欧州(NIS諸国を含む)

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ロシア連邦国旗

国名:ロシア
Russia

2010年1月現在

一般事情

1.面積

約1,707万平方キロメートル(日本の45倍、米国の2倍近く)
(参考:ソ連:約2,240万平方キロメートル 日本の60倍)

2.人口

1億4,190万人(2009年11月)(参考:ソ連:2億8,862万4千人/1990年1月1日)

3.首都

モスクワ

4.公用語

ロシア語

5.宗教

ロシア正教、イスラム教、仏教、ユダヤ教等。

6.略史

年月 略史
1917年 ロシア革命
1922年 ソヴィエト連邦成立
1991年 ソヴィエト連邦解体
ロシア連邦誕生
2000年 プーチン大統領就任
2008年5月 メドヴェージェフ大統領就任

政治体制・内政

1.政体

共和制、連邦制(共和国や州等83の構成主体からなる連邦国家)

2.元首

大統領;メドヴェージェフ、ドミトリー・アナトリエヴィチ(2008年5月就任)

3.議会

連邦院(上院)と国家院(下院)の二院からなるロシア連邦議会

(1)連邦院(定数:連邦構成主体(83)の行政府及び立法機関の代表各1名、
        任期:連邦構成主体首長及び議会ごとに異なるが概ね4〜5年)

(2)国家院(定数:450、任期5年(完全比例代表制))
        (:2008年の法改正により任期が5年に延長。ただし、現行の任期は4年)

4.政府

首相 プーチン、ウラジミール・ウラジーミロヴィチ

外相 ラヴロフ、セルゲイ・ヴィクトロヴィチ

5.内政状況

(1)プーチン政権(2000年5月〜2008年5月)

 プーチン大統領(当時)は、チェチェン紛争を終了させ、国内の分離主義を掃討したほか、「強い国家」の建設を掲げ、議会勢力及び地方勢力の掌握といった中央集権化や反政権の新興財閥の解体やマスコミの統制等、政治的な安定を追求。また、持続的な経済発展に成功し、「優先的国家プロジェクト」(保健、教育、住宅建設、農業)を通じて国民生活の向上を図った。退任直前の2008年2月には「2020年までの国家発展戦略」を策定し、イノベーション型の経済発展や肥大化した官僚主義のほか、行き過ぎた中央集権の改善等を提唱。

(2)メドヴェージェフ政権(2008年5月〜)

(イ)施政方針:メドヴェージェフ大統領はこれまでのプーチン路線を継承しつつ、経済の「近代化」を最重要視し、賢明な外交・内政を推進(経済、外交部分は各項目参照)。内政分野では、自由と法の尊重、汚職対策、マスコミの自由、司法改革、民主主義の発展、官僚制度の改善、国家が解決してくれるとの国民のメンタリティー打破、国営企業のあり方の見直し等に取り組む。また、「優先的国家プロジェクト」(保健、教育、住宅建設、農業)を引き続き実施。

(ロ)政治改革:大統領の任期(4年から6年へ)及び国家院の任期(4年から5年へ)の延長、連邦院の構成変更、NPO法改正等、種々の政治改革を実現。また、2009年の年次教書演説では地方の政治改革を提案。

(ハ)支持率の変化:世界的金融危機による経済情勢の悪化と時を同じくして、メドヴェージェフ大統領及びプーチン首相の支持率は低下したものの、その後は小幅な変化。

(ニ)人口問題:人口減少の克服が重要課題の一つ。補助金増額等による出生率向上やCIS在住のロシア人の自発的な移住促進を図っており、人口減少のペースは逓減。

(ホ)テロ情勢:2009年4月、チェチェン共和国で「反テロ作戦実施地帯」の指定解除後から同共和国でテロ件数が増加し、7月には人権活動家が殺害される等、治安が不安定化。このほか、同共和国周辺地域であるイングーシ共和国やダゲスタン共和国では政府高官の殺害及び暗殺未遂事件が発生する等、依然治安は不安定。さらに、11月、モスクワ発サンクトペテルブルク行きの急行列車が爆発により脱線し、26人が死亡する事件が発生。現在捜索中。

外交

1.全般

 2008年8月、メドヴェージェフ大統領は、外交の5原則として、@国際法の優位、A世界の多極化、B可能な限りでの友好関係の発展、C国民の生命と権益の擁護、D特別な利益をもつ地域の重視を発表。

