スロベニア共和国

基礎データ

令和8年7月7日
スロベニア共和国国旗

一般事情

1 面積

2万273平方キロメートル(四国とほぼ同じ)

2 人口

約212万人(2024年・スロベニア国家統計局)

3 首都

リュブリャナ(人口29.1万人)(2025年・スロベニア国家統計局))

4 言語

スロベニア語

5 宗教

カトリック 57.8%、イスラム教 2.4%、セルビア正教 2.3%、プロテスタント 0.8%、その他(含:不明・無信仰)37.7%(2002年国勢調査(スロベニア国家統計局)2002年、以降統計データなし)

6 略史

年月 略史
6世紀末 スラブ人(スロベニア人)定住開始。アヴァール王国等異民族による支配が続く。
1282年 ハプスブルグ家の所領となる。以後1918年までハプスブルグ帝国領
1918年 セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国
1945年 ユーゴスラビア連邦人民共和国の構成共和国の一つとして発足
1991年6月 ユーゴスラビアからの独立を宣言
1992年1月
1992年5月
EU各国等が国家承認
国連加盟
2004年3月
2004年5月
NATO加盟
EU加盟
2007年1月
2007年12月
ユーロ参加
シェンゲン領域加入
2008年1月~6月 EU議長国
2010年7月 OECD加盟
2021年7月~12月 EU議長国

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ナターシャ・ピルツ=ムサル大統領(2022年12月就任、任期5年)

3 議会

2院制

4 政府

ヤネス・ヤンシャ首相(2026年6月就任)
トネ・カイゼル外務欧州相(2026年6月就任)

5 内政

  • (1)1990年に旧ユーゴ内スロベニア共和国において初の複数政党制による選挙が実施された後、1991年6月独立を宣言。2004年にはEU及びNATOに加盟した。政党としては、中道右派、中道左派の諸政党が存在し、過半数を占めるような強力な政党は無く、連立政権が政権を担ってきている。
  • (2)2014年9月、中道左派の新党「ミロ・ツェラル党」(現「現代中央党」)のツェラル党首を首相とする3党連立の中道左派政権が発足した。2018年3月、ツェラル首相は、政権の一大投資プロジェクトのコペル~ディヴァチャ間第2鉄道路線建設事業の関連法案に関する国民投票が最高裁により無効と判断され、同プロジェクトが暗礁に乗り上げたことを契機に、辞意を表明した。
  • (3)2018年6月、下院選挙が実施され、ヤンシャ党首率いる中道右派政党「民主党(SDS)」が第一党となり、シャレツ前カムニク市長が立ち上げた「マリヤン・シャレツ・リスト」党(LMS)が第二党に躍進した。同年9月、LMSを中心とする中道左派政党によるシャレツ内閣が発足。2020年1月、シャレツ首相は、少数政党の連立政権の運営に行き詰まり、突然の辞任を発表。
  • (4)シャレツ前首相の辞任を受け、民主党(SDS)、現代中央党(SMC)、新スロベニア(NSi)、年金者党(DeSUS)の4党が連立に合意し、2020年3月、第三次ヤンシャ政権が発足した(注:2020年12月、DeSUSが連立を離脱)。
  • (5)2022年4月、国民議会の任期満了による総選挙が実施され、自由運動党(GS)、社会民主党(SD)及び左派党(Left)の3党が連立に合意し、同6月、GSのゴロブ党首による政権が発足した。
  • (6)2022年12月、任期満了に伴い行われた大統領選挙でナターシャ・ピルツ=ムサル大統領が当選し、スロベニア史上初となる女性大統領が誕生した。
  • (7)2026年3月、国民議会の任期満了による総選挙が実施され、スロベニア民主党(SDS)、新スロベニア党・スロベニア国民党・フォーカス連合、民主主義者同盟党の連立による第四次ヤンシャ政権が6月に発足した。

外交・国防

1 外交方針

  • (1)2004年、NATO及びEUへ加盟し、2007年よりユーロを導入。2008年前半及び2021年後半にEU議長国を務めた。
  • (2)近隣諸国をはじめ、EU、NATO、バルカン諸国との関係強化を重視。また、国連を中心としたマルチ外交や経済外交にも積極的に取り組んでいる。2015年7月に新外交宣言及び外交戦略を採択し、中欧諸国との政治・経済関係の強化、外国資本誘致及びビジネスの国際化等を優先事項として定めている。

