科学研究相(同)
ベンジャミン南部スーダン政府商業・貿易・供給相(同)
2010年12月 シッディーク人道問題担当国務相(平和構築シンポジウム)
2011年11月 サラーフッディーン大統領顧問(閣僚級招聘)
2012年10月 アリー・マフムード財務相(IMF・世銀総会)
2012年12月 ガスマッラー科学技術・通信担当国務相(原子力安全に関する福島閣僚会議)
2013年1月 シーシ・ダルフール地域機構議長
2013年6月 ヤーシーン財務・国家経済国務相(TICAD V)
2013年10月 アブドゥルカーディル大統領府国務相
2014年11月 ムハンマド教育相(ユネスコ世界会議)
2015年3月 エスマト内務相,ヒラール環境相(国連防災世界会議)
2016年12月 イスマイル外務担当国務相(戦略的実務者招へい)

7 二国間条約・取極

  • 1988年11月1日 青年海外協力隊派遣取極
    (1990年12月派遣,1993年1月引上げ,2009年3月派遣再開)
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