 2009年9月、メドヴェージェフ大統領は、論文「進め、ロシア!」の中で、上記5原則に加え、@経済やグローバルな課題における西側民主主義諸国との協調、Aユーラシア経済共同体、集団安全保障条約機構、CIS、上海協力機構、BRICsなどとの協力強化、B歴史捏造の防止、C国際機構の改革を主張。

 2009年11月、メドヴェージェフ大統領は、年次教書演説において、「賢明な内政・外交を行っていく」と表明。また、対外政策はプラグマティックであるべきであり、その基準は「国民の生活水準の向上にどの程度貢献するか」であると述べ、外交をロシアの近代化のために行うと発言(外国からの資本、新技術、最新思想の獲得など)。

2.米国

 2009年4月、オバマ政権発足後初の米露首脳会談がロンドンで行われ、米露関係が「誤った方向に漂流」した時代は終わり、新たな協力関係を始動させることで一致。START(戦略攻撃兵器削減条約)については、同条約が失効する12月までの後継条約作成に向け、交渉を開始することで一致。

 7月、オバマ大統領がロシアを訪問。START後継条約交渉では、核弾頭(1,500-1,675)及び運搬手段(500-1,100)の範囲について合意したほか、MD及びアフガニスタンに関する共同声明を採択。また、米露軍事協力の再開や大統領委員会の設置について合意。

 9月、ニューヨークで米露首脳会談。両首脳はSTART後継条約交渉を年内にまとめられるとの認識で一致。メドヴェージェフ大統領は、米のMD東欧配備計画の見直しを歓迎し、イラン問題では、「制裁が不可避な場合もある」と発言。

 11月、シンガポールで米露首脳会談。START後継条約交渉をさらに進め、残っている問題について解決策を見出すことで合意。イランの核問題では、オバマ大統領が対話と圧力を継続すべきと述べたのに対し、メドヴェージェフ大統領が、交渉で何も得られないのであれば別のやり方でプロセスを進捗させる手段がある旨述べた。12月15日、START I失効、後継条約については交渉継続中。

3.EU/NATO

(1)EU:EUはロシアの第一の貿易相手。EUにとってロシアは中、米に次ぐ第3の貿易相手。ロシアはグルジアとの武力衝突に際してのEU仲介を評価。EUはグルジア紛争との関係で延期したロシアとの新協定締結交渉を2008年12月に再開。

(2)NATO:ロシアはウクライナやグルジアのNATO加盟に反対。ロシアはNATO諸国が欧州通常戦力(CFE)適合条約を批准していないと批判し、2007年12月、CFE条約の履行を停止。2008年8月、グルジアにおける武力衝突を巡りNATOはロシアによる停戦合意履行までロシア・NATO理事会を延期。NATOは2009年3月、同理事会の再開を決定。グルジアにおけるNATO演習(5〜6月)、外交官の相互追放(5月)の影響でさらに遅れたものの、6月に再開され、救難演習等軍事面での協力再開に合意。

(3)「欧州安全保障条約構想」:2008年6月、メドヴェージェフ大統領は、欧州・大西洋地域における安全保障や国家関係の基本原則等について定める新たな安全保障条約を創設するべきと提案。2009年11月、「安全保障の不可分性」の原則などを骨子とする欧州安全保障条約草案を対外的に発表し、各国及びEU、OSCE、SCTO(集団安全保障条約機構)、NATO、CISに送付。

4.アジア太平洋諸国

(1)アジア太平洋地域全体:極東・東シベリア開発を通じて、発展するアジア・太平洋地域の統合プロセスへの参加を志向。2012年、ウラジオストクでAPEC首脳会議を開催予定。

(2)中国:ロシアにとりEUに次ぐ第二の貿易相手国。2004年10月、国境が最終的に画定。2005年8月、初の中露共同軍事演習を実施(その後2007年8月、2009年7月に演習を実施)。2009年6月、胡錦涛国家主席が訪露し、中露共同声明を採択。同10月、プーチン首相が北京を訪問。中露間で天然ガス供給の基本条件に関する枠組協定や弾道ミサイル発射情報の事前通報協定に署名。

(3)インド:2000年に戦略的パートナーシップを宣言。印露首脳の相互訪問のほか、印露共同軍事演習、中印露三ヵ国外相会談を累次にわたり実施(最近では2009年10月)。2008年12月にメドヴェージェフ大統領が訪印し、原子力協力の強化等に合意。2009年12月、シン印首相訪露。