2 軍事力

  • (1)予算 14億500万ユーロ(ミリタリーバランス2025)
  • (2)兵力 6,200人(注:予備役などは除く)(ミリタリーバランス2025)

2004年3月、NATO加盟。

経済

1 主要産業

自動車等輸送機械、電気機器、医薬品、金属加工、観光

2 GDP

729.7億ドル(2024年・世銀)

3 1人当たりGDP

34,301ドル(2024年・世銀)

4 経済成長率

1.7%(2024年・世銀)

5 物価上昇率

+2.0%(2024年・世銀)

6 失業率

3.2.%(2025年・世銀)

7 貿易額・貿易品目

  • (1)輸出 615.8億ユーロ(医薬品、電気機器、自動車等及び部品、原子炉及びボイラー等)
    (対日輸出は、スロベニアの総輸出の約0.17%)
  • (2)輸入 692.9億ユーロ(有機化学品、医薬品、自動車等及び部品、鉱物性燃料等)
    (対日輸入は、スロベニアの総輸入の約0.21%)
    (2024年 スロベニア国家統計局)

8 貿易相手国

  • 輸出:スイス、ドイツ、クロアチア、イタリア、オーストリア、フランス等
  • 輸入:スイス、ドイツ、中国、インド、イタリア、オーストリア、クロアチア等

 (2024年 スロベニア国家統計局)

9 通貨

ユーロ(2007年1月に導入)

10 経済概況

  • (1)スロベニアは、人口約200万人と市場としては小さいため、欧州を見据えた経済活動が基本であり、製造業も欧州、EU内への供給を中心としている。GDPにおける輸出のシェアは79%(2016年)であり、輸出の約90%が欧州向け、更にそのうちの約75%がEU向けとなっており、欧州の経済動向がスロベニアに大きな影響を与えている。なお、かつてユーゴスラビア内で最先端工業地域であった経緯もあり、国内の工業水準は高い。
  • (2)2020年は新型コロナウイルスの影響で大幅なマイナス成長(-4.2%)となったが、2021年には輸出入、GDPともに急速に回復し、対2020年比で輸出19.0%増、輸入26.0%増、GDP8.4%増を記録した。
  • (3)世界的なインフレの沈静化に伴い、スロベニアの物価上昇率も2023年の7.4%から2024年には2.0%へと急速に低下。続く2025年は、欧州主要国の景気停滞を背景に年間成長率は1.1%にとどまったが、2026年は国内の堅調な個人消費とEU基金を活用した公共投資(内需)による回復が見込まれる。現在の懸念材料は、慢性的な労働力不足。

開発協力

1 日本の援助実績

技術協力実績 4.72億円(2004年度末まで)

  • (1)研修員受け入れ 92名
  • (2)専門家派遣 7名
  • (3)調査団派遣 40名
  • (4)機材供与 853万円
  • (5)開発調査 1件

2 主要援助国

EU

二国間関係

1 政治関係

  • (1)日本は、1992年3月17日にスロベニアを国家承認し、同年10月12日に外交関係を開設した。その後、1993年7月より在オーストリア大使館がスロベニアを兼轄していたが、2006年1月在スロベニア大使館を開設した。一方、スロベニアは、1993年2月駐日大使館を設置し、1995年12月初代駐日大使が信任状を捧呈した。
  • (2)両国間には大きな懸案もなく、友好関係を強化してきている。2019年8月には河野外務大臣が日本の外務大臣として初めてスロベニアを訪問した。同年10月には、パホル大統領が即位礼正殿の儀参列のため訪日し、安倍総理とも会談を行った。2021年4月には茂木外務大臣がスロベニアを訪問し、外相会談の他、ヤンシャ首相及びパホル大統領への表敬を実施した。
  • (3)日本では1996年日本・スロベニア友好議員連盟が発足。スロベニアでは1995年スロベニア・日本友好議員連盟を結成。2016年9月、塩崎厚生労働大臣(日・スロベニア友好議員連盟会長)が「ブレッド戦略フォーラム」出席のためスロベニアを訪問し、ツェラル首相への表敬、エリヤヴェツ外相との会談等を行った。
  • (4)2022年3月、林外務大臣とロガル外相間の電話会談を実施した。同年9月には故安倍元総理の国葬儀参列のためクラコチャル=ズパンチッチ国民議会議長及びツェラル元首相が訪日した他、パピッチ教育・科学・スポーツ大臣がSTSフォーラム出席のため訪日した。更には、10月にボシュトヤンチッチ財務大臣が訪日、11月にGPI会合出席のためストイメノヴァ=ドゥフ・デジタル変革担当大臣が訪日した。
  • (5)2022年10月、福井県福井市にスロベニアの名誉領事館が開館、開館式にジュボガル外務副大臣が出席した。
  • (6)2023年9月の国連総会ハイレベル・ウィークの機会に、上川外務大臣とファヨン副首相兼外相との間で日・スロベニア外相会談が実施された。
  • (7)2024年4月、ファヨン副首相兼外相の訪日に際し、上川外務大臣との間で日・スロベニア外相会談が実施されたほか、辻󠄀外務副大臣とのワーキング・ランチが実施された。
  • (8)2025年は、2月にボシュトヤンチッチ財務大臣が訪日し、また、大阪・関西万博のため、ロトリッチ国民議会議長(5月)、ファヨン副首相兼外相(6月、岩屋外務大臣と日・スロベニア外相会談)、ハーン経済・観光・スポーツ大臣(9月スロベニア万博ナショナルデー)が訪日した。さらに、10月にはウクライナ地雷対策会議に出席するためガブリッチ外務副大臣が訪日し、国光副大臣と会談を行った。

2 経済関係

  • (1)2014年3月、二国間の経済関係強化のため、スロベニア日本ビジネス協会が発足。
  • (2)2015年5月、スロベニア政府は「ビジネス国際化計画」及びその付属文書として「国際化への課題」を採択し、今後、スロベニア政府が経済外交に力を入れていく国である「優先市場」の一つに日本を指定。
  • (3)2016年には19年ぶりに経団連ミッションがスロベニアを訪問したほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とスロベニア関係機関が共同でスマート・コミュニティ実証事業を行うことを決定。
  • (4)2016年10月に安川電機は産業用ロボットの欧州製造拠点をスロベニアに設置することを決定し、2018年5月には産業用ロボット用のインバーター等の製造工場建設にかかる追加投資を発表。また、関西ペイント社が塗装業界大手のヘリオス社の株式を買収するなど日本企業による投資は増加傾向。
  • (5)2019年10月(於:リュブリャナ)及び2020年2月(於:東京)に日・スロベニアビジネスセミナーを開催。
  • (6)2025年9月、リュブリャナにおいて日・スロベニア経済協力セミナーを開催。
日・スロベニア貿易額・品目(2025年、財務省貿易統計)
  • 対スロベニア輸出 約336.3億(機械及び輸送機器、原料別製品、電気機器等)
  • 対スロベニア輸入 約1,192.54億(医薬品、機械及び輸送機器等)

3 文化・スポーツ関係

  • (1)1995年秋にリュブリャナ大学に日本語コースが開設。
  • (2)1996年度より国費留学生の受け入れ開始
  • (3)2001年9月、スロベン・グラデッツ市と新潟県妙高市が姉妹都市協定を結び、現在も交流が続いている。
  • (4)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に際し、福井市がホストタウンとしてスロベニア代表団を受け入れた。
  • (5)2025年9月、クラン市と福井県福井市が姉妹都市協定を結ぶ。
  • (6)近年、日本文化に対する関心は高まりつつあり、伝統的な日本文化をはじめ、若者の間では日本のアニメに代表されるポップカルチャーが浸透しつつある。

4 在留邦人数

181人(2024年現在)

5 在日スロベニア人

129人(2025年現在)