(4)北朝鮮:北朝鮮を巡る問題については、六者会合を通じた解決を支持。「北東アジアの平和及び安全のメカニズム」作業部会議長国。 北朝鮮によるミサイル発射(2009年4月5日)後に行われたラヴロフ外相の訪朝(4月23-24日)では、北朝鮮に対し六者会合への復帰を呼びかけた。

5.上海協力機構(加盟国:ロシア、中国、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン)

 各加盟国間の相互信頼の強化、テロ等の共同対処、政治・経済・防衛等の分野での地域協力の推進を目的として2001年に創設。

 2009年6月、ロシア・エカチェリンブルクで年次首脳会合を開催し、金融危機対策、アフガニスタン情勢等につき協議。また、中国が同機構の各種プロジェクトへの100億ドル拠出を表明。

 2009年10月、北京で年次首相会議を開催し、金融危機対策、社会・人道問題につき協議。上海協力機構内での経済協力を拡充、年内の同機構財務相・中央銀行総裁会議実施などで合意。

6.CIS諸国

(1)CIS諸国全般:ロシア外交の最優先地域。ロシアは、CIS(1991年、バルト諸国を除く旧ソ連諸国により、外交問題の調整等のため設立。2005年、トルクメニスタンが準加盟国となり、2009年、グルジアが脱退)を伝統的な友好善隣関係や歴史的なつながりによって結ばれた特別な地域とみなし、積極的な外交を展開している。またロシアは、集団安全保障条約機構(CSTO)やユーラシア経済共同体(EAEC)など多国間の枠組みを通じ、CIS諸国の一部と安全保障面、経済面での関係を維持。

(2)二国間関係:政治的、経済的な関係の水準は国ごとに異なる。ロシアは積極的な資源外交を展開し、資源国とエネルギー分野で協力。ウクライナとは、NATO加盟問題、ガス供給問題(2009年1月)、ロシア黒海艦隊駐留問題等を抱える。グルジアとの間では2008年8月に武力衝突が発生。ロシアによる南オセチア及びアブハジアの独立承認をうけて、外交関係が断絶した。

国防

1.ロシア連邦軍

(1)総兵力 約102.7万人、準軍隊(国境警備隊、内務省軍等) 約44.9万人

  ICBM(大陸間弾道ミサイル)430基、SLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)約217基

    (イ)地上軍(約39.5万人):6軍管区、8司令部、1軍団司令部、戦車 約23,000両、火砲等 約26,121門

    (ロ)海軍(約14.2万人):主要水上艦艇61隻、潜水艦67隻(戦略ミサイル原潜(SSBN)15隻含む)、作戦機245機

    (ハ)空軍(約16万人):戦略爆撃機90機、戦闘機725機、攻撃機807機、爆撃機116機

(2)極東ロシア軍の兵力(約9万人) 
 主要水上艦艇約20隻、潜水艦約20隻(原子力潜水艦(SSN)15隻含む)、作戦機約600機

(資料源:2009ミリタリーバランス、「平成21年版日本の防衛」等)

2.国防戦略

 2009年5月に承認された「2020年までのロシア連邦国家安全保障戦略」では、国防政策として、戦略核戦力の保持、軍改革の実施、国境警備の強化、国防力の強化及び不拡散等国際的な戦略安定性確保のための国際協力の推進を謳っている。ただし、核戦力の具体的使用法や具体像についてはなお不透明。

3.軍改革

(1)「2007-2015年の国家軍備計画(未公表)」に基づき、軍の近代化、軍人の待遇改善等を実施中。

(2)今後の改革の概要(2008/12/16 マカロフ露軍参謀総長の発言による)

    (イ)参謀本部全権委任制度の復活

    (ロ)軍管区に作戦、戦略司令部の設置

    (ハ)有戦闘経験将校及び指揮官経験者の重視

    (ニ)戦闘準備態勢の確立

    (ホ)優秀将校への報奨金

    (ヘ)2020年までに新装備品の導入

    (ト)徴兵制の維持

    (チ)海軍総司令部のサンクトペテルブルクへの移転

4.兵力整備

 メドヴェージェフ大統領は、2020年までの軍の構成の改革の基礎として、1)常備即応戦闘兵団への移行、2)指揮システムの効率性の向上、3)訓練、教育、技術システムの近代化、4)最新兵器の装備、5)軍人の社会状況の改善、の5つの要素を挙げ、これらを発展させることを明言。