6 要人往来

(1)往
年月 要人名
1997年 10月:経団連ミッション(樋口経団連副会長)
2000年 10月:清子内親王殿下
2001年 9月:原田友好議連会長
2004年 9月:荒井外務大臣政務官
2005年 12月:塩崎外務副大臣
2006年 1月:山中外務大臣政務官、保岡友好議連会長、相沢友好協会会長、7月:中野厚生労働副大臣、8月:北側国土交通大臣、11月:武見厚生労働副大臣
2007年 7月:松島外務大臣政務官
2008年 7月:横路衆議院副議長
2009年 今井最高裁判所判事
2013年 6月:秋篠宮同妃両殿下
2015年 11月:武藤外務副大臣
2016年 9月:塩崎厚生労働大臣、10月:経団連ミッション(石塚ヨーロッパ地域委員長)
2018年 1月:牧原厚生労働副大臣
2019年 6月:関経済産業副大臣、8月:河野外務大臣(日本の外務大臣として初の訪問)
2021年4月 茂木外務大臣
2023年7月 滝波宏文参議院議員(日・スロベニア友好議連事務局長)
2025年9月 滝波宏文農水副大臣(ブレット戦略フォーラム登壇)
(2)来
年月 要人名
1992年 2月:ルーペル外相、6月:タンツィグ科技相
1993年 10月:クラチューン副首相兼経済相
1994年 4月:ターレル議会外交委員長
1996年 4月:ウメック科技相、10月:デジェラク経済関係開発相
1997年 10月:ドラゴニャ経済相
1998年 9月:フルレッツ外相、12月:マリンチェック科技相
1999年 2月:シュピレティッチ友好議連会長、3月:スモルコリ農林相
2000年 3月:ポドブニク国民議会議長、ペトリン経済相
2004年 2月:カチン国民議会外交委員長
2006年 8月:ズヴェル教育スポーツ相、12月:コカル友好議連会長
2008年 4月:ヤンシャ首相、(ヴィズャク経済相同行)、5月:ポドブニク環境・空間計画相、6月:バユク財務相、ルーペル外相
2010年 10月:ジャルニッチ環境・空間計画相
2012年 10月:シュシュテルシッチ財務相
2013年 3月:パホル大統領
2014年 4月:オメルゼル・インフラ空間計画相
2015年 5月:ゾルマン友好議連会長
2016年 10月:ツェラル首相
2017年 5月:ムラク労働・家族・社会問題・機会均等相、9月:ボフ教育・科学・スポーツ副相
2018年 4月:レーベン・インフラ副相
2019年 4月:カンタルティ経済開発・技術副相、6月:ベルトンツェル副首相兼財務相、10月:ピカロ教育・科学・スポーツ相、パホル大統領(即位礼正殿の儀参列のため)
2022年 9月:パピッチ教育・科学・スポーツ相、クラコチャル=ズパンチッチ国民議会議長(故安倍元総理国葬儀参列のため)、10月:ジュボガル外務副相、ボシュトヤンチッチ財務相、11月:コウシュツァ国民評議会議長(参議院招へい)、ストイメノヴァ=ドゥフ・デジタル変革担当相
2023年 3月:シンコ農水食料相、9月:パピッチ高等教育・科学・革新相
2024年 4月:パピッチ高等教育・科学・革新相、ファヨン副首相兼外務欧州相、5月:ストヤノビッチ・スロベニア日友好議連会長、6月:パピッチ高等教育・科学・革新相、10月:パピッチ高等教育・科学・革新相
2025年 2月:ボシュトヤンチッチ財務相、5月:ロトリッチ国民議会議長(万博)、6月:ファヨン外相(万博)、9月:ハーン経済・観光・スポーツ相(スロベニア万博ナショナルデー)10月:ガブリッチ外務副大臣(ウクライナ地雷対策会議)
2026年 1月:ボシュトヤンチッチ財務相

7 二国間条約・取極

1994年2月、旧ユーゴスラビア政府との間で締結された通商航海条約、科学技術協力協定、文化協定、査証免除取極等の承継を確認するための口上書を交換。

8 外交使節

  • 駐スロベニア日本国大使 吉田 晶子(よしだ あきこ) 特命全権大使
  • 駐日スロベニア大使 ユーリ・リフェル 特命全権大使
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