5.ミサイル防衛(MD)問題

 2008年7月の米・チェコMD協定署名、8月の米・ポーランドMD協定署名に際して、露はMD配備はロシアを標的としたものであり不信と軍拡競争をもたらすと改めて指摘。メドヴェージェフ大統領は年次教書演説(2008年11月5日)で、カリーニングラード州へのミサイル「イスカンデル」配備等の対抗措置につき表明した。しかし、2009年9月17日、オバマ米大統領が東欧MD配備計画を見直す旨発言したことを受け、メドヴェージェフ大統領は同月25日、カリーニングラードへの「イスカンデル」配備を中止すると言明。

6.戦略爆撃機による定期的な警戒飛行の再開等

 2007年8月から戦略爆撃機による定期的な警戒飛行の再開、海・空軍による大規模な演習の実施等、ロシア軍の活動が活発化の兆候。2008年2月9日、伊豆諸島南方においてロシア空軍機(戦略爆撃機Tu-95)による領空侵犯事案が発生。

経済

1.主要産業

鉱業(石油、天然ガス、石炭、鉄鉱石、金、ダイヤモンド等)、鉄鋼業、機械工業、化学工業、繊維工業

2.GDP(2008年)

41.5兆ルーブル

3.経済成長率

▲5.3%(1998年) 6.4%(1999年) 10.0%(2000年) 5.1%(2001年) 4.7%(2002年) 7.3%(2003年) 7.2%(2004年) 6.4%(2005年) 7.4%(2006年) 8.1%(2007年) 5.6%(2008年) ▲8.9%(2009年第3四半期)

4.貿易(2008年)

(1)輸出:4,716億米ドル (石油、石油製品、天然ガス、鉄鋼、機械・設備)

(2)輸入:2,919億米ドル(機械・設備、自動車、食料品、医薬品)

(3)主な貿易相手国:上位からドイツ、オランダ、中国、イタリア、ウクライナ、ベラルーシ、トルコ、日本、米国、ポーランド。

5.為替レート

30.19ルーブル/ドル(1月1日)

6.経済状況

(1)金融市場の動向と実体経済への影響:通貨ルーブルは2008年7月、株価は5月、外貨準備は8月に最高値を記録後下落。GDP成長率は10年連続のプラスを記録したものの、2009年第2四半期は▲10.9%で過去15年で最大の落ち込み。石油、自動車等大手企業が生産・投資縮小、人員削減の動き。給与遅配や失業率上昇等の国民生活への影響が出ている。政府は金融機関・企業支援、国民生活の保護、雇用創出等の対策を実施。政府が自動産業保護のため輸入自動車関税の引き上げを決定(2008年12月政府決定。2009年1月施行。10月、さらに9か月の延長決定)したのに対し、ウラジオストク、モスクワ等各地で抗議行動が発生。

(2)財政:2009年修正予算:10年ぶりの財政赤字(3兆ルーブル。対GDP比8.9%)。 2010年予算案(2009年11月25日上院承認)の財政赤字(2兆9千億ルーブル)はGDP比6.8%。

(3)「準備基金」と「国民福祉基金」:原油価格下落への備え等のため、原油収入の一部を積み立ててきたが、両基金のうち「準備基金」を本年の財政赤字の補填のため使用しているため、「準備基金」の総額は減少中(2008年9月1,426億ドル→2009年12月現在751億ドル)。

(4)経済構造改革:経済の「近代化」を最重要視。資源依存や外国製品輸入依存から脱却し、イノベーション型経済への転換を目指す。知識と人に役立つ技術、モノを作り出す賢明な経済の創出を標榜し、経済の5つの方向性(医療、エネルギー効率、熱核融合、宇宙・通信、IT)を提唱。

(5)経済特区: 国内産業の育成・発展や地方開発のため税制、関税及び行政上の優遇措置を定めた「経済特区法」採択(2005年)。これまでに「技術導入特区」(4ヶ所)、「工業生産特区」(2ヶ所)、「観光・レクリエーション特区」(7ヶ所)、「港湾空港特区」(3ヶ所)を指定。

(6)極東・ザバイカル開発:2007年1月、極東・ザバイカル発展国家委員会創設。2008年8月、「2013年までの極東・ザバイカル経済社会発展連邦特別プログラム」を採択。総額7,000億ルーブル(約1.7兆円)で輸送、エネルギー、通信等のインフラ整備を行う計画。

(7)エネルギー:政府高官が主要エネルギー企業の会長職を兼任。政府系ガス企業「ガスプロム」 は2007年4月、サハリンIIの事業主体であるサハリン・エナジー社株式の過半数を取得。新パイプライン建設による供給ルートの多様化を推進。